第二新卒で転職はやめとけ…それってホント?元人事が真相を徹底解説

# 転職で失敗しないために

  • 第二新卒での転職はやめとけ
  • そんな言葉を受けて疑問に感じたり、不安になった方もいるのではないでしょうか。

    たしかに社会人経験が少ない状態での転職はリスクもあります。

    しかし、きちんと第二新卒転職を理解し、自分なりに意義付けができれば、新たな可能性を獲得できるチャンスです。

    当記事では、第二新卒での転職に迷っている方の一助となれるよう、「第二新卒で転職はやめとけ」の真相や転職を検討するにあたってのポイント等を解説しています。

    ぜひ最後までご覧ください!

      この記事を読んでわかること

    • 「第二新卒での転職はやめとけ」という意見の意図や背景がわかる
    • 第二新卒人材の採用ニーズの有無がわかる
    • 第二新卒の転職における注意点や転職を検討したほうがよい状況がわかる

    企業タイプ診断

    第二新卒の転職は「やめとけ」と言われる意図と理由

    なぜ「第二新卒の転職はやめとけ」という意見を耳にするのでしょうか。

    それは立場によって、第二新卒の転職に対してそれぞれの事情で様々な受け止め方があるからです。

    以下のように整理するとわかりやすく、腑に落ちる部分もあるはずです。

    採用企業の視点

    採用企業が直接、「第二新卒の転職はやめとけ」ということを公に発することはほとんどないため、ここでは第二新卒での転職希望者をあまりポジティブに思っていない企業もいると捉えてください。

    第二新卒というと聞こえは良いですが、新卒入社した会社で続かなかった人…という見方もあります。

    終身雇用の時代は終わりつつあるとはいえ、採用企業は採否判断において「会社・組織への定着性」を重視します。

    また第二新卒とはいえ、社会人としての基本的なビジネスマナーやビジネススキルの習熟度は個人差がそれなりにあり、面接という限られた時間では正直見極めが難しいのでどうしても人柄の良さに依存した採用となってしまいます。

    そもそも即戦力性を重視しており、第二新卒層はターゲット外とする企業もあります。

    しかし第二新卒採用を進める企業においても、実際に採用してから能力不足やミスマッチに気づくこともあるため、そういった経験をした企業の中には第二新卒採用に消極的になるところもあります。

    ただし、これらはあくまで各社の事情によるところであり、第二新卒としての転職をやめたほうがよいかどうかには直結しません。

    企業側が第二新卒に対して求めることを以下の記事でまとめていますので、合わせてご確認ください。

    合わせて読みたい:企業が第二新卒に求めるスキルとは?│転職に成功するコツを伝授

    転職希望者・転職経験者の視点

    これまでに第二新卒としての転職活動で苦労した人、転職してから失敗したと感じた人も実体験をベースにあなたに「第二新卒の転職はやめとけ」と言うかもしれません。

    一定以上の経験年数とそこに裏打ちされたスキル・知識を得た、いわゆるキャリア人材としての転職活動と違い、第二新卒としての転職活動は特有の難しさがあります。

    「若さ」というポテンシャルで挑むため、特に書類選考や1次面接などの初期選考ステップの通過率は低迷しやすく、自身の手ごたえと合否がリンクしにくいものです。

    採用企業や転職エージェントからのフィードバックもどこか抽象的にならざるを得ません。

    また、無事に転職を実現しても新しい環境・カルチャー・仕事のスピーディなキャッチアップなど、つまずきやすいポイントも続きます。

    このような第二新卒転職の特色から、苦労する人や失敗したと感じてしまう人が出てくるわけです。

    ただし、同じ第二新卒での転職であっても、個人の価値観や経験・知識・スキル、目指している方向性、転職活動への熱量や準備は異なるため、過度に気にするのではなく、あくまで先人の参考事例として受け止める程度よいのではないでしょうか。

    自身の身近な人たちの視点

    自身の親や親族、懇意にしている先輩や同僚などから「第二新卒の転職はやめとけ」と言われることも多いでしょう。

    転職が珍しいことではなくなりつつあるものの、やはり親世代ではネガティブな印象を持ちやすいものです。

    特に貴方が比較的規模感のある企業やそれなりの知名度のある企業に新卒入社した場合、「やめとけ」には「もう少し続けてみては?」という意味が込められていることが多くあります。

    また、環境的に働きやすく、処遇条件も高水準の大手企業や有名企業では、離職率が低く人材の流動性や多様性が低いので、周囲から「もったいないよ」という意味が込められた「やめとけ」を言われることもあります。

    これらはネガティブな意見というよりは、あなたに対する心配や未知のものに対する不透明さを危惧して言ってくれている場合もあります。

    身近な人にも説明できないことを、転職活動で初見の面接官に伝えることは難しいため、これらを無下に聞き流すのではなく、きちんと自身の想いや考えを伝えることも大事です。

    【結論】第二新卒での転職は十分成功できる

    ここまでの内容でも、「第二新卒の転職はやめとけ」という意見が「転職できない」、「うまくいかない」には直結しない、ということがわかったのではないでしょうか。

    むしろ第二新卒層への採用ニーズは現状は高く、十分転職を成功させることができる環境があることを本項目ではお伝えします。

    そもそも第二新卒とは?

    第二新卒とは一般的には、最終学歴卒業後に就職経験があり勤続年数が3年未満の求職者のことを指します。

    類似する言葉として「既卒」がありますが、こちらは就職経験(職歴)がありません。

    第二新卒は、新卒や既卒とは異なり、民間企業の採用活動において中途採用の枠組みの中で扱われることが一般的です。

    但し、求人募集時の応募要件や求めるスキル等は、実務経験豊富で戦力性の高いキャリア人材とは異なるものが設定されているケースがほとんどです。

    第二新卒の採用ニーズは高い

    株式会社マイナビのリリースしている中途採用状況調査2023年度版では、各世代毎の採用見通しがまとめられています。

    前述した第二新卒層が該当する20歳~25歳については、以下のグラフのとおり経験者・未経験者での差はあれど概ね8割程度の企業が採用に積極的であることがわかります。

    今後の中途採用の見通し 出典:マイナビ 中途採用状況調査2023年版(2022年実績)|株式会社マイナビ

    筆者としては、この傾向は今後も続く可能性が高いと考えます。

    新卒採用市場における人材獲得競争が年々苛烈を極める中で当初の採用目標を達成できる企業は多くないため、そのリカバリーに第二新卒層での人員充足は企業にとって重要な手段となるためです。

    moovyでもベンチャー・スタートアップ企業の第二新卒の求人を掲載しています。気になる求人がないかぜひチェックしてみてください。

    なぜニーズは高いのに「やめとけ」なのか

    第二新卒としての採用ニーズや転職事例が増加する一方で、転職活動中あるいは転職した人たちにおいて「失敗した」と捉えている人も増えているからだと推測します。

    即戦力レベルのキャリア人材としての転職であれば、企業からの要求レベルは高いものの、すでにビジネス環境を生き抜く武器を自分の中に持っている状態であり、新しい環境へ適応することに集中できます。

    しかし、第二新卒の場合、基本的なビジネスマナーやコミュニケーション力は有しているものの、業界・企業・所属部署・仕事・人間関係を改めて学んだり、一から積みなおしていく必要があり、適応しなければならないこと、学ばなければならないことが多くあります。

    このような状況の中での苦労や失敗を乗り越えていかなければならないため、「やめとけ」という表現が広まったのかもしれません。

    第二新卒での転職における注意点

    新卒入社した1社目がどのような企業・環境なのかによって、第二新卒での転職において注意してほしいポイントがそれぞれあります。

    以下に挙げるポイントは転職軸や希望条件として良く挙げられますが、身を置いている環境によっては転職後のミスマッチに繋がってしまいやすいものです。

    • 1. 企業規模や知名度
    • 2. 教育・研修体制
    • 3. 福利厚生

    それぞれどのようなことに注意すべきなのか、詳しく解説していきます。

    企業規模や知名度

    大きな企業規模や知名度の高さは、営業活動や取引のしやすさ、ヒト・モノ・カネ・情報などリソースの潤沢さに繋がっています。

    もし1社目にこのような会社に身を置いていた場合に中堅・中小企業やベンチャーへ転職すると、この恩恵が無くなるため、人によっては思っていたようなパフォーマンス発揮や仕事の進め方が取れないケースがあります。

    一方で、中堅・中小企業やベンチャーでは、一人当たりの業務範囲が広く、自由度や裁量が高い会社や職場が多くあります。

    そのような会社で経験を積んでこられた方で、企業規模の大きな会社へ転職を目指す場合も注意が必要です。

    仕事が分業化されており、重厚な組織で決裁スピードが遅いケースもあり、やりがいや仕事のしやすさが変わってしまうことがあるためです。

    大手企業とベンチャー企業の違いや向き不向きを解説した記事がございますので、気になる方はご覧ください。

    合わせて読みたい:【多くの人が勘違い】大手企業とベンチャー企業の向き不向きを転職のプロが解説

    2.教育・研修体制

    教育・研修体制が整っている会社では、基本的な階層別研修だけでなく、様々な実施形式やトレンドを踏まえた内容の研修プログラムや若手へのフォロー体制が充実しています。

    このような会社に身を置いていた場合に中堅・中小企業やベンチャーへ転職すると、その落差を感じ戸惑うことが多いかもしれません。

    体系的な研修プログラムを組んでいる会社は少なく、仕事をしながら必要なことを覚える(OJT)スタイル、自己研鑽は個人に任せることがほとんどなので、自由度が高い一方でしっかり会社からバックアップされているなという安心感を感じることは少ないでしょう。

    逆にこれらが整っていない会社にいた方も注意が必要です。

    教育体制が充実した会社に行きたい場合でも、会社によっては研修が多く多忙な業務時間を圧迫されたり、興味のないものもタスクのように受けなければならないことが多々あるためです。

    3.福利厚生

    福利厚生が充実している会社は、福利厚生費を潤沢に確保できる中堅~大企業が中心です。

    住宅・医療・家族関連などの法定外福利が充実しており、家族が増えることや住宅購入すること等のライフイベントを安心して迎えることができます。

    福利厚生が充実した会社から中小企業やベンチャーへ転職した場合、仮に年収ベースで同額のオファーでも実際には福利厚生がない分、処遇ダウンが起きがちです。

    借り上げ社宅等の享受益の大きな福利厚生を利用している場合は、特に注意が必要です。

    逆に福利厚生がいまひとつの会社から福利厚生が充実した環境へ転職する場合も考慮しておいたほうが良いことがあります。

    それは、良くも悪くも周囲と処遇の差がつきにくい可能性があるということです。

    福利厚生を充実させる企業は、従業員間の処遇格差も少なくしたい意向を持つ会社が多く、人事考課で多少の金額差はつけるものの誰かが飛びぬけて高い給与をもらえるという制度設計にはなっていません。

    中小企業やベンチャーの中には、福利厚生がほとんどなかったり、ベース給与は高くはないものの、実力や実績に応じた賞与やインセンティブ比率の高い会社もあります。

    キャッシュを重視したり、実力主義の報酬にやりがいを感じていた方は、周りと差をつけれないことがフラストレーションにつながることがあるかもしれません。

    ベンチャー企業の福利厚生や働きかたについて詳しく知りたい方は、以下のインタビュー動画をご覧ください。

    第二新卒での転職を検討したほうがよい状況

    第二新卒での転職は、

    「実はより良い処遇や待遇条件を求めるには適していません。」

    これらを求めるなら少なくとも3年、できれば5年は経験を積んでから転職するほうが選択肢も多く、良い結果を得られる可能性も高まります。

    では、どのような状況であれば第二新卒での転職が効果的なのでしょうか。

    それは、「社会人スタートの仕切り直し」をしたいときです。

    具体的には以下のようなケースであれば、第二新卒として転職する意義も見出しやすく、目的も叶えやすいでしょう。

    • 1. 新卒就活で目指していた業界や仕事への再チャレンジ
    • 2. 他業界や他職種へのキャリアチェンジ
    • 3. やむを得ない事情での環境改善

    また、第二新卒は第二新卒でも、適切な転職時期を知りたいという方は、以下の記事をご確認ください。

    合わせて読みたい:第二新卒のベストな転職時期はいつ?年収アップのコツとポイントも解説!



    それぞれのケースを詳しく説明していきます。

    1.新卒就活で目指していた業界や仕事への再チャレンジ

    新卒就活時に希望の業界や職種に就けなかった方であれば、リトライする機会になります。

    いまやどこの業界も人材不足、特に新卒は顕著に奪い合いの状況であり、自身が希望していた業界や職種が第二新卒を対象にリカバリー的な中途採用を行う可能性もあります。

    未経験の分野へ転職する場合でも、基本的な社会人としてのスキルがあれば、ポテンシャルで採用してもらえる可能性が高いです。

    以下の記事で、第二新卒がアピールすべきポイントや自己PRの例文を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

    合わせて読みたい:【第二新卒向け】自己PRの作り方|企業に好印象を与えるポイント

    2.他業界や他職種へのキャリアチェンジ

    就職して実際に働いてみて、就活時には気付けなかった自分の向き不向きがわかった、本当にチャレンジしたいことが見つかったという方もいると思います。

    20代のうちであれば他業界や他職種へのキャリアチェンジはしやすいですが、第二新卒であれば、よりいっそう意欲やポテンシャルでチャレンジできる幅は広がる可能性があります。

    また、書類や面接でキャリアチェンジをしたい理由を明確に、そしてポジティブに伝えるようにしましょう。

    以下の記事でキャリアチェンジをする場合の転職理由の伝え方や、コピペ可能な例文を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

    合わせて読みたい:【例文あり】キャリアチェンジの場合の転職理由!伝え方とポイント

    3.やむを得ない事情での環境改善

    心身が疲弊するほど長時間労働やハラスメントが横行する会社に入社してしまった方、家族・家庭事情で今の会社・仕事を続けることが難しくなってしまった方等もいると思います。

    このようなやむを得ない事情によって、労働環境を改善したり、自身の状況に適した環境を選びなおすことも第二新卒であれば事情を理解してくれる会社もあるはずです。

    とくに転職したい業界・職種がないという方は、以下の記事で第二新卒の転職先の探し方を紹介していますので、参考にして探してみてください。

    合わせて読みたい:【2023年版】第二新卒の転職先の探し方と転職を成功させるコツ

    第二新卒としての転職を検討されている方へ

    ここまでの内容を踏まえて、以下のことに考えを巡らせてみましょう。

    • ・転職によって変えたいことがあるか(現状からの逃げではない)
    • ・今の会社、職場、仕事では解決できないことか(現職でできることはやりつくしたか)
    • ・今の会社だからこそ享受できているものを捨てる覚悟はあるか

    もしこれらがYESなら、「第二新卒で転職はやめとけ」という意見に負けずに、自信をもって転職活動へ歩みを進めてみてはいかがでしょうか?

    ただ、自己分析を通じてキャリアビジョンやプランを検討し、応募書類や面接で伝わる形に言語化することは簡単ではありません。

    また、1社で短い期間しか働いたことがないが故に、自身が置かれている環境の良し悪しを客観的な視点で見ることは自分では難しいと思います。

    昨今はいろいろな転職支援サービスがありますが、私のお勧めは、優良ベンチャーを中心とした企業の採用動画と求人情報をセットで多数掲載している採用動画プラットフォームmoovyの活用です。

    未経験可や第二新卒向けの求人募集も多く掲載されており、それらの企業に転職した人たちの動画や企業カルチャーの伝わる動画も多数公開されています。

    また、プロの転職アドバイザーによるキャリア相談・応募書類添削・面接対策といった支援も希望すれば無料で受けることができます。

    第二新卒での転職を検討されている方にぴったりです。

    ぜひmoovyを試してみてください。

    船﨑 亮

    この記事を書いた人

    船﨑 亮
    大学卒業後、医薬品業界にて専門職に従事したのちHR領域へ転身。大手人材会社の人材紹介部門にて、法人の中途採用支援と求職者の転職支援に両面コンサルタントとして従事、組織マネジメントも担う。その後、プライム上場製薬企業に採用人事として参画、新卒・中途・オンボーディングなど採用業務全般を担う。2024年、人事・採用支援のPG-Dept.を開業し独立。

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    会社名 株式会社moovy
    代表 三嶋 弘哉
    設立 2020年4月13日
    住所 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目18−3 プレミア道玄坂ビル8階
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