【例文あり】キャリアチェンジの場合の転職理由!伝え方とポイント
# 転職で失敗しないために
経験の延長線上にあるキャリアではないからこそ、キャリアチェンジに対する自身の想いを転職理由として適切に言語化して面接官に納得してもらうことが転職成功の鍵となります。
当記事では、転職理由の伝え方や例文などテクニカルなヒントはもちろん、キャリアの考え方についても解説します。
ぜひ最後までご覧ください!
- キャリアチェンジを目的とした転職活動に挑む上で念頭に置いておきたいことがわかる
- 転職理由の伝え方のポイントと例文をキャリアチェンジのパターン別に理解できる
この記事を読んでわかること
キャリアチェンジを目的とした転職理由を考えるときに知っておきたいこと
転職理由の例文や伝え方を解説する前に、キャリアチェンジを目的とした転職活動に挑む上で把握しておいていただきたいこととして、以下の2点を紹介します。
1.キャリアアップとキャリアチェンジの違い
転職の目的は人によって様々ですが、キャリアや仕事の内容に軸足を置いた目的の場合、次のように分けられます。
キャリアアップ
その職種や分野において専門的な知識を深め、高いスキル・能力を身に着けることを通じて労働市場での価値を高めることです。何をもってキャリアアップとするかは人それぞれです。
- 例)
- ・同一職種で年収アップ:ITエンジニア(年収450万円) → ITエンジニア(年収600万円)
- ・より上流の仕事内容へ:ITエンジニア → ITストラテジスト
- ・昇進・昇格で上位の役職へ:営業担当者 → 営業組織の管理監督者
- ・規模の大きな大手企業へ:中小企業の採用担当者 → 同業他社大手の採用担当者
- ・雇用形態の変更:契約社員等の非正規雇用 → 正社員
キャリアアップも考えているという方は、以下の記事でキャリアアップ転職の業界の選び方を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
合わせて読みたい:キャリアアップ転職は業界選びが重要!選び方のコツを徹底解説
キャリアチェンジ
未経験の業界(あるいは業種)や職種に転向し、新たなキャリア形成を図ることです。
まったくの未経験チャレンジというケースもあれば、多少なりともこれまでのキャリアと類似性・親和性があるケースもあります。後者はキャリアシフトとも呼ばれます。
- 例)
- 営業職 → 採用担当者
- ※そのほか具体例については、ポイントと例文の解説にて後述します。
キャリアアップとキャリアチェンジで異なるポイントは、「その分野(業界・業種・職種)において、一般的にこれまでの経験の延長線上で考えられるキャリアといえるかどうか」です。
キャリアチェンジをしてベンチャー・スタートアップ企業へ転職したという方は、実際たくさんいらっしゃいます。以下の転職理由などをぜひ参考にしてみてください。
2.面接官が気にしていること
キャリアチェンジを目的とした転職の場合、面接官、特に人事採用担当者は以下の3点を気にするケースが多く見受けられます。
転職理由を考える際には、通常の面接質問に加えてこれらの問いに対しても、あらかじめ考えを巡らせておくとよいでしょう。
- ① 現職で叶う可能性はないのか?
- ② 将来的な異動打診には対応できるのか?
- ➂ なぜこのタイミングなのか?
以上の3つについて、面接官が疑問が気にする理由や答え方のポイントを説明していきます。
① 現職で叶う可能性はないのか?
端的にいえば、社内異動を試みないのか、ということです。
現職内にも同様の職種やポジションがある場合、現職で出来うるアクションを起こさずに、いきなり転職活動に踏み切ったという印象はあまりポジティブではありません。
現職では叶わない、あるいは現職でできることはやりきったことを説明しましょう。
② 将来的な異動打診には対応できるのか?
キャリアチェンジの場合、候補者は強い意志やこだわりをもって転職を実現します。
一方で、採用企業としては、もし将来的に本人の意思とは異なる部署・職種へ異動となった場合にまた転職してしまうのではないかと定着性という観点から懸念を持ちます。
会社である以上、想定外の辞令もあり得るため、採用面接というシーンにおいてはあくまで柔軟に対応できるという印象を与えましょう。
➂ なぜこのタイミングなのか?
これはタイミングや時期が面接官に疑問視されているわけではありません。
候補者が何をトリガーに転職活動に踏み切ったのか、計画性や目的意識がある決断なのかという点を確認されていると思ってください。
転職するタイミングを悩んでいるという方は、以下の記事で「何年目に転職する人が多いのか」を確認してみてください。3年目・5年目・7年目・10年目に転職する場合のそれぞれのアピールすべき点を解説しています。
合わせて読みたい:転職は何年目が多い?転職する時期を判断するポイント!
【キャリアチェンジのパターン別】転職理由の伝え方のポイントと例文
それでは、キャリアチェンジを3つのパターンに分けて、転職理由の伝え方について例文を用いて解説します。
- パターン① 異業界(業種)・同職種
- パターン② 同業界(業種)・異職種
- パターン③ 異業界(業種)・異職種職種
パターン①異業界(業種)・同職種
年齢にもよりますが、ベースの職務スキルを有しているため、あまりにも異なる異業界でなければ、十分転職可能性はあります。
フォーカスすべき点は業界(業種)です。
希望する業界と現在いる業界がそれぞれ製品やサービスを通じてクライアントや社会に与えているバリューは何なのかに着目すると訴求点を見つけやすくなります。
そのうえで、なぜその世界に行きたいのか、現職ではダメなのかを述べましょう。
例文:人材業界 求人媒体の提案営業 ⇒ HRTech業界の提案営業
私はこれまで以上に人事部門というクライアントに貢献したく、HRTech業界を目指して転職活動をしています。
現職の求人広告営業は確かに採用業務の母集団形成という形で貢献できます。
しかし、あくまで人事の担う業務の中の採用業務の一部分であり、貢献範囲の広いサービスを扱いたいという気持ちが強くなったためです。
これまでの営業活動の中で、人事部門がいかに多忙な部署であるかを知り、生産性の改善が喫緊の課題となっているという声を多くのクライアントから耳にしていたことがきっかけです。
私のキャリアビジョンは、日本の人事部を元気にすることであり、何かアプローチ方法はないか自身で考えた結果、それは人事部門の生産性の改善を通じてコア業務に集中できる環境を創出することだと考えました。
HRTech業界の営業職であれば、画期的なSaaS製品の提案はもちろん、導入時の業務プロセスの設計、カスタマーサクセスと連携したアフターフォロー等を通じて今まで以上に広く深く人事部門に貢献できると考えています。
こちらの方の場合、営業職としての顧客は人事部門であるため変わらないものの、求人広告とHRTechというサービスによる価値提供やその範囲の違いを訴求点としています。
加えて、自身のキャリアビジョンと繋げている点はポイントです。
パターン②同業界(業種)・異職種
候補者の能力・スキルが直結している職種を変えることになるので、難易度は①よりもやや高くなります。
転職理由のフォーカスすべき点は職種です。
チャレンジしたい仕事と今の仕事の違い(ミッション、顧客やカウンターパート、仕事の進め方など)を考慮したうえで、自分のキャリアビジョンと照らし合わせるとよいでしょう。
このパターンは、現職での実現可能性、転職後の将来的な異動打診への対応可否について、面接官から深掘りを受けやすい点は考慮しておきましょう。
例文:デジタルマーケティング業界のカスタマーサクセス ⇒ マーケティング
私は、カスタマーサクセスの経験を活かして、川上に位置するマーケティングにチャレンジするために転職活動をしています。
4年間、カスタマーサクセスとして担当顧客の目標達成に寄与してきました。
その期間中は多くのポジティブなフィードバックもいただき、充実した日々を送っていました。
しかし、担当顧客だけでなく、ターゲットや顧客に対する全社としてのカスタマーエクスペリエンス(CX)の最大化に携わりたいという気持ちが湧いてきました。
カスタマーサクセスを経験したからこそ、顧客の目標達成とアップセル&クロスセルを両立できる仕組みづくりにも寄与できると考えています。
当初、社内での可能性を検討し、昨年から異動希望を出していたものの、現部署も慢性的な人材不足であり他部署への異動は当面難しいとのことで、転職活動でマーケティングへのキャリアチェンジを実現したいと考えています。
こちらの方の場合、カスタマーサクセスを経験したことで、CXに対する視座が上がり、全社でのCX最大化を当面のキャリアビジョンとしたいという意向が伝わる内容です。
この転職理由の場合、面接官は話を聞きながら「現職では異動できないのだろうか…」と感じやすいため、現職での異動希望はすでにトライしたと触れているのもポイントです。
パターン③異業界(業種)・異職種職種
採用企業からすればその候補者が活躍するか否かについてポテンシャルに依存する度合いが強くなるため、選考における採用企業の目線はやや厳しくなります。
活かせる経験・知識・スキルなど新たな業界慣習や業務内容をキャッチアップするためのベースは身に着けてきたという点を伝えることで、早期に活躍しているイメージを面接官にもってもらう工夫が必要です。
例文:製造業界の社内SE ⇒ コンサルティングファームのITコンサルタント
私は、これまでの社内SE経験を活かし、コンサルティング業界を目指して転職活動をしています。
社内SEとして直近まで各ユーザー部門のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していました。
しかし、現在はそのプロジェクトがひと段落し、従来の既存システムの運用保守やエンハンスドが主体の業務内容です。
私はDX推進の経験から、IT/デジタルの力で各部門のビジネス課題を解決し、ビジネス価値を最大化できることを実感し、これを自身の仕事にしたいのだと気付きました。
社内SEでの転職の場合、課題解決型のプロジェクトが常にあるわけではなく、会社によっては定型業務中心というケースもありますが、コンサルティング会社であればクライアントの課題を解決することを日々の仕事にできます。
また、調べたところ業界・業種ごとにチームを編成しているケースも多くあります。
製造業はバリューチェーンが複雑であるため、DX推進に課題を感じる会社も多く、もし製造業関連の配属であれば、現職でのプロジェクト経験やいろいろな部門や立場の社内カウンターパートと折衝・交渉した経験をより活かせると考えます。
こちらの方の場合、現職や同職種での転職では実現が難しいと考えている点を言語化し、かつ、未経験職種であっても現職での業務経験が活かせることや現在の業界に在籍していたことがアドバンテージになるケースもあるという点まで触れています。
これらによって、早期に業務をキャッチアップできるのではないかと感じることができ、よく業界研究をしていることも伝わるので全体的に意欲的でポジティブな印象を与える内容です。
異業種への転職を成功させるポイントは、以下の記事でも書き説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
合わせて読みたい:異業種転職は難しい?成功させるポイントと注意点を解説
キャリアチェンジを成功させるためのポイント
ここまで説明したように転職理由を整えるテクニックはもちろん重要です。
しかし、キャリアチェンジを実現するには、決断力とキャリアビジョンの2つもその成否に大きな影響を与えるため、最後に少し解説します。
キャリアチェンジのタイミング
キャリアチェンジの場合、入社後に新たな知識・スキルや仕事の進め方をキャッチアップしなければなりません。
採用企業は、そのキャッチアップの早さや伸びしろを重要視しているため、求人票に明記していなくてもターゲットの社会人年数や年齢といったものを考慮しているケースがほとんどです。
一般的には30代以降(特に30代半ば以降)のキャリアは登る山を決める、すなわち専門領域を定めていくフェーズと言われています。
そのため、未経験可という求人はおおむね20代~30代前半を想定したものが中心となります。
人ぞれぞれではあるものの、20代で基本的なビジネススキルが身についたタイミングはキャリアチェンジに最適な時期といえます。
では、実際に20代のビジネスパーソンは自身のキャリアをどのように考えているのでしょうか?
株式会社学情が、20代のビジネスパーソンを対象に2022年6月に実施した以下の調査結果においては、20代はキャリアチェンジを希望する傾向にあることがわかっています。
キャリアチェンジをするかしないか迷っている方もいるかと思いますが、採用企業からみても同世代の傾向からみてもおかしなことではありません。
思い切ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
また、キャリアチェンジは何歳まで可能なのか知りたい方は、以下の記事をご覧ください。年代別にキャリアチェンジの可能性も解説しています。
合わせて読みたい:キャリアチェンジは何歳まで可能?年代別に徹底解説!
キャリアビジョンを考える
キャリアチェンジの場合、例文解説でも説明したとおり、転職理由の中に自分なりのキャリアビジョンを交えることで、経験の延長線上になかったこれまでの経験と新たにチャレンジしたい業界(業種)や職種を接続しやすくなります。
そのキャリアビジョンを考えるためのフレームワークとして以下の2つを紹介します。
- ・Will-Can-Must
- ・As is / To be
Will-Can-Must
Will(自分は何をやりたいのか?)・Can(自分には何ができるのか?)・Must(会社からの期待にどう応えるのか?)といった項目に、自身の経験や考えを落とし込むことで自己分析を円滑に進めることが可能です。
詳しいやり方は、以下の記事を参照ください。
合わせて読みたい:【図解】Will-Can-Mustとは?転職の自己分析にも使える!
As is / To be
本来はビジネスにおける問題解決のフレームワークとして使われるものですがキャリアを考える際にも活用できます。
まずTo Be(ありたい姿、将来像)を、次にそのTo beに対してAs is(現状)はどうなっているのかを書き出します。
そして、As isとTo beの間にあるギャップを考え、取るべきアクションやその優先度を考えます。
Will-Can-Mustで自己分析を行い、取り組むべき課題や具体的なアクションを明らかにするためにAs is / To beで構造化するという使い方がおすすめです。
キャリアチェンジをお考えの方へ
キャリアチェンジの転職を実現するためには、自身のキャリアビジョンを整理し、業界や職種の研究をしっかりと行ったうえで、過去・現在・将来を繋げるイメージで転職理由を言語化する必要があります。
しかし、日々の仕事で忙しい中でこれらのことをひとりで行うのは大変です。
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- 船﨑 亮
- 大学卒業後、医薬品業界にて専門職に従事したのちHR領域へ転身。大手人材会社の人材紹介部門にて、法人の中途採用支援と求職者の転職支援に両面コンサルタントとして従事、組織マネジメントも担う。その後、プライム上場製薬企業に採用人事として参画、新卒・中途・オンボーディングなど採用業務全般を担う。2024年、人事・採用支援のPG-Dept.を開業し独立。
この記事を書いた人
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会社名 | 株式会社moovy |
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代表 | 三嶋 弘哉 |
設立 | 2020年4月13日 |
住所 | 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目18−3 プレミア道玄坂ビル8階 |
メールアドレス | moovy_support@moovy.co.jp |
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