【勘違い?】SaaS営業に転職する上で理解しておくべき違いと特徴
# ベンチャー企業 # 職種の選び方
近年話題になっている「SaaS営業」について、なんとなく聞いたことはあるものの詳しくは知らない。そのような人も多いでしょう。
そこで当記事では、気になる「SaaS営業」について、さまざまな角度から解説します。
当記事を読むことで、「SaaS営業」に対する疑問が解決されることでしょう。ぜひ最後までチェックしてください。
まずはSaaSを理解しよう
SaaSの営業に転職しようと考えている人は、まずはSaaSについて詳しく理解することが大切です。
SaaSとは、パッケージとして販売していたソフトウェアを、インターネット経由で利用できるサービスのことですが、パッケージよりも手軽に利用できることが特徴です。
さらに理解を深めたい人は、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
あわせて読みたい:SaaS企業への転職で抑えるべきポイントとおすすめされている理由
またSaaSの営業は、従来の営業とは少しスタイルが異なります。 次項で、SaaSと従来の営業との違いを説明するため、詳しく見ていきましょう。
SaaS企業における営業の種類
SaaSの営業と従来の営業との大きな違いは、自社の商品・サービスについての意識だと言えます。
SaaSの営業は「継続利用」を意識する
SaaSは、継続利用をしてもらうことで、売り上げを維持することができます。
そのため購入後も、定期的にフォローを続けることで、解約のリスクを減らすことが大切です。
従来の営業は「売り切り」を意識する
従来の営業は、商品・サービスを購入してもらうことで、売り上げを立てられるため「売り切り」を意識すると言えます。
上記のように、売ったら終わりではなく「継続利用を意識」するSaaS営業は、以下の段階を踏みながら営業を行います。
- ・インサイドセールス
- ・フィールドセールス
- ・カスタマーサクセス
それぞれ詳しく見ていきましょう。
-
入社理由|整体師だった私がX Mileを選んだ理由
X Mile株式会社
・業種:ソフトウェアベンダー・SaaS
・社員数:10名〜50名未満
-
成長環境を求めていた私が、スタートアップのアソビューに入社した理由
アソビュー株式会社
・業種:インターネットメディア・ネイティブアプリ・ECサイト
・社員数:100名〜500名未満
SaaS企業への転職理由が分かる
おすすめの動画
1.インサイドセールス
まずは、インサイドセールスを実施します。
インサイドセールスを、簡単に言うと「直接訪問をしない」営業のことです。
テレアポと混同されることがありますが、以下の通り、両者には明確な違いがあります。
- テレアポ
- ● アポイントの獲得が目的であるため、電話などで多くの人に連絡を取る
- ● 質より量を意識する
- インサイドセールス
- ● 顧客の獲得が目的であるため、自社の顧客になる可能性の高いターゲットを絞り、焦点をあててアプローチを実施
- ● 量よりも質が重視される
つまりインサイドセールスでは、顧客を獲得するために、質の良い営業をかけると言えます。
例えば、以下の手段でアプローチをします。
-
■ メール
・商品/サービスの案内などを実施
■ウェビナー
・顧客の課題を顕在化し、商品/サービスへの興味を引き立てる
また「潜在的な顧客」を「顕在顧客」にしてリスト化することも、インサイドセールスの大きな役割の一つです。
ここでリスト化された顧客に対して、直接的に営業を行う役割は、次で紹介する「フィールドセールス」の担当となります。
以上のことから、インサイドセールスはSaaS営業で顧客と接点を持つ「最初のステップ」だと言えます。
あわせて読みたい:インサイドセールスに転職するためのポイントを採用のプロが徹底解説
-
Web制作における情報と制作会社を繋げるインサイドセールス|求人動画インタビュー
株式会社ユーティル
・業種:インターネットメディア・ネイティブアプリ・ECサイト
・社員数:10名未満
-
セールスの仕事内容|「ネイルブック」の魅力と共感できるストーリーを伝えていきます
株式会社スピカ
・業種:インターネットメディア・ネイティブアプリ・ECサイト
・社員数:10名〜50名未満
インサイドセールスの仕事内容が分かる
おすすめの動画
2.フィールドセールス
次にフィールドセールスを実施します。
フィールドセールスでは、インサイドセールスで絞った「顕在顧客」に対し、直接営業を行うと言えます。
フィールドセールスでは、インサイドセールスで顕在化した顧客に対し、自社の商品・サービスが「あなたの問題を解決できる」と気づかせながら、営業を実施します。
またインサイドセールスで「見込みの少ない顧客」を除いた分、より顧客に対して時間をかけられるため、従来よりも確度が高い営業が可能だと言えます。
あわせて読みたい:フィールドセールスは転職に有利!?これまでの営業との違いも解説
-
営業の仕事内容-部品の最適発注にとどまらない、「調達プロセスそのものの変革」
キャディ株式会社
・業種:AI・IoT・RPA関連
・社員数:100名〜500名未満
-
営業を通して「相手の立場に立って考える」「論理的に考える」スキルを身につけられる
株式会社ライトワークス
・業種:ソフトウェアベンダー・SaaS
・社員数:100名〜500名未満
-
【営業チーム】仕事内容とやりがいについて
株式会社Lifunext
・業種:デジタルマーケティング・アドテク
・社員数:10名〜50名未満
フィールドセールスの仕事内容が分かる
おすすめの動画
3.カスタマーサクセス
契約に結び付けた後には、カスタマーサクセスを実施します。
カスタマーサクセスを訳すと、顧客の成功を意味します。
営業の視点で捉えると、契約をスタートとし、そこから顧客に継続的なアプローチを実践しつつ、満足度の向上を目指すと言えます。
さらに、アップセルやクロスセルを実施することも特徴的です。
- ● アップセル…より上位の商品・サービスを購入してもらう営業活動
- ● クロスセル…関連する商品・サービスを購入してもらう営業活動
また似た言葉として「カスタマーサポート」があるため、両者の違いを記載します。
以上のことから、カスタマーサクセスは質の向上を目指し、カスタマーサポートは現状回復+アルファを目指すと言えます。
つまりSaaS営業におけるカスタマーサクセスは、商品・サービスの継続に焦点をあてつつ、顧客の成功に向けて寄り添う姿勢が大切だと言えます。
一緒に「顧客の成功」を目指すことで、良好な信頼関係を構築できると、アップセル・クロスセルにも繋がります。
あわせて読みたい:現役社員が徹底解説!カスタマーサクセスの仕事内容の真実
-
【仕事紹介】顧客に伴走し、経理DX実現をリードするカスタマーサクセスエンジニア
ファーストアカウンティング株式会社
・業種:AI・IoT・RPA関連
・社員数:50名〜100名未満
-
社内体制|カスタマーサクセスチームとプロダクトチームが連携しながらサービスを開発
株式会社スピカ
・業種:インターネットメディア・ネイティブアプリ・ECサイト
・社員数:10名〜50名未満
カスタマーサクセスの仕事内容が分かる
おすすめの動画
SaaS営業が押さえるべき3つの特徴とは?
ここまでの話で、SaaS営業と従来の営業との違いを解説しました。ではここからはSaaS営業を行う上で、押さえるべき3つの特徴を解説します。
1.MRRとLTVという指標を理解しよう
SaaS営業が押さえるべき1つ目の特徴は、「MRR」と「LTV」の2指標です。簡単に言うと、以下の通りです。
- ■ MRR(Monthly Recurring Revenueの略称)
- ● 公式=顧客単価✖︎顧客数
- ● 毎月決まって得られる利益のこと。月間経常収益とも呼ばれる。
- 例えば、月間利用料が1万円のサービスを展開し、10名が利用していたとします。 このケースでは、MRRは1万円×10名=10万円です。
- ■ LTV(Life Time Valueの略称)
- ● ※公式=(年間取引額✖︎取引期間✖︎収益率)- 契約維持に掛かる経費
- ● 1つの顧客が生涯にわたって自社に生み出す利益(売上)のこと。
- 例えば、ある顧客の条件が以下だとします。
★年間取引額…12万円
★取引期間…5年
★収益率…70%
★顧客の獲得と維持にかかる費用…5万円
この条件でLTVを計算すると、 {12万円×5年×0.7}-5万円=37万円
※いくつか計算式はありますが、ここでは利益ベースでサブスクリプション型の商品のみという条件での計算式とさせて頂きます。
継続利用が前提のSaaS企業では、サービスの契約時に大きな収入が入るわけではありません。
SaaS企業の収入は、毎月において定額で入る収益によって決まると言えます。
そのため、将来的な収益の予測が必要であることから、MRRやLTVの指標を使うわけです。
MRRを知ることで、毎月の解約数・他の企業との比較などができます。
またLTVの値が高い顧客は、自社のファンと言うべき存在だと言えます。
そのため、LTVを知ることで、自社サービスを指示してくれる顧客への特別なフォローができますし、LTVの低い人をファンに変えるための戦略も立てられるでしょう。
以上のことから、SaaS営業を行う際には、MRRやLTVをはじめとした「用語への知識」を深める意識が大切だと言えます。
2.分業とデータ分析がポイント
SaaS営業が押さえるべき2つ目の特徴は、分業とデータ分析です。
【 分業 】
従来の営業は、以下の全てを混同しつつ、営業を行っていました。
●インサイドセールス
●フィールドセールス
●カスタマーサクセス
一方でSaaS営業は、上記の3つの営業手法について、きちんと分業体制を取ることで、より専門性を高められると言えます。
例えば、下記のように線引きをするため、各分野でやるべきことに集中できます。
- ■ インサイドセールス…商談の数を増やす
- ■ フィールドセールス…契約数を上げる
- ■ カスタマーサクセス…解約率を下げる
【 データ分析 】
上記のように分業をすることで、各データも細かく算出できると言えます。
例えば各担当のKPIも、明確に数値として表現できます。
- KPIとは?
- ● 「Key Performance Indicator」の略称で、重要業績評価指数を意味する
- ● KPIの数値で、目標を達成するためのプロセスが、どれほど忠実に実行できたかが分かる
- ● 訪問/受注/解約などの件数を、KPIで表現することが多い
従来の営業活動では、売上だけに着目するケースが多く、契約が取れない理由が分かりにくいと言えました。
しかしデータ分析をし、KPIなどを用いることによって、原因がはっきりするため、次の行動に繋げることができます。
3.顧客との関係性を重視する
SaaS営業が押さえるべき3つ目の特徴は、顧客との関係性を重視することです。
SaaS営業は、契約を継続してもらうことが重要なため、顧客との関係性に比重を置くと言えます。
売り切り型のサービスでは、商品を売った後の顧客との関係性が薄くなりがちですが、SaaSはこの点で異なります。
顧客が解決したい課題を知ることや、どこに課題があるか?などを考え、顧客に寄り添うことで、契約の続行やアップセル・クロスセルにも繋がると言えるでしょう。
SaaS営業と従来の営業との違い
SaaS営業と従来の営業との違いについて、「SaaS企業における営業の種類」の項目でも簡単に説明しましたが、さらに踏み込んで解説します。
以下にて、具体的に解説するため、チェックしてください。
1.個別に対応したサービスの提供
SaaSは自社の商品・サービスを、インターネット経由で提供するため、オンプレミス型のサービスとは異なると言えます。
- オンプレミス型とは?
- ● 自社でサーバーやシステムを構築し、その中にソフトウェアをインストールして運用する方式
- ● 自社専用にカスタマイズが可能
上記の通り、オンプレミス型は、顧客の要望にあわせてサービスを変化させることが可能です。
そのため、オンプレミス型を導入していた「従来の営業」では、個別に対応した提案をすることができました。
一方でSaaSは、インターネットを経由しつつ各社が使用するため、営業を実施する際に、顧客に合わせたサービスの提供が難しいと言えるでしょう。
ある程度の変化には対応できますが、一定基準内でのサービスの提供になります。
2.1回の売上額が小さい
SaaS営業と従来の営業との違いについて、1回の売上額が挙げられます。
以上のことから、SaaS営業においては、最初の契約金額が少額であるため「苦労したわりには少ない」と感じる可能性もあるでしょう。
そのため、一気に大きな金額を獲得したいと考える方には、物足りなさを感じるかもしれません。
3.働き方や効率がより重視される
SaaS営業では、営業手法の分業化が進むことから、以前よりも効率的に営業活動が出来ると言えます。
また働き方に対しても、以下のように変化しているため、従来のように足で稼ぐ営業から、足を運ばず効率的に営業をすることが求められます。
● 感染を防ぐため、接触すること自体を控える
以上のことから、働き方や効率がより重視され、結果に対する評価もシビアになるといえます。
SaaS営業への転職で求められるスキルや知識とは?
SaaS営業への転職で求められるスキルや知識は、日々変化していると言えます。従来の営業と同様に、コミュニティ能力は必須ですが、さらに必要なスキル・知識を紹介します。
1.顧客の課題を引き出す「ヒアリング力」
SaaS営業への転職で求められるスキル・知識の1つ目は、顧客の課題を引き出す「ヒアリング力」です。
先述の通り、SaaS営業では顧客との関係性が非常に重要だと言えます。
良い関係性が構築できることで、売上の継続などが見込めるからです。
そのため、以下のような顧客の課題を引き出す「ヒアリング力」が求められます。
● 顧客の進みたい方向を知る
2.顧客の課題を解決する「課題解決能力」
SaaS営業への転職で求められるスキル・知識の2つ目は、顧客の課題を解決する「課題解決能力」です。
契約に結び付けるためには、自社のサービスが、顧客の課題を解決できることを示す必要があるからです。
つまり「課題解決能力」が必須であり、この能力がなければ、SaaS営業は務まらないと言っても、過言ではないでしょう。
3.自社サービスについての深い知識
SaaS営業への転職で求められるスキル・知識の3つ目は、自社サービスについての深い知識です。
SaaS営業は、自社のサービスを販売することから、当然といえば当然ですが、案外この点は後回しにしがちだと言えます。
「ある程度の知識があれば良いだろう」などと考えるのではなく、下記などについて、しっかりと勉強・調査をすることが大切です。
●自社サービスの要件定義
●競合他社の商品
継続利用を前提としているSaaSにおいて、特に「自社サービスの利用方法」は重要です。
このような使い方でこの課題を解決できる。など顧客が気づかないような課題解決の方法を提示する事で、売上に大きく影響します。
こうしたスキル・知識をしっかりと得ることで、さまざまな顧客からの要望に対応できるため、信頼を得て売上に直結しやすいと言えます。
SaaS営業のキャリアビジョン
これからSaaS営業のニーズは、さらに高まっていくことでしょう。インターネットを経由したサービスに切り替える企業も、続々と増えているためです。
またSaaS営業を導入する企業は、まだまだ少ないことから、部署内での昇進なども期待できると言えます。
さらにSaaS営業では、インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスを計画的に実施するため、これからのキャリア形成に向けて大きなプラス要素となります。
-
スターティアの教育は、社員の個性を理解し、強みを伸ばすことで成果に繋げていく
スターティア株式会社
・業種:ソフトウェアベンダー・SaaS
・社員数:100名〜500名未満
-
社長インタビュー動画/単なる採用管理だけではなく、入社後の社員活躍の可視化も!
HRクラウド株式会社
・業種:ソフトウェアベンダー・SaaS
・社員数:50名〜100名未満
-
ミッション-モノづくり産業が持つポテンシャルを最大限に発揮できる社会を実現する
キャディ株式会社
・業種:AI・IoT・RPA関連
・社員数:100名〜500名未満
SaaS企業の おすすめの動画
SaaS営業に転職を考えている方へ
SaaS営業に転職したい人にむけて、違いやポイントを解説しましたが、いかがでしたか?
SaaS営業はこれからまだまだ伸びていく、注目の職種だと言えます。
また転職先をお探しの場合には、moovyをおすすめします。
moovyは30秒の縦長動画で企業を探せる「求人動画のプラットフォーム」です。
ベンチャー企業に強みを持つことから、新しい企業での募集が多い「SaaS営業」の求人が多く掲載されています。
さらに動画で求人を探せるため、社内の雰囲気やビジョンなどが分かりやすく、「思っていた様子と違った」などのミスマッチも軽減できます。
SaaS営業の転職にも強いmoovyを、ぜひお試しください。
あわせて読みたい:優良ベンチャー企業の探し方9選|新卒と中途ならではの探し方も解説
- 今林 智宏
- 国立大学を卒業後、大手サービス企業に入社し、店長を歴任。チームマネジメントやマーケティング業務を経験。在籍中は、現場社員として数多くの学生・転職者の面接官も行う。退職後、スタートアップ企業にて、フロントエンドのシステム開発に加え、カスタマーサクセスやマーケティングを担当し、企業の採用や広告支援に関わる。
この記事を書いた人
スタートアップ企業の求人動画をお探しならmoovyへ
会社名 | 株式会社moovy |
---|---|
代表 | 三嶋 弘哉 |
設立 | 2020年4月13日 |
住所 | 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目18−3 プレミア道玄坂ビル8階 |
メールアドレス | moovy_support@moovy.co.jp |
URL | https://company.moovy.jp/ |
事業内容 |
|