【表で比較】「スタートアップ」と「ベンチャー」の3つの違いとは?
# スタートアップ # ベンチャー企業を知る
実際には、ビジネスモデルや収益性が大きく異なりますが、その違いを明確に理解している方は少ない言葉です。
スタートアップやベンチャー企業への転職を考えているみなさんは、この機会に定義や違いをおさらいしましょう。
この記事を読めば、自分がスタートアップやベンチャー企業に向いているかが、5分で分かりますよ。
スタートアップの定義
Start-up(スタートアップ)という言葉は、起業家の聖地・アメリカのシリコンバレーで生まれました。
ちょっと、わくわくするような響きがありませんか?シリコンバレー初の有名スタートアップは、Google、Facebook、Appleなど言わずと知れた大企業。
これらの企業の成功とともに、スタートアップという言葉も広く世界で使われるようになりました。
言葉自体は、“起業や新規事業の立ち上げ”を意味しますが、特にイノベーションを起して短期的に、圧倒的な成長率で事業展開する企業を指します。
ベンチャー企業の定義
ベンチャー企業という言葉は、実は和製英語です。Ventureという単語は、アドベンチャー(adventure/冒険の意味)から来ていて、英語話者にとっての“Venture”は、Venture Capital(VC)、つまり投資を行う側の企業のこと。
日本での使われ方と立場が逆になるので、注意しましょう。和製英語であるベンチャーは、より広義な意味を持っています。小規模で新事業を行う企業側のことを指すのが日本での「ベンチャー」の使われ方です。
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スタートアップとベンチャーの違い
スタートアップとベンチャーの違いは大まかに言って、以下の3点が挙げられます。
- 1.ビジネスモデル
- 2.収益性
- 3.資金調達方法
では、それぞれについて解説していきます。
1.ビジネスモデル
- 今までにない革新的なアイデアから新規ビジネスを創出。
スタートアップのビジネスモデル
ビジネスモデルにおける両者の違いを説明するキーワードは“イノベーション”。スタートアップは、今までにない革新的なアイデアか全く新しいビジネスを創出すること。
世の中に大きなインパクトを与えるビジネス、そしてビジネスモデルを構築していくのがスタートアップです。
世にサービスをローンチしたら、他の追従を許さないように、圧倒的なスピードでシェアを拡大していきます。それにより圧倒的な成長を遂げることが可能となります。
例えば、アメリカ発のライドシェアサービス「Uber」や宿泊施設プラットフォーム「Airbnb」、そして海外送金サービス「Transwerwise(WISE))は、代表的なスタートアップの成功例です。
ハイリスクながらも短期間で莫大な利益をあげ、成長スピードも早い特徴があります。スタートアップには技術系のビジネスが多く存在しているのです。
これについては、デジタル技術分野のスタートアップ拠点として注目されるシンガポールの例を挙げます。
同国では、2004年以降、シンガポール政府が投資、インセンティブスキームをローンチしてベンチャー育成強化をし始めました。
それにより、国外からの起業家、投資家がシンガポールに集積。特にテクノロジースタートアップを優遇し、フィンテックの分野では“Sandbox”を適用した世界で2番目の国です。
Sandboxの意味は、革新的な新事業の創出を目的として、事業の実証実験に対する現行法の規制適用を一時的に停止する規制緩和策です。ビジネスアイデアが成功すれば、それに合わせて法規制を変更するということなのです。
会社の成長スピードの変化が早い、そして、この急激な変化の背景としては「技術の変化」が関係しているのです。
- 既存のビジネスモデルを元に変化を加え、小規模でフットワークの軽い経営を行う。
ベンチャーのビジネスモデル
一方で、ベンチャー。新しい商品、サービス、事業展開しつつ、小規模なフットワークが軽い経営を行う企業のことです。
既存のビジネスモデルを元に変化を加えることはあっても、イノベーションを核に置いた事業ではありません。
成長スピードはスタートアップより緩く、ゆっくりでも着実な成長を目指す展開の仕方。街のヘアサロンやダンススタジオも、ベンチャーと言えるでしょう。
そしてベンチャーの成功例としては、「Netflix」ではないでしょうか。元々は、1997年にカリフォルニア州で小さな会社として創設。
当時はオンラインのDVDレンタルサービスを提供する会社として国内で発展、その後2007年頃から現在の動画配信を行う会社として発展し、今に至ります。
元々はDVDレンタルという革新的な事業ではなかったものの、苦境を乗り越え、その時代に構築した顧客ネットワークやノウハウをベースに、DVDレンタルからストリーミングサービスへとビジネストランスフォーメーションを加えて、事業拡大しました。
2.収益性
スタートアップの収益性の特徴
事業開始からしばらくは赤字。将来急激な成長カーブを描く。
スタートアップは将来的に大きな収益をもたらすビジネスモデルのため、サービス開始からしばらくは大幅な赤字になります。
目先の利益よりも顧客の獲得や認知度アップにとにかく投資を行い、将来的な収益を上げるための土台を整えます。
アイデア勝負、先行者利益を確保するため、スピードが大事なスタートアップ。とにかくまずはシェアの獲得を狙います。
スタートアップの事業形態でSaaS型のビジネスモデルを採用する企業が多いのも将来的に利益を確保するというスタートアップに適しているからと言えます。
ベンチャーの収益性の特徴
短期的な視点で黒字化を狙い、安定した成長を続ける。
一方でベンチャー企業は先述の通り、着実な成長を目指すビジネスモデルとしています。よって短期的に収益の黒字化を目指した経営を行います。そのため、長期的に少しずつ、右肩上がりの成長となります。
スタートアップと比べ、すでにある既存のサービスに変化を加えるビジネスモデルのため、スピード感はスタートアップよりも遅くなります。
そのため、レッドオーシャンに巻き込まれやすいが、経営的なスリム化を図ることで、他社とは違ったスピードで経営を進めます。
3.資金調達方法
スタートアップの資金調達方法
基本的には投資家(VC)などからの投資資金で事業を展開していくのが特徴。
スタートアップはビジネスモデルが確立するまでは、赤字で収益が見込めないことがほとんど。初期段階では失敗するリスクが高く、銀行などからの融資が難しいものの、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの資金調達が見込めます。
この資金調達は2度、3度と実施して、企業価値を高めていき、最終的にExitに持って行きます。
返済義務のない資金のため、思い切った戦略が取りやすいのがメリット。
しかし、投資元の方針によって、経営が左右される可能性がある点はデメリットと言えるでしょう。
ベンチャーの資金調達方法
基本的には銀行などからの融資が中心。
先に挙げた通り、ベンチャーは着実な成長をビジネスモデルとしています。早い段階での黒字化を目指した経営を行うため、長期的に少しずつ、右肩上がりの成長となります。
よって、短期的にExitさせて、莫大な利益を得ることを目的とした、投資家などからの投資には不向きで、主に銀行からの融資、助成金が資金調達の主な方法となります。
返済義務があるため、経営者にかかる精神的プレッシャーは大きく、そのため、堅実な選択をしてしまう可能性がある点がデメリットとなります。
スタートアップ/ベンチャー企業と中小企業との違い
スタートアップと中小企業との最も大きな違いは、事業形態、経営方針の違いです。
中小企業の場合は、サービス自体が労働集約型であることが多く、拡張性が低い反面、安定的な経営状態になりやすいです。
それに対して、スタートアップは急成長を目指し、スケール重視のサービスや経営方式であることが多いです。
そのため、中小企業に比べて、倒産などのリスクが大きい傾向にありますが、将来の収益最大化を目指し、投資を続けることが特徴です。
多少の赤字を計上してでも、将来性の高い事業に投資し、短期間での市場シェアの獲得を目指します。
スタートアップ・ベンチャー企業で働くメリット・デメリット
ここまで違いについて解説してきましたが、ベンチャーやスタートアップで働く時のメリットとデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
ここではメリットデメリットをご紹介します。
【スタートアップで働くメリット】
- ・若いうちから裁量権を持って働きやすいので、成長しやすい。
- ・起業家精神にあふれる社員が多く、企業に情熱を持って働いている人が多いため、やりがいを感じやすい。
- ・スタートアップ企業は、技術をベースにした製品やサービスを提供することが多く、技術的なイノベーションを期待できる。
- ・急成長を目指すため、スピード感を持って仕事をすることができる。
- ・成長速度が非常に速いため、成功すればストックオプションなどで報酬を得ることができる。
このように、スタートアップで働くと、将来的に有効なスキルや報酬を得ることが可能です。
将来起業を考えている人や、転職に有効なスキルを習得することが魅力の一つです。
【スタートアップで働くデメリット】
- ・大手企業に比べて、倒産のリスクが大きいです。自分が入社した会社が倒産してしまうと、一時的には収入が減少してしまうリスクがある。
- ・資金調達がうまくいかないと、企業存続の危機に陥ることがある。
- ・ベンチャー企業は、設立して間もないため、組織が未熟な場合が多く、教育制度や福利厚生が整っていないことが多い。
- ・全体的なリソース不足により、ハードワークが必要となる場合がある
一方デメリットとしては、まだまだ資金的にも人材的にも余裕があるわけではないので、ハードワークや金銭面での不自由が出る場合があります。
メリットと比較し、自分自身がどのような働き方をしたいか、将来どうなりたいかを考えて決める必要があります。
スタートアップ・ベンチャー企業に向いている人
ここでは、スタートアップ・ベンチャー企業に合う人の特徴を解説します。
ミスマッチを防ぐためにも企業を決める前に、予めどんな人が合うのかを確認しておきましょう。
もちろんこの限りではありませんので、ここに挙げた例に合わないからといって必ずしもミスマッチになるとは限りませんが、一つの判断材料として参考にしてください。
スタートアップに向いている人は、以下の特徴が挙げられます。
- 1.変化を好み、既存の枠に捉われない人
- 2.逆境に立ち向かっていける行動力/精神力を持っている人
- 3.権限を持って素早く動きたい人
- 4.主体性と自己推進性がある人
- 5.将来自分も起業したい人
では、それぞれについて解説していきます。
1.変化を好み、既存の枠に捉われない人
スタートアップ・ベンチャー企業は前述の通り、今までにない革新的なアイデアで全く新しいビジネスを創出することが特徴です。そのため、既存のルールや枠の中では革新的なアイデアは出てきません。
よって、前例がないと動けない人やルールを守ることが大切だと考えている人にはスタートアップ・ベンチャー企業は合わないでしょう。
2.逆境に立ち向かっていける行動力と精神力/情熱を持っている人
スタートアップ・ベンチャー企業は今までにない新しい事業を始めることがほとんどです。新しいことを始めると様々な逆風があります。古い商慣習や業界団体からの圧力、政治的ルールなど、逆風が強い可能性があります。
そこに立ち向かい、突き破っていけるほどの胆力と情熱が必要です。
スタートアップへの入社は確かにリスクはあります。しかし、そのリスクを超えるだけの、「やりがい」や「成功した時のリターン」は大きいです。
3.権限を持って素早く動きたい人
スタートアップ・ベンチャー企業は、スモールビジネスで素早く動けることが特徴です。 そのため、余計な稟議や会議を必要とせず、素早く行動していくことが求められます。
既存サービスを少し違った視点で考え、スピード勝負でPDCAを回し、ダメなら次へと、次々にサービスや施策を出していくという特徴に適性がある人におすすめです。
じっくりと一つのことに向き合っていきたい人には合わない可能性があります。
4.主体性と自己推進性がある人
スタートアップ・ベンチャー企業では指示待ちではなく、自発的に行動し、新しい課題に取り組むことが求められます。これは、自分で問題を特定し、解決策を見つける能力を含みます。
スタートアップはリソース不足であることが多く、一つ一つ丁寧にフォローできるような体制にありません。また、業務も1人で何タスクもこなしているため、細やかな指示が出せない状態であることが多いです。
そのため、自発的に行動し、自分で考えてさまざまな業務を行っていける人には合うでしょう。
5.将来自分も起業したい人
スタートアップ・ベンチャー企業のように、小さい企業であればそれほど社長の近くで仕事ができるため、視座の高い仕事ができます。
また、創業フェーズの企業だった場合、さまざまな失敗・成功体験をすることができます。これは将来自分が起業をした際に非常に役立ちます。
このようにスタートアップベンチャーでの経験は参考になる部分は多く、将来自分でも起業したいと考えている人はとても貴重な経験ができます。
ベンチャー企業の向き不向きについては、以下の記事で詳しく解説しています。ベンチャー企業に興味がある方は、ぜひご覧ください。
合わせて読みたい:【多くの人が勘違い】大手企業とベンチャー企業の向き不向きを転職のプロが解説
スタートアップ・ベンチャー企業を探すなら「採用動画」を確認しよう
さて、いざスタートアップやベンチャーに転職をすると決めたら、どのような会社があるか早速リサーチ!そのために、採用動画を活用することをお勧めします。
採用動画は、近年多くの企業が導入している採用広報の手法で、ありのままの企業の姿が見えやすい特徴があります。
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- 今林 智宏
- 国立大学を卒業後、大手サービス企業に入社し、店長を歴任。チームマネジメントやマーケティング業務を経験。在籍中は、現場社員として数多くの学生・転職者の面接官も行う。退職後、スタートアップ企業にて、フロントエンドのシステム開発に加え、カスタマーサクセスやマーケティングを担当し、企業の採用や広告支援に関わる。
この記事を書いた人
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会社名 | 株式会社moovy |
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代表 | 三嶋 弘哉 |
設立 | 2020年4月13日 |
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