スタートアップのマーケティング職とは?役割や魅力を紹介
# 職種の選び方
これまでスタートアップの環境で実際に働いたことがない場合、イメージが湧かないのも当然です。
そこで本記事では、スタートアップのマーケティング職の仕事内容や魅力を紹介しています。
また、スタートアップの課題とリスクやスタートアップのマーケティング職に求められるスキルについても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
- スタートアップのマーケターの業務が分かる
- スタートアップの魅力が分かる
- スタートアップのリスクや課題が分かる
この記事を読んで分かること
スタートアップとは
Start-up(スタートアップ)という言葉は、起業家の聖地・アメリカのシリコンバレーで生まれたものです。
言葉自体は、“起業や新規事業の立ち上げ”を意味しますが、特にイノベーションを起こし、短期的に圧倒的な成長率で事業を展開している企業を指します。
似たような言葉で「ベンチャー」という言葉があります。日本では同義の言葉として使われることが多いですが、厳密には違います。
弊社の記事においても便宜上、同義として使用しておりますが、厳密には違う点はご留意ください。
スタートアップとベンチャーの違いについて詳しく知りたい方は、下記記事をご確認ください。
合わせて読みたい:【表で比較】「スタートアップ」と「ベンチャー」の3つの違いとは?
スタートアップのマーケティング職の仕事内容
スタートアップは、マーケティング業務に限らずすべての業務において意思決定やPDCAサイクルのスピードが非常に速いことが特徴です。
そのため、マーケターは市場の反応を素早くキャッチし、仮説を立てては検証を繰り返し、最適な施策を見出していく必要があります。
また、スタートアップはこれまでにないサービスを提供していることが多く、既存のマーケティング手法ではないやり方が必要となる場合があります。
なぜなら新しい市場を開拓しユーザーの共感を得るには、独自の発想でマーケティング戦略を立てる必要があるためです。
ここでは、スタートアップにおけるマーケティング職の具体的な仕事内容を3つ紹介します。
- 1. 事業成長のための戦略立案
- 2. データ分析に基づく意思決定
- 3. デジタルを活用したユーザーとのコミュニケーション
それぞれ詳しく内容を説明していきます。
実際にどのような業務が必要とされているかを知ることで、よりスタートアップのマーケティング職への理解度を深められるでしょう。
1.事業成長のための戦略立案
スタートアップにおけるマーケティング職の重要な仕事内容の1つが、事業成長のための戦略立案です。
スタートアップは限られたリソースの中で市場に新しい価値を提供し、急速な成長を目指します。
そのためマーケティング担当者には、従来の手法にとらわれない革新的な戦略立案が求められます。
具体的な業務の一部を紹介します。
- ・ターゲット市場の調査と分析
- ・競合他社との差別化戦略
- ・成長段階に応じたマーケティング戦略の立案
- ・低コストで高い効果が期待できるグロースハック施策の企画・実践
事業を加速させるためにも、マーケティング担当者は、上記のような業務に創造力とスピード感を持って取り組むことが求められます。
2.データ分析に基づく意思決定
スタートアップにおいて限られたリソースを最大限に活用するには、データドリブンな意思決定が不可欠です。
そのため、スタートアップのマーケティング職では、データ分析に基づく意思決定が非常に重要です。
具体的なデータ分析業務の一部を紹介します。
- ・Webサイトやアプリ内でのユーザー行動データの収集と分析
- ・リアルタイムデータを活用し最適なマーケティング手法を見出す
- ・過去のデータから将来のシナリオを複数プランニングし施策を準備
- ・顧客のライフサイクルを分析し顧客生涯価値(LTV)の最大化を図る
また、データ活用の文化を社内に浸透させ、組織全体のデータドリブンな意思決定を推進することも重要な役割です。
マーケティング担当者は様々なデータ分析業務を通じて、事業の成長を加速させることが期待されています。
3.デジタルを活用したユーザーとのコミュニケーション
スタートアップにとって、デジタルを活用したユーザーとのコミュニケーションはブランド構築や顧客との関係強化に欠かせません。
マーケティング担当者は、以下のようなデジタル活用業務に取り組みます。
- ・Webサイト運用
- ・SNS運用
- ・デジタルサイネージなど新しい広告媒体の選定・運用
スタートアップは資金が潤沢にあるわけではないため、デジタルの有効活用が必要です。
上記のようなデジタルマーケティングを通じて、自社サービスの拡大認知と、ユーザーとのコミュニケーションを図ります。
ここまで、3つの主なマーケティング職の仕事内容をご紹介しましたが、スタートアップへ転職する際は、企業分析や志望動機などの転職準備にいくつかポイントがあります。
スタートアップへの転職を成功させるための「転職マニュアル」はこちらをご覧ください。スタートアップ企業を探す方法も紹介しています。
合わせて読みたい:スタートアップ転職マニュアル!応募から面接まで徹底解説!
スタートアップのマーケティング職の魅力
ここまでで、スタートアップのマーケティング職の仕事内容を詳しく紹介してきました。
一般的なマーケティング職とは異なり、限られたリソースの中で効率よく成果を出せるよう、より戦略的な思考が求められることが理解できたかと思います。
次に、スタートアップのマーケティング職の魅力について、詳しく紹介していきます。
スタートアップのマーケティング職の魅力は、主にこちらの3つが挙げられます。
- ・裁量の大きさ
- ・事業成長への直接的な貢献
- ・多様なスキルを身に付けられる
これら3つの魅力を見ると、スタートアップでの仕事はスキルアップの機会が多く、自身のキャリアにとってもプラスになるように思えます。
では実際に、スタートアップで働くことはキャリアにプラスになるのでしょうか?結論から言えばプラスになりますが、その理由はこちらの記事をご覧ください。
合わせて読みたい:スタートアップのキャリアって実際どう?今後のキャリアにプラスになります!
それでは、3つの魅力がそれぞれどのようなものか、具体的に解説していきます。
裁量の大きさ
スタートアップは人数が少ないため、1人ひとり裁量が大きく、自分の判断でマーケティング施策を立案し実行できる環境であることが多い傾向です。
上司の承認を得るまでの長い決裁プロセスが不要な場合も多く、スピーディーに動けるのも大きな特徴だと言えます。
また、マーケティング予算の使い方や配分をマーケティング担当者自身が決定できることも少なくありません。
自分が最も効果的だと考える施策に対し予算を集中的に投下でき、裁量の大きな環境でマーケティング戦略を立案・実行できます。
一方で、大きな裁量には責任も伴うため、データに基づいた意思決定や、PDCAサイクルを高速で回すことが求められます。
事業成長への直接的な貢献
スタートアップのマーケティング職では、自分の取り組みが事業の成長に直接的に影響を与えるため、大きなやりがいを感じられます。
新規顧客の獲得や既存顧客の満足度向上など、マーケティング施策の成果は事業の成長に直接貢献します。
また、自分の出したアイデアが事業の成長戦略に取り入れられたり、それが元となり事業が成功したりするという経験を積める可能性もあります。
さらに、スタートアップではマーケティング戦略が事業戦略の中核を担うことが多く、マーケティング担当者は事業の成長に不可欠な存在となります。
このように、自分のスキルやアイデアが事業の成功を左右する環境で仕事をすることは、大きなやりがいを得られるとともにスキルを高めるチャンスでもあります。
スタートアップでの成功体験は、キャリアアップの大きな武器になるでしょう。
多様なスキルを身に付けられる
スタートアップのマーケティング職では、業務の幅広さと密度の高さから、多様なスキルを身に付けられます。
スタートアップでは、マーケティング担当者が企画から実行まで、プロジェクト全体を主導することが少なくありません。
企画書の作成、タスク管理、進捗報告など、プロジェクトマネジメントのスキルを習得できる環境でもあります。
これらのスキルは、マーケティングの領域にとどまらず、様々な場面で活かせます。
また、スタートアップでは、チームのメンバーと密にコミュニケーションを取りながら業務を進めていく必要があります。
他部門との連携や、エンジニア・デザイナーとの協働など、コミュニケーション能力やチームワークのスキルも自然と高められます。
このように、マーケティングスキルだけでなく、ビジネスパーソンとして必要な様々なスキルを身につけられ、自身の市場価値を高められます。
これら3つの魅力が仕事のやりがいへと繋がるわけですが、そのやりがいは企業の事業内容や展開しているサービスによっても変わってきます。
実際にスタートアップでマーケティング職をしている方は、どのようなやりがいを感じているのか、ぜひインタビュー動画を見てみましょう。
スタートアップの課題とリスク
スタートアップには、大手企業にはない魅力が数多くあります。
一方、事業の不確実性や資金面での不安定さなど、課題やリスクも存在します。
スタートアップへの入社を考える際は、これらの点を事前に理解しておくことが重要です。
自分の性格や働き方との相性を見極め、覚悟を持って挑戦することが求められます。
課題やリスクを受け入れる準備ができているかどうか、しっかりと自問自答してみましょう。
- 1. リソースの限界
- 2. 事業の不安定さ
- 3. ワークライフバランスの偏り
どのようなリスクなのか、詳しく解説していきます。
スタートアップへ転職する際に検討すべきメリット・デメリットはこちらの記事でも紹介していますので、合わせてご確認ください。
合わせて読みたい:スタートアップへの転職はやめとけって本当?理由やメリットを解説
1.リソースの限界
スタートアップは限られた人員と予算の中で事業を展開していく必要があるため、マーケティング活動におけるリソースの限界は大きな課題の1つです。
リソースの限界から、すべてのマーケティング業務を内製化することが難しい場合もあります。
例えば、大規模な広告キャンペーンの実施や、高度なクリエイティブの制作など、社内のリソースだけでは対応しきれない業務が出てくる可能性があります。
また、デジタルマーケティングのスペシャリストや、データサイエンティストなど、専門性の高いスキルを持つ人材の確保が難しいことがあります。
限られた人的リソースの中で多岐にわたる業務をこなしていく必要があり、特定の領域に特化した人材を揃えることが難しいのです。
そのため、限られた人的リソースの中で、必要なスキルをカバーするための工夫が求められます。
例えば、既存のメンバーのスキルアップを図ったり、一部の業務をアウトソースしたりするなど、柔軟な対応が必要です。
また、自動化ツールの活用など、業務効率化の取り組みも重要となってきます。
2.事業の不安定さ
スタートアップの事業は、市場の反応や競合の動向、資金調達の状況などによって、大きく左右される可能性があります。
事業の成長段階によっては、当初の事業計画から大きく方向性を変更する「ピボット」が必要になる場合も少なくありません。
ピボットが行われた際には、マーケティング戦略も状況に合わせて大幅に変更しなければならないことがあります。
このような環境下では、マーケティング担当者の柔軟な対応力が求められます。
また、資金調達の状況によっては事業の方向性を変えざるを得ない場合もあるため、資金調達の状況に応じてマーケティング戦略を調整できるスキルも必要です。
加えて、事業が軌道に乗らない場合、会社の存続自体が危ぶまれる可能性もゼロではありません。
このように、スタートアップの事業は不安定な側面もあるということへの認識も重要です。
3.ワークライフバランスの偏り
スタートアップにおけるワークライフバランスの偏りは、マーケティング職に限らず他の職種においても共通する課題です。
特にマーケティング担当者は、施策の立案から実行、効果測定まで、幅広い業務を担当するケースが多く、長時間労働になりやすい状況に置かれています。
新しい施策のアイデア出しや、キャンペーンの実施、データ分析など、業務の範囲が広く、集中的に取り組む必要があるためです。
したがって、スタートアップで働く際は、このようなワークライフバランスの偏りに注意が必要です。
自己管理の徹底と、効率的な時間の使い方を心がける必要があります。
また、チームでタスクを分担し、互いにサポートし合える体制を作ることも重要です。
残業の有無などスタートアップの実状が知りたいという方は、こちらの記事で事例とともに紹介しています。
合わせて読みたい:スタートアップの残業は多い?リアルな事例と調べ方を解説
スタートアップのマーケティング職に求められるスキル
スタートアップのマーケティング職は、大手企業でのマーケティング職とは求められるスキルが少し異なります。
そこで、本章ではスタートアップのマーケティング職に求められるスキルを3つ紹介します。
スタートアップのマーケティング職への転職を考えている場合は、自分に必要なスキルがあるかを確認してみましょう。
- 1. マーケティングに関する幅広い知識
- 2. 柔軟性とスピード感のある働き方への適応力
- 3. 自主性
また、スタートアップに興味を持っている方は多いと思いますが、「スタートアップが自分に合っているか」は気になるポイントです。
こちらの記事では、スタートアップに向いている人の特徴や、適性を確認する方法を紹介しています。ぜひご自身がスタートアップに向いているか、確認してみてください。
合わせて読みたい:スタートアップの適性が高い人ってどんな人?ステージ別に解説
それでは、マーケティング職に求められるスキルについて、それぞれ詳しく説明していきます。
1.マーケティングに関する幅広い知識
スタートアップでは、限られたリソースの中で効果的なマーケティング戦略を展開する必要があり、マーケティングの基礎理論から最新トレンドまで幅広い知識が求められます。
また、マーケティング施策の効果を測定し、改善に繋げるには、マーケティングの効果測定に関する知識も欠かせません。
KPIの設定やデータ分析の手法に精通し、施策の効果を定量的に評価できるスキルが必要とされます。
加えて、デジタルマーケティングに関する知見も重要です。
Webサイトやアプリの最適化、SEO、SNSマーケティングなど、デジタルチャネルを活用した施策立案と実行ができなければなりません。
コンテンツマーケティングやインフルエンサーマーケティングなど、ユーザーとのエンゲージメントを高める手法にも精通している必要があります。
上記のように、スタートアップのマーケティング職には幅広い知識と、それを実践に活かせるスキルが求められています。
2.柔軟性とスピード感のある働き方への適応力
スタートアップは市場の変化や競合の動向に素早く対応していく必要があり、マーケティング担当者には、変化への適応力と、スピード感のある働き方が求められます。
スタートアップでは、事業の方向性がピボットする可能性もあり、それに合わせてマーケティング戦略を大きく変更しなければならない場面も少なくありません。
新しいアイデアを積極的に取り入れ、試行錯誤を繰り返しながら最適解を見出していく柔軟性が必要とされます。
また、スタートアップの事業環境は急速に変化するため、マーケティング施策の意思決定と実行のスピードも重要です。
市場の動向を素早くキャッチし、競合他社に先んじて行動に移すことが求められます。
柔軟性とスピード感のある働き方への適応力は、スタートアップのマーケティング職に不可欠なスキルです。
変化の激しい環境の中で、臨機応変に対応し、素早く行動に移せる人材が求められています。
3.自主性
スタートアップでは限られたリソースの中で成果を出すことが求められるため、マーケティング担当者1人ひとりが高い自主性を発揮し、主体的に業務に取り組む必要があります。
上司からの指示を待つのではなく、自分で考え、判断し、行動に移すことが求められます。
また、与えられたタスクをこなすだけでなく、自ら課題を見つけ、解決策を提案できる能動的な姿勢でいることが重要です。
自主性を発揮するには、スタートアップの事業に対する深い理解と、強い情熱を持つことも大切です。
加えて、自己研鑽の姿勢も欠かせません。
マーケティングの領域は常に変化し続けており、新しい知識やスキルを学び続ける意欲が必要です。
自ら学ぶ姿勢を持ち、成長に向けて努力を惜しまない人材が求められているのです。
ここまで、スタートアップに求められるスキルを紹介してきましたが、これらのスキル・能力が自身にあるのか分からないという方は、今一度自己分析をして思い起こしてみましょう。
こちらの記事で自己分析のやり方を3つ紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
合わせて読みたい:転職に必要な自己分析のやり方を徹底解説|3つの方法を紹介します
スタートアップのマーケティング職への転職を考えている方へ
スタートアップのマーケティング職は一般的なマーケティング職とは少し異なり、より幅広く情報を取り入れる姿勢や、柔軟な対応力、スピード感などが求められます。
また、スタートアップには課題やリスクもありますが、それを前向きに捉え困難な状況を乗り越えていくことで、マーケティング人材としての価値を高められるでしょう。
新たな環境で自分の力を発揮するには、自身の価値観や性格に合った企業を選ぶことが重要です。
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- 今林 智宏
- 国立大学を卒業後、大手サービス企業に入社し、店長を歴任。チームマネジメントやマーケティング業務を経験。在籍中は、現場社員として数多くの学生・転職者の面接官も行う。退職後、スタートアップ企業にて、フロントエンドのシステム開発に加え、カスタマーサクセスやマーケティングを担当し、企業の採用や広告支援に関わる。
この記事を書いた人
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会社名 | 株式会社moovy |
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代表 | 三嶋 弘哉 |
設立 | 2020年4月13日 |
住所 | 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目18−3 プレミア道玄坂ビル8階 |
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