転職回数が平均より多いと不利?採用を勝ち取る6つのポイント
# 転職で失敗しないために
「転職回数の平均ってどのくらいなの?」
「転職回数が多いと選考で不利になる?」
このような悩みを抱えていませんか? たしかに、転職回数が平均よりも多いと選考で不利になることもあります。
しかし、ポイントを押さえれば、転職を成功させることは十分可能です。
当記事では、転職回数の平均を紹介しながら、転職回数が多いと不利に働くケースと働かないケース、採用を勝ち取るための6つのポイントを解説します。
「自分は転職回数が多いから転職できないのでは…」「もう人生終わりだ」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね!
この記事を読んで分かること
- 転職回数の平均が分かる
- 転職回数が多い場合の、不利になるケースとそうでないケースが分かる
- 転職回数が多くても転職を成功させるポイントが分かる

日本の平均転職回数はどのくらい?

「自分の転職回数は多いのか、少ないのか?」と気になる方は多いと思います。
では、日本の平均転職回数はどのくらいなのでしょうか。
日本経済新聞が掲載した情報によると、日本の転職回数は平均で約2回といわれています。
一方で、米国の転職回数は平均11.7回と公表されており、日本では依然として終身雇用の名残や転職回数が多いと良くないという印象が根強く残っていると予想できます。
また、「データブック国際労働比較」によると、日本の平均勤続年数は以下のようになっています。
国 | 勤続年数(男性) | 勤続年数(女性) |
---|---|---|
日本 | 13.7年 | 9.8年 |
アメリカ | 4.3年 | 3.8年 |
イギリス | 9.6年 | 9.3年 |
ドイツ | 9.9年 | 9.6年 |
フランス | 10.2年 | 10.3年 |
イタリア | 11.3年 | 11.2年 |
韓国 | 7.0年 | 4.8年 |
出典:データブック国際労働比較2024|性別・年齢階級別勤続年数
このように、日本は世界的に見ても平均勤続年数が長いため、転職回数が多いとネガティブに捉えられる可能性が高いといえるでしょう。
年代別の平均転職回数
転職回数の平均は、年代によっても異なります。
マイナビが行った調査によると、20代の転職回数の平均は1回、30代は2回、40代では男性が2回、女性は3回が多い結果となっています。
とはいえ、20代で2回転職している方は、男性で31.3%、女性で22.5%となっているため、2回までの転職なら、決して珍しいことではないと言えます。
また、30代では男性・女性ともに、転職回数1回〜3回の割合が約2割前後を占めているため、一般的に3回以内であれば問題視されにくい傾向があると考えられるでしょう。
40代・50代となれば3回以上の割合も多いため、転職回数よりもスキルや実績が重視される傾向にあると予想されます。
今20代で転職回数が多いという方は、転職の際に不利なのかと不安に思っていらっしゃるかもしれません。
必ずしも転職で不利になるとはかぎりませんので、詳しくは以下の記事をご覧ください。
転職回数が平均より多いと不利になることもある

数年前に比べると、転職が当たり前の時代になりつつあります。
しかし、転職回数が平均よりも多い場合は、選考で不利になることもあります。
では、なぜ転職回数が多いと不利になることがあるのか、企業側の視点を含め理由を3つ解説します。
- 1. すぐに辞めてしまうのでは?と判断されやすい
- 2. 実績やスキルが評価されにくい
- 3. 本人に問題があると思われる可能性がある
それぞれ詳しく説明していきます。
理由1.すぐに辞めてしまうのでは?と判断されやすい
転職回数が多いと、多くの企業は長期間の定着を懸念します。
企業は新しい人材を採用する際、採用や育成にかかるコスト、定着率を重視します。
特に最近は、人材の流動化が進み、人手不足の影響で採用活動が難航するケースも増えています。
そのため、企業によっては長期的な定着をより重要視する傾向にあります。
短期間で転職を繰り返していると「採用してもまたすぐに辞めてしまうのでは?」と不安を抱かれやすくなり、書類選考や面接でマイナスな評価につながる可能性があります。
理由2.実績やスキルが評価されにくい
転職回数が多いと、ひとつの会社での勤務期間が短くなりがちです。
その結果、十分な成果を出す前に辞めてしまうこともあり、実績やスキルを正当に評価されないことがあります。
また、他の同年代の採用候補者と比べると、スキルや実績が浅い印象をもたれ、選考が通過しにくくなることもあります。
特にキャリアに一貫性がない場合「専門的なスキルが身についていない=自社で任せられる業務がない」と判断され、お見送りになるケースも多いです。
とくに20代であれば、十分なスキルが身に付かないまま転職をする場合も多いでしょう。以下の記事で、スキルがなくても転職を成功させるコツを解説していますので、ぜひ参考にしてください。
理由3.本人に問題があると思われる可能性がある
転職回数が平均よりも多いと「なぜこんなに転職を繰り返しているのか?」と企業側は理由を気にします。
実際のところ、転職理由にはキャリアアップというポジティブな理由から、「人間関係」「報酬・待遇面」「ハラスメント」などさまざまな原因があげられます。
しかし、面接官が現職の実態を確認することは難しいため、どうしても「短期間で辞めた人」「転職回数が多い人」という事実だけが残ってしまいます。
その結果、転職理由の伝え方によっては、以下のようなマイナスの印象を抱かれることがあります。
- ・職場の人とコミュニケーションが取れないのではないか
- ・会社や業務に対して不満を抱えやすいのではないか
- ・周囲と協力できない方なのではないか など
ネガティブな印象を払拭するためにも、転職理由を前向きに伝え、これまでの経験が応募先の企業でどう活かせるのかを具体的にアピールする必要があります。
転職回数が多くても不利になりにくいケース

転職回数が多いと選考で不利になることもありますが、すべてのケースでネガティブな印象になるわけではありません。
複数回の転職を経験していても、転職理由やキャリアの方向性によっては選考がスムーズに進むこともあります。
ここでは、転職回数が多くても不利になりにくいケースを3つ紹介します。
- 1. キャリアに一貫性がある
- 2. やむを得ない事情がある
- 3. 市場価値が高い業界・職種なら有利になることも
それぞれのケースを詳しく説明していきます。
ケース1.キャリアに一貫性がある
転職回数が多くても、キャリアの軸が一貫している場合は、不利になりにくい傾向にあります。
例えば、業界や職種が変わらず、スキルアップを目的とした転職である場合は、採用担当者からも前向きに評価されやすくなります。
具体的には、
1社目で既存顧客向けの営業を担当し、より高い営業スキルを身に着けるために2社目で新規営業に挑戦。
その後、これまでの経験を活かして、3社目で新規事業の営業職に携わる
といったケースが挙げられます。
同じ職種で一貫したキャリアアップを重ねている場合は、転職回数が平均より多くても「目的意識をもって転職をしている方」と、前向きに評価されやすくなります。
ただし、面接では「なぜ現職では、そのキャリアを実現できないのか?」といった質問を受ける可能性が高いため、納得感のある回答を準備しておくことが重要です。
また今後のキャリアに関しても、しっかりとしたキャリアプランを持っておく必要があります。以下の記事でキャリアプランの考え方を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ケース2.やむを得ない事情がある
転職回数が平均より多くても、自分ではどうにもできないやむを得ない事情がある場合は、選考でマイナスの評価を受けにくい傾向があります。
例えば、以下のようなケースが該当します。
- ・会社のM&Aや倒産による転職
- ・経営悪化や事業縮小によるリストラ・減給
- ・会社事情による意図しない異動や環境の変化 など
採用担当者も「本人の能力や適性とは関係なく、転職せざるを得ない状況だった」と理解しやすくなります。
ただし、面接では事実を伝えて終わりではなく、これまでの経験を次の職場でどのように活かせるのかを前向きに話すことが重要です。
ケース3.市場価値が高い業界・職種なら有利になることも
業界や職種によっては、転職回数が多くても不利になりにくいことがあります。
例えば、以下の業界・職種では、転職を通じてスキルを高めた人材が評価されやすい傾向にあります。
職種 | 理由 |
---|---|
ITエンジニア | フリーランスやプロジェクトベースの職種は、転職回数よりもスキルや実績が評価されるため |
コンサルタント | 多様な業界経験がプラスに評価されることが多いため |
Web系やクリエイティブ職 | 実績やスキルが重視される傾向にあるため |
「転職回数の多さ」よりも「どんなスキルを持ち、何ができるか」が重要視されるため、経験を積んで市場価値を高めていれば、選考で不利になりにくいです。
実際に、上記のようなスキルを持つ職種の方は、ベンチャー・スタートアップ企業へ転職し活躍しています。以下のインタビュー動画をぜひご覧ください。
転職回数が平均より多くても成功させるコツ6選

- 「転職回数が多いと選考で不利にしかならないのでは?」
- 「転職回数が多くて人生終わりだ…」
このように不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ポイントを押さえて対策をすれば、転職を成功させることは十分に可能です。
特に、採用担当者が懸念する「長期の定着」をクリアにすることがキーポイントになります。
ここでは、転職回数が平均より多くても選考を突破しやすくなるコツを6つ解説します。
- 1. 自己分析・企業研究を入念に行う
- 2. 職務経歴書を工夫する
- 3. キャリアの一貫性を意識してアピールする
- 4. 転職理由は前向きに伝える
- 5. 長期的に働く意思をアピールする
- 6. 転職回数をあまり気にしない業界を選ぶ
転職を成功させるためにやるべき転職準備を以下の記事でまとめていますので、こちらもぜひ参考にしてください。
それでは、転職回数が多くても転職を成功させるコツを一つずづ解説していきます。
1.自己分析・企業研究を入念に行う
自分に合った環境を見極めるためにも「自己分析」「企業研究」は入念に行いましょう。
転職回数が多くなる理由は、前向きなキャリアアップだけでなく「人間関係」「社風の不一致」「報酬面の不満」「仕事内容のミスマッチ」などさまざまです。
これらの理由は、自己分析や企業研究が不足していたことが原因である場合もあります。
以下の内容を書き出して自分のことを可視化しましょう。
- どんな環境なら、自分が活躍できそうか
- どんな職場・仕事が合わなかったのか
- 仕事でやりがいやワクワクを感じる瞬間はなにか
- 目指したい年収や働き方
- 将来的なキャリアプラン など
自己分析のやり方、以下の記事で3つ紹介していますので、ぜひ参考にして自己分析をしてみましょう。
自己分析をした上で企業研究を行い、自分のキャリアに合った会社かどうかを見極めていくことが、転職成功の鍵となります。
企業研究では、志望する企業だけではなく、競合他社についても調べておくのがポイントです。そうすることで、志望する企業の特徴が見えてくるでしょう。
詳しい企業研究のやり方は、以下の記事をご確認ください。
2.職務経歴書を工夫する
転職回数が多くても、採用担当者に「この人に会いたい」と思ってもらうためには、選考の第一関門である職務経歴書を工夫することが重要です。
なぜ転職したのかという部分よりも「転職を通じて何を得たのか」「転職先で活かせるスキル」などを記載しましょう。
ポイントは以下の通りです。
- ・業務内容は箇条書きで簡潔に
- ・得意分野のスキルや経験を書く
- ・実績は数値化して表現する
- ・実績がない場合は、工夫したことを記載する など
また、IT、Webなどの技術職の場合は、ポートフォリオを作成し、実績やスキルを視覚的にアピールするのも効果的です。
資料作成は、採用担当者によっては見やすさなども細かくチェックするため、仕事に対する姿勢をさり気なくアピールできます。
詳しい職務経歴書の書き方は、以下の記事をご覧ください。無料でダウンロードできるサンプルもあります。
3.キャリアの一貫性を意識してアピールする
転職回数が多くても、キャリアの軸が明確であればマイナスイメージを払拭できます。
今まで経験してきた業務内容を整理して、キャリアに一貫性があることを伝えましょう。
例えば、「マーケティング領域で専門性を深めたい」と伝えたい場合、直近が営業職だとキャリアに一貫性がないように思えます。
しかし、「営業職で市場分析や販売戦略を経験したこと」を伝えれば、マーケティングの基盤を築いてきたことをアピールできます。
面接では「なぜこれまでの転職が必要だったのか」「転職によって得たスキル」を整理し、一貫性を意識して面接で話しましょう。
4.転職理由は前向きに伝える
面接での基本ですが、転職理由は前向きに伝えましょう。特に転職回数が多い場合は特に重要になります。
採用担当者は、転職理由を通じて「この方は長く続けてくれそうか」を判断します。
「人間関係が合わなかった」「給与が低かった」など、ネガティブな転職理由を伝えると、マイナスな印象を持たれてしまいます。
そのため「現職では〇〇の経験を積んだことで、さらに〇〇の業務に挑戦したい」と前向きな動機を伝えることが重要です。
もちろん、転職理由の背景にはさまざまな不満もあったと思います。もし、事実を伝えたい場合は「事実:2割、今後の展望:8割」のバランスで伝えると、本音の転職理由を伝えつつ、ポジティブな印象を与えられます。
前向きな転職理由の伝え方や例文は以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
5.長期的に働く意思をアピールする
転職回数が多いと、採用担当者は「またすぐに辞めてしまうのでは?」と不安を感じます。
「キャリアビジョン(自分がなりたい姿である)」「キャリアプラン(そのためになにをするか)」をもとに、次の会社との共通点を探して、長く働く意志を伝えましょう。
例えば、
「営業経験を活かし、マーケティングのキャリアを歩みたいと考えています。御社では段階的にマーケティング業務を経験できるため、これまでの経験を活かしながら、長期的にキャリア形成ができると考えています。」
以上のように「だからこの会社を選んだ」とアピールできれば、説得力のあるアピールができます。
6.転職回数をあまり気にしない業界を選ぶ
業界や企業規模によっては、転職回数を気にしない場合もあります。
例えば、以下の業界は他業界の経験や成果が重視されるため、転職回数を気にしない企業も一定数あります。
- ・IT・Web業界
- ・コンサルティング業界
- ・M&A業界
- ・建設業界 など
また、企業規模で見ると、スタートアップ企業やベンチャー企業は、スキルや経験を重視する傾向にあります。そのため、転職回数が不利になりにくくなります。
ただし、どの業界・企業規模でも「転職の目的」や「長く働く意思」はしっかり伝えることが大切です。
転職回数が多くてもやってはいけない注意点

ここでは、転職回数が多い方が特に注意すべきポイントを2つ解説します。
- 1. 経歴をごまかすことはしない
- 2. 転職回数を気にしてチャンスを逃さない
1.経歴をごまかすことはしない
転職回数が多くても、経歴は正直に記載しましょう。
知恵袋やSNSでは「短期離職は履歴書に書くべきか?」という投稿が多く投稿されています。
入社後に経歴詐称が発覚すると、最悪の場合、内定取り消しや解雇につながるリスクがあります。
また、経歴をごまかすと、どうしても空白期間ができます。空白期間を面接で質問されると嘘をつかざるを得なくなり、話の辻褄が合わず信憑性を疑われる可能性があります。
経歴を正しく記載したうえで、得た経験やスキルを説明し、自身の失敗も素直に伝えることで、採用担当者に良い印象を与えることができます。
経歴を記載しないことで不安や後ろめたさを感じるくらいなら、ごまかすことをせずに正直に記入した方が精神的にも安心です。
筆者も転職回数5回で1社短期離職もありますが、書類には正直に記載して、当時の失敗や将来のキャリアプランを伝えるようにしています。
本音ベースで話すと問題ないことが多いため、ポジティブに伝わるように工夫して回答しましょう。
2.転職回数を気にしてチャンスを逃さない
転職回数を気にしすぎて「どうせ自分は採用されない」と諦めてしまうのはもったいないです。
現職に不満やストレスを感じている場合、転職することによって、今よりも自分に合う環境で働ける可能性があります。
また、近年は人手不足の影響もあり、転職回数を気にしない企業も増えてきています。
まずは現職を続けながら転職活動を始めて、転職の可能性を確かめたり、市場の状況を確認してみたりするのも良いでしょう。
まとめ:転職回数が平均よりも多い方へ

当記事では、転職回数の平均や、転職回数が多い場合の影響、転職を成功させるための6つのポイントを解説しました。
転職回数が多いと、選考で不利になることもあります。しかし、ポイントさえ押さえれば、転職を成功させることは可能です。
「職務経歴書を工夫してアピールする」「転職理由はポジティブに変換」「自己分析・企業研究を入念に行う」などを意識しましょう。
仕事内容だけでなく、自分の価値観や性格に合う会社を探すなら、企業研究の徹底が特に重要です。
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- 大学卒業後、飲食業で店舗運営を経験し、就職・転職のサービスを扱う企業のWebマーケターにキャリアチェンジ。自身の就活での悩みや転職の経験を活かしたコンテンツ制作や広告運用、LPOなどに従事。その後、人材業界で採用関連の業務などに携わり、現在はHR業界で採用課題の解決やコンテンツマーケティングを専門に行う。
この記事を書いた人
スタートアップ企業の求人動画をお探しならmoovyへ
会社名 | 株式会社moovy |
---|---|
代表 | 三嶋 弘哉 |
設立 | 2020年4月13日 |
住所 | 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目18−3 プレミア道玄坂ビル8階 |
メールアドレス | moovy_support@moovy.co.jp |
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