赤字のベンチャーに入社しても大丈夫?|入社是非の見極め方を解説
# 転職 # ベンチャー企業を知る
ベンチャー企業は「赤字経営」だというイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。実際にベンチャー企業への転職を叶えても赤字の企業だった場合、不安ですよね。
そこで当記事では、「赤字のベンチャー企業に対するの入社是非の見極め方」について解説します。
当記事を読むことで、「赤字のベンチャー企業への入社」に関する不安が少しでも解消されれば嬉しく思います。ぜひ最後までお読みください。
【結論】赤字のベンチャー企業に入社しても大丈夫
赤字のベンチャー企業に入社しても大丈夫なのか?という疑問を感じる方もいらっしゃると思います。
結論から言うと、赤字のベンチャー企業に入社しても大丈夫だと言えます。
理由は以下の通りです。
- 1.赤字=すぐに倒産ではない
- 2.その企業の将来性によっては、赤字でも問題ない
- 3.会社の経営状況にとらわれず、自分がなりたい姿を考えることが大切
また、赤字に関してだけではなく、労働環境や社風など、ベンチャー企業に対して様々な疑問を持っている方は多いでしょう。
ベンチャー企業へ転職する前に、それらの疑問や不安を解消したいですよね。
こちらの記事ではベンチャーに対して持ちがちな疑問や不安について、詳しく解説しています。
あわせて読みたい:【不安解消】ベンチャー転職希望者の9割が抱える不安|事例も解説
それでは、赤字のベンチャーでも大丈夫な3つの理由について、順を追って解説します。
1.赤字=すぐに倒産ではない
赤字という言葉を聞くと、会社の存続危機を思い浮かべるかもしれませんが、「赤字=すぐ倒産」とは限りません。
赤字でも流動資産が必要な資金を下回なければ、倒産という状態にはなりません。(一方で、黒字でも倒産する事もあります)
倒産とは、企業が債務を払えなくなった状態を指します。しかし手元に現金などを持たない場合には、倒産する可能性が高まりますが、外部からの投資や銀行からの融資があれば、潰れずに経営を続けることが可能です。
ベンチャー企業は一般企業と比べるとどうしても倒産リスクは高くはなりますが、ターニングポイントである「死の谷」を乗り越えた企業であれば、潰れる確率は低くなります。
ベンチャー企業の倒産リスクについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。倒産リスクの低いベンチャー企業を見極めるポイントも紹介しています。
あわせて読みたい:ベンチャー企業は潰れる確率が高い?転職を考えている人必見
2.ベンチャー企業の将来性によっては、赤字でも問題ない
ベンチャー企業は赤字かどうかよりも「事業内容」や「業界」を考えることが大切です。
なぜなら、事業内容や業界に将来性があれば、現時点での赤字は大きな問題ではないからです。
ベンチャー企業は伸びしろが大きいことから、急激に成長することがあります。
事実、2018年に市場の大きな期待を背負ってユニコーンとして上場した「メルカリ」は、その時点での最終利益は約42億円の赤字でした。
それでもその事業に大きな魅力があり、今後の将来性が評価され、市場に受け入れられました。
事業内容が明確で魅力があり、業界自体の未来も明るい場合には、企業や業界が成長することで、一気に黒字化することも可能です。
仮に、現時点で赤字のベンチャー企業でも、将来的に伸びる可能性が高い場合には、入社しても問題はないでしょう。
これから伸びる企業を見極めるには、「市場で勝てる事業を展開しているか」や「企業の市場規模はどうか」を確認しましょう。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
あわせて読みたい:これから伸びるベンチャー企業を見極める方法とおすすめ企業7選
3.会社の経営状況にとらわれず、自分がなりたい姿を考えることが大切
先述の通り、事業内容や業界自体に将来性があれば、赤字でも入社する価値のある企業が多く存在します。
こうした企業は現時点で赤字でも、将来的に大きく成長する可能性が大いにあると言えます。
つまり、自分がなりたい姿を考え、赤字・黒字にとらわれずに転職先を選ぶことが重要です。
その選び方については以下の記事が参考になると思います。
あわせて読みたい:優良ベンチャー企業の探し方9選|新卒と中途ならではの探し方も解説
ベンチャー企業が赤字になりやすい3つの理由
ベンチャー企業は、その特性から赤字になることがあり、成長をするために避けて通れないとも言えます。 ベンチャー企業が赤字になりやすい3つの理由を取り上げます。
- 1.目先の利益よりも成長が優先される
- 2.マーケットシェア拡大のために投資が必要
- 3.VCからの投資が主になるため、借入金返済のプレッシャーがない
1.目先の利益よりも成長が優先される
ベンチャー企業では、目先の利益よりも成長が優先されます。
なぜなら、ベンチャー企業という特性上、より早い成長スピードが求められるからです。
例えば、新しい市場で事業を行う際にはやるとなった時は、まずその市場の中で1番を取る必要があるでしょう。そのため、競合とのスピード勝負になります。
つまり目先の利益を埋めるよりも、未来を見据えた「成長」が優先されることから、赤字の時期が発生する傾向にあると言えます。
ここで気になるのが、事業の成長を優先するあまり、ベンチャー企業は給料が低いのではないかということです。
ベンチャー企業の給料は、企業の投資ステージに左右され、初期段階であるほど給料は安くなります。
しかし、企業が大きく成長すれば、大企業の管理職並みの年収を若くして得られるようになる可能性も高いため、将来的な面で考えると良いでしょう。
ベンチャー企業の給料事情を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
あわせて読みたい:「ベンチャー企業の給料は安い」のホントと嘘|億り人の可能性あり?
2.マーケットシェア拡大のために投資が必要
ベンチャー企業はマーケットシェア拡大のために短期間で多くの投資を行います。
これは先駆者利益を得るためです。
他社の参入によってシェアが小さくなればなるほど利益は小さくなります。そのために素早く、圧倒的にシェアを獲得するために投資が必要なため、赤字になります。
記憶に新しいのは2018年から始まった電子マネー市場のシェアの奪い合いではないでしょうか。
この年、一気に多くの企業が参入しました。
100億円あげちゃうキャンペーンで大々的にキャンペーンを行ったPayPay。楽天経済圏での囲い込みを図る楽天Pay。LINEの強みを前面に打ち出し、割り勘などの機能を充実させたLINE Pay。などなど
これらの企業の多くが数千億円単位で投資を行い、シェアを奪い合いました。
なぜこれだけ多額の投資を行いシェア獲得に動くのか。それはその後の利益が莫大だからです。
決済手数料3%で約3兆円にもなる大きな市場。さらにはユーザーがいつどんな商品をどこで買ったかのデータが手に入る。
このデータは非常に貴重で、莫大な価値をもたらします。
これらのメリットを各社は分かっていて、過激な競争になりました。
このようにシェアの拡大は将来的な利益の確保のため重要であるという事です。
ベンチャー企業はシェア争いに勝って急成長をするために、赤字であってもシェア拡大を優先します。
3.VCからの投資が主になるため、借入金返済のプレッシャーがない
ベンチャー企業は、借入金の返済について、プレッシャーがかからないケースも多く見受けられます。
借入金によって経営をしている場合、赤字が続くと、次の融資を受けられないなどの弊害が発生します。
その状態だと無理に黒字化するために、強引なスケジュールでの開発、無理な経費削減など、成長を阻害する事象が発生してしまう可能性があります。
しかしVCからの投資を受けている企業は、このようなプレッシャーはありません。
(※VC(ベンチャーキャピタル)とは、ベンチャー企業などの将来性が高い企業に、出資を行う組織。)
なぜならVCからの投資には、以下のような特徴があるからです。
- ・無担保である
- ・返済義務が発生しない
- ・明確に期限を決められているわけではない
VCは上記の対価として、当該企業の株式を取得します。
またベンチャー企業は、借入金が発生し赤字だとしても返済のプレッシャーがない(=返済しなくても良い)ことから、VCからの投資を積極的に受けています。
そのため、VCから投資を受けている時期は、赤字になりやすいと言えます。
※ただ、誤解しないで頂きたいのが、だからと言ってVCから何も言われないのかというと全くそんな事はありません。
定期的にミーティングを行い、KPIの設定や今後の事業ビジョンなどの壁打ちを何度も行ます。そこで進捗が悪かったり、将来性が見えない場合は投資を打ち切られ、資金を引き上げられる可能性があります。
健全なベンチャー企業の見極め方
では、健全なベンチャー企業の見極め方はどうすればいいのでしょうか。以下のようなポイントを抑えて見ていきます。
- 1.SaaSの40%ルールと照らし合わせる
- 2.経営者の資質と周囲にも優秀な人が揃っているか確認する
- 3.市場の成長性や事業内容・ビジョンを確認する
- 4.優良なVCから投資を受けているかを確認する
1.SaaSの40%ルールと照らし合わせる
1つ目はSaaSの40%ルールと照らし合わせることです。
SaaSの40%ルールは、SaaS企業の価値をはかる指標であり、以下の基準を上回れば健全な企業であると考えられています。
売上の前年同期成長比率+営業利益率 =40%以上
以下の例では、40%をこえることから、健全な企業だと言えます。
●売上の前年同期比率:+100%
●営業利益率:-60%
【例2】
●売上の前年同期比率:+40%
●営業利益率:±0
またSaaS企業の価値をはかる指標が、なぜ健全なベンチャー企業の見極めに活用できるかというと、SaaSビジネスも初期に赤字が先行する傾向にあるからです。
さらに長期にわたって売上を回収していく点も、ベンチャー企業と重なる部分が多いと言えます。
SaaSについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
あわせて読みたい:SaaS企業への転職で抑えるべきポイントとおすすめされている理由
2.経営者の資質と周囲にも優秀な人が揃っているか確認する
ベンチャー企業は良くも悪くも経営者の影響を強く受けます。
スピード感のある経営ができる一方で、その資質が低かった場合に、うまくいかない事が多いです。
健全なベンチャー企業の経営者は、以下のような素質を持つ傾向にあります。
- ・人を巻き込む力
- ・数値に強い
- ・採用に対する適切な考え方
健全なベンチャー企業を選びたい人は、経営者がこうした素質を持つことを、チェックすることが大切です。
そして、周囲にも優秀な人がいるかもチェックしましょう。
会社は1人では大きくできません。必ず周りの助けが必要です。
その周囲の人間も優秀であればあるほど、成功する確率は高まります。
人を巻き込む人は総じて、人を惹きつけます。その中から、優秀な人を見抜き会社に引き込む。
この能力がある経営者は成功する確率が高いと言えます。
また、経営者が顔出しをしている場合はある程度信頼ができるため、このような経営者のインタビューがあるかチェックすると良いでしょう。
経営者が考える企業理念や今後のビジョンに共感できるかも、重要な観点です。
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3.市場の成長性や事業内容・ビジョンを確認する
そして市場の成長性や事業内容・ビジョンを確認することが重要です。
理由は、以下の通りです。
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【1:市場の成長性が会社の成長幅に直結する】
企業が属する市場が、将来的に伸びる可能性がある場合には、成長性が高い市場だと言えます。
市場の成長性は、会社の成長幅にも直結するため、ベンチャー企業が属する市場のチェックは欠かせません。
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【2:事業内容によって、企業の勝敗が左右される】
事業内容とは、企業が取り組む仕事内容を指します。
各企業は、事業を行うことで利益を得ているため、事業内容を知ることで企業の行く末を予想できます。
他社には負けない優れたプロダクトであるか?また、それを支えるフォローアップ体制は整っているか? メインの事業が他社にも負けないような素晴らしいプロダクトであれば、勝てる可能性が高まります。
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【3:ビジョンによって、企業が重視する点が分かる】
ビジョンは、その企業が最終的に成し遂げたいことであり、最も大切にしていることだと言えます。
またビジョンは、経営戦略とも紐づいており、ビジョンが明確であることは経営基盤の安定を意味します。
ビジョンが分かりやすく、最終的な目標が見えやすい企業は、健全な企業である可能性が高いです。
このように事業内容やビジョンを知る事は重要です。ですが、よくある転職サイトではテキストのみで、
非常に分かりづらく書かれていることも多く、しっかり読まない人が多いのも事実です。
そこで以下のような動画で確認するのも一つの手です。動画で説明しているのでとても分かりやすいです。
4.優良なVCから投資を受けているかを確認する
優良なベンチャーキャピタル(以下VC)から投資を受けているかを確認することもポイントです。
優良なVCから資金調達をしている企業は、比較的健全な企業だと言えます。なぜなら、優良なVCは事業計画や成長性などの厳しい審査を通じて、投資するかを判断しているためです。
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~優良なVCの特徴~
- ●1つの業界の中で、ターゲットを絞ったうえで投資をしている
→複数の企業に投資をせず、優秀なベンチャー企業を見極めたうえで、投資します。 - ●過去に投資した企業が、複数社において活躍している
→将来的にのびるベンチャー企業を見る「確かな目」を持っています。
優良なVCから投資を受けているという事は将来性があるベンチャー企業であると認められているという事です。
VCがどの企業に投資をしているかは各VCのホームページなどで確認できますので、気になる方は見てみると良いでしょう。
詳しい優良企業の探し方は、こちらの記事をご覧ください。大手VCの例や資金調達額から探す方法も紹介しています。
あわせて読みたい:優良ベンチャー企業の探し方9選|新卒と中途ならではの探し方も解説
【朗報】赤字のベンチャー企業に就職し、倒産してもリスクは小さい
赤字のベンチャー企業に就職し、万が一倒産した場合にも、リスクは小さいと言えます。
理由は、以下の通り3つです。
- 1.従業員であれば職を失うだけ
- 2.従業員が借金を背負わされることはない
- 3.倒産した事実以上のものを、手に入れられる
1.従業員であれば職を失うだけ
まず会社が倒産したとしても職を失うだけでその他のリスクはほぼないと言っていいでしょう。
「職を失う」と聞くと、大変なイメージがあるかもしれませんが、次の転職活動で不利になることは基本的にありません。
また、会社が倒産した場合は会社都合の退職となるため、失業保険をすぐに(申請してから1週間程度)受けられる可能性があります。
会社都合によって失業した場合に、失業保険を受給できる条件は、以下の通りです。
- ● 就職したいという意思がある
- ● 離職日より前の1年間で、雇用保険の「被保険者期間」が通算で6ヵ月以上ある
つまり企業で6ヵ月以上雇用保険に加入していれば(通常は正社員・契約社員であれば加入しています。)、すぐに失業保険を受け取れます。
例えば、以下のような人が対象です。
★倒産したベンチャー企業で、6ヵ月以上勤務していた
★ベンチャー企業に入社した1ヵ月後に倒産したものの、入社の直前までは、他社で5ヵ月以上勤務していた
2.従業員が借金を背負わされることはない
企業が倒産した場合でも、従業員が借金を背負わされることはありません。
会社はその借金を従業員に請求することもできません。
また会社が倒産したとしても、前述の通り、条件を満たせば失業保険がすぐに支給されます。
仮に給与の未払いがあったとしても、未払賃金立替払精度などを利用すると、回収できる可能性が高まります。
3.倒産した事実以上のものを、手に入れられる
職を失ったとしても、ベンチャー企業で働いたことで、倒産をした事実以上のものを、手に入れられます。
それは「経験」や「スキル」です。
ベンチャー企業は自由度が高く、成果主義であることから、「自主的に動く能力」や社会人として生き残るために大切な「サバイバル能力」も身に付きます。
大手企業も近年は「自ら進んで仕事を進めていく」人材を欲しがる傾向が強く、ベンチャー企業出身で成果を残してきた人は転職先には困らない可能性が高くなっています。
こうした人は、次の転職先でも採用される可能性が高く、良い条件で勤務できる傾向にあります。
「赤字のベンチャー企業に入社しても大丈夫か」と、心配な人へ
最後に「赤字のベンチャー企業に入社しても、大丈夫かと心配な人」が転職活動をする上で、最も避けて欲しいことをお伝えします。
それは、「赤字の企業を避けようとするあまり、自分に合わない雰囲気のベンチャー企業に入社してしまった……」という結末です。
私たちは、企業のブランドや年収などで就職先・転職先を決めて、結果的にミスマッチを起こしてしまう人を減らしたい!という想いで、moovyというサービスを立ち上げました。
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テキストだけの求人情報だけでなく、実際に働いている人と会社の雰囲気など、テキストではわからない情報まで知ることができます。
また赤字・黒字を問わず、将来性があるベンチャー企業を紹介していることが特徴です。
今まさに、仕事選びをしているあなたへ。
まずは1本、動画を見てみてください。
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- 今林 智宏
- 国立大学を卒業後、大手サービス企業に入社し、店長を歴任。チームマネジメントやマーケティング業務を経験。在籍中は、現場社員として数多くの学生・転職者の面接官も行う。退職後、スタートアップ企業にて、フロントエンドのシステム開発に加え、カスタマーサクセスやマーケティングを担当し、企業の採用や広告支援に関わる。
この記事を書いた人
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会社名 | 株式会社moovy |
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代表 | 三嶋 弘哉 |
設立 | 2020年4月13日 |
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