キャリアチェンジは難しい?成功のためのコツと注意点を徹底解説
# 転職で失敗しないために
たしかにこれまでの業種・職種経験を活かす転職よりも難しい。
ただ、具体的にどこが、何が難しいのかクリアになっていないのであれば、それがボトルネックです。
当記事では、その難しさを紐解き、成功に向けたコツや注意点を解説します。 ぜひ最後までご覧ください!
- キャリアチェンジを目指した転職が難しいといわれる理由がわかる
- キャリアチェンジ転職を成功させるためのコツがわかる
この記事を読んでわかること
キャリアチェンジとは?
キャリアチェンジの難しさを解説する前に、そもそもキャリアチェンジとはどのようなキャリア形成の考え方・手法なのか整理しておきましょう。
キャリアアップとキャリアチェンジの違い
対照的な考え方であるキャリアアップとキャリアチェンジを比較すると、その違いが分かりやすくなります。
その職種や分野において専門的な知識を深め、より高いスキル・能力を身に着けることを通じて労働市場での価値を高めることです。
何をもってキャリアアップとするかは人それぞれですが、一般的には役職が上がる、より大きな会社で働く、より評価される(年収が上がる)環境に移るといったケースが多く見受けられます。
未経験の業界(あるいは業種)や職種に転向し、新たなキャリア形成を図ることです。
まったくの未経験チャレンジというケースもあれば、多少なりともこれまでのキャリアと類似性・親和性があるケースもあります。
営業職から未経験で人事採用担当者になるケース等がわかりやすい事例です。
区別のポイントを端的に表現すると、「その分野(業界・業種・職種)において、一般的にこれまでの経験の延長線上で考えられるキャリアといえるかどうか」です。
今回はキャリアチェンジについて詳しく解説していきますが、キャリアアップ転職のコツも知りたいという方は、以下の記事をご覧ください。
合わせて読みたい:キャリアアップ転職は業界選びが重要!選び方のコツを徹底解説
キャリアチェンジの3パターン
キャリアチェンジは、3パターンに分けられます。
①異業界(業種)・同職種への転職
ベースの職務スキルを有しているため、その職種としての業務特性や仕事の進め方があまりにも大きく変わるような異業界でなければ、比較的転職はしやすいです。
②同業界(業種)・異職種への転職
候補者の能力・スキルが直結している職種を変えることになるので難易度は①より高くなります。
社内で異なる部署・職種に異動したいけど、現職では叶わない…というときに選ばれやすいパターンです。
③異業界(業種)・異職種職種
職務経験・業界知識ともに活かしづらいため、即戦力性が求められやすい中途採用では3パターンの中で最も難易度が高くなります。
また、適性があるか否かはやってみないとわからないという不確実性も最も高いパターンです。
異業界(業種)への転職を成功させるポイントは、以下の記事でも詳しく解説しています。
合わせて読みたい:異業種転職は難しい?成功させるポイントと注意点を解説
キャリアチェンジの難しさとは?
キャリアチェンジは、言い換えれば「何かしらの就業経験を経たからこそ気付くことができた理想のキャリアを実現する手段」です。
上記をメリットとして捉えると、トレードオフが発生してしまうというデメリットもあります。
端的にいえば業種・職種を変えることによる経験値のリセットと即戦力性の低下です。
このことが以下の3つの観点で選考通過率の低下につながるため、キャリアチェンジの転職は難しくなりがちです。
- 1. 経験不足による選考通過率の低下
- 2. 年齢による選考通過率の低下
- 3. 不十分な業種・職種研究による選考通過率の低下
それぞれ、どのように経験を活かせるのか、どのような方に向いているのかを解説していきます。
1.経験不足による選考通過率の低下
多くの企業は中途採用者に対して、即戦力性や早期の業務キャッチアップを期待しています。
中途採用の募集背景は、事業拡大に向けたドライバーとしての貢献、繁忙状態の緩和、欠員ポジションの早期充足など経験がないと務まらないものが多いからです。
このような理由から経験者を対象としている中途採用求人に、向き不向きやキャッチアップの早さをその候補者のポテンシャルと意欲で判断するしかないのです。
そのため、未経験者や経験に不足感のある人がチャレンジすると、高い確率で見送られてしまいます。
2.年齢による選考通過率の低下
過去に言われていたような「転職は35歳が上限」のような風潮はほとんどなくなり、人によっては50歳でも定年前後でも転職できる環境になっています。
ただし、それはあくまで然るべき経験やキャリアを活かした転職がメインです。
キャリアチェンジの場合は、20代がピークで募集企業や案件によっては30代前半や半ばまで対象に入るかというところ。
そのため、一般的には年齢が上がるにつれて、選考通過率は低下しやすいのが現状です。
これは年齢差別ではなく理由があります。
採用企業の人事や採用部署の責任者は、既存従業員の社内キャリアや配転、給与バランス、マネジメント環境を考慮して組織作りをしており、その際に年齢(社会人年次)というのは重要なファクターになるためです。
35歳転職限界説に関しては以下の記事で詳しく解説しています。気になる方はご覧ください。
合わせて読みたい:35歳でも転職できる?即戦力を採用する企業増な今だからできること
3.不十分な業種・職種研究による選考通過率の低下
採用企業は、未経験者の採用を検討する際、その候補者がしっかりと業界・職種研究をして転職活動に臨んでいるかをチェックします。
職種業種・職種研究の甘さは、採用後のミスマッチやギャップ発生に繋がりやすいためです。
新卒就活時は、多くの就活生が徹底的に業界・企業研究を行いますが、転職活動になるとこの部分に注力できていない人も実は多いのです。
なお、キャリアアップ転職の場合は、候補者も良く知る業界・職種での転職活動であるため、業界・職種研究というステップ自体あまり重視されず、どちらかというと個別の企業研究が重要となります。
この違いに気づけないと、面接の各種質問対策は徹底的にしているにもかかわらず、なぜだか面接で見送られてしまうという事態が多くなってしまいます。
業種・職種研究をした後は、企業研究も忘れずに行いましょう。企業研究のやり方は、以下の記事を参考にしてください。
合わせて読みたい:企業研究のやり方とポイントを解説|おすすめツール6選も紹介
キャリアチェンジの難しさを乗り越えるためのコツ
キャリアチェンジの難しさのほとんどは前述の3点に集約され、それらに対する準備や対策を講じることは可能です。
プラスαのポイントも含め、以下4つのコツを紹介します。
- 1. 業界・職種研究と自己分析の徹底
- 2. 未経験可/未経験歓迎の求人を狙う
- 3. 希望条件の整理
- 4. 在籍中にできる努力をする
1.業界・職種研究と自己分析の徹底
改めて業界・職種研究と自己分析に注力し、今後のキャリアビジョンやキャリアプランをきちんと設計しましょう。
就業経験を得たからこそ、新卒のときのそれとは違う価値ある気づきやアウトプットを得られるはずです。
■業種研究
業界地図等で業界構造やメインプレーヤー、昨今のトピックスをおおまかに把握したうえで、個々の業界・業種に特化した業界研究関連の書籍で理解を進めれば十分です。
■職種研究
業界研究関連の書籍には一部職種紹介があるものの、概要程度のものも多いでしょう。
目指したい職種の業務内容や仕事の進め方を「6W1H(When:いつ、Where:どこで、Who:誰が、whom:誰に、Why:なぜ、What:何を、How:どのように)」で分解して考えるとどこがあやふやかわかりやすくなり、WEB等で調べる的を絞りやすくなります。
■自己分析
自己分析はいろいろなやり方がありますが、苦手な方や何からしたらわからない…という方は、こちらのコラムをぜひ参照ください。
合わせて読みたい:【図解】Will-Can-Mustとは?転職の自己分析にも使える!
2.未経験可/未経験歓迎の求人を狙う
基本的には、求人情報の中に「未経験可」「未経験歓迎」といった記載があるものをメインの応募対象と考えましょう。
特に、求人媒体(〇〇ナビ等)掲載の求人や人材紹介会社が保有する求人で未経験チャレンジできる案件は、この文言の記載があるケースがほとんどです。
※採用企業のコーポレートサイト内の採用ページ内の求人情報では、「未経験可/未経験歓迎」といった丁寧な記載がないケースもあります。
これらは以下のような理由でキャリアチェンジ希望者と採用企業との期待値調整がしやすいものです。
- ・経験者採用の難易度が高く、あえて育成前提で未経験者を採用する方針を取っている
- ・組織に新しい風を吹き込みたいため、あえて未経験者を対象としている
- ・新卒採用の欠員補充のため、経験問わず年齢が若い第二新卒層を対象としている など
逆に、「未経験可/未経験歓迎」の記載がなく、必須要件欄にもその職種の実務経験が記載されているものは採用企業からすると未経験はそもそも対象としていないという証でもあるので、応募しても選考通過は難しいでしょう。
3.希望条件の整理
本格的に応募を開始する前に、改めて転職の希望条件を整理しましょう。
特に、以下についてどこまでフレキシブルに受け入れられるかはキャリアチェンジ転職の難易度に大きく影響します。
■収入
未経験での転職の場合、年収がいったん下がるケースが多いです。
収入変化を見込み、どこまで現状からの落差を許容できるのか、現在の生活水準や家計状況から算出しておきましょう。
希望年収の決め方や、企業への伝え方は以下の記事で詳しく解説しています。せひ参考に希望年収を考えてみてください。
合わせて読みたい:転職活動時の希望年収どう伝える?希望年収を聞かれる理由と答え方
■勤務地
勤務地を広げられるならなるべく広く検討するほうが好ましいです。
しかし、いざ内定をもらっても意思決定をする際に迷うレベルや、行きたくないかも…という気持ちが出るようなエリアにまで無理して広げないようにしましょう。
■会社規模・知名度
キャリアチェンジの目的は就社ではありません。
気になってしまう要素ではありますが、コンパクトな企業や聞いたこともないような企業の求人が多かったとしても、目的意識をブレずに持つことが大切です。
4.在籍中にできる努力をする
もし希望するキャリアチェンジが社内異動で叶う可能性が少しでもあるなら、異動希望を出してみるなど出来うるアクションを起こすことをお勧めします。
現職で可能性があるのに転職活動する場合は、面接で突っ込みを受けやすいため、その対策という意味合いもあります。
しかし、異動を実現するためにより良いパフォーマンスを現職で発揮し良い成果につなげれば、異動が万が一叶わなかったとしても、その実績や経験は転職活動では武器になる可能性があります。
その他にも、経験や知識の体系化のために資格取得が推奨される業界・職種にキャリアチェンジしたい場合は、現職に在籍しながら基礎~中程度のレベルの資格を取得しておくと本気度や意欲的な印象を与えることができます。
キャリアチェンジ後の注意点
キャリアチェンジ転職の場合、内定獲得がゴールではなく、キャリアチェンジ後の新たな業務を早期にキャッチアップし立ち上がることが本質的なゴールです。
以下のことも転職活動中から考えておくとよいでしょう。
- ・入社後の成長イメージ
- ・カルチャー、社員の雰囲気
- ・働き方
入社後の成長イメージ
最初はどのような業務から経験し、どのようなプロセスを経て一通りの経験を習得し立ち上がっていくのかのイメージを抱けているかどうかは、入社後のスタートダッシュや周囲の期待に応えるという観点でも重要です。
最初の3か月~半年程度の仕事内容や教育研修はどのように進むのかおおまかでも構わないので面接時に聞いておくことをおすすめします。
カルチャー、社員の雰囲気
未経験の業界・職種への転職であることはもちろん、働く環境としても未経験であることを忘れてはなりません。
これまでの評価や人間関係はリセット状態なので、改めて周囲と良い関係を構築し、サポートしてもらいやすい状態を自身でも作る必要があります。
ただ、そもそも組織のカルチャーや社員の雰囲気が自身と合わないとかなり苦しい状態になるので、企業研究や選考過程でしっかりと自身とのフィット感を確かめましょう。
転職して雰囲気が合わないとどうなってしまうのでしょうか。以下の記事では転職したのに雰囲気が合わなかった場合について詳しく解説しています。
合わせて読みたい:これで解決!?転職先の雰囲気が合わない時の対処法5選
働き方
キャリアチェンジによって、仕事内容だけでなく働き方自体が大きく変わることもあります。
例えば、これまで外勤中心だった人が内勤中心になる、個人プレーが求められる環境からチームワークを求められる環境になる等。
このような変化は些細なストレスであったとしても、日常的なことだからこそ積み重なることで心身の不調に繋がってしまうこともあります。
転職活動中に働き方まで見据えた職種研究を進めておくとギャップも少なくなります。
ベンチャー・スタートアップ企業の働き方や職場環境が知りたい方は、以下のインタビュー動画をご確認ください。
キャリアチェンジ転職に難しさや不安を感じられる方へ
ここまでの内容を読んでみて、いかがでしたでしょうか?
キャリアチェンジを候補視点・採用企業視点できちんと理解すれば、取るべき対策・準備は決まっています。
たしかに考えないといけないこと、やらないといけないことは多いですが、キャリアチェンジ転職を成功させるためには「急がば回れ」です。
早く新しい世界に入りたいからこそ、一つ一つを丁寧に進めていきましょう。
そして、当記事の後半でも触れましたが、転職後の姿を想像することも転職の成功をキャリアビジョンやキャリアプランの達成につなげていくために大切です。
そのためには、なるべく多くのキャリアチェンジの事例を知ることが大切です。
ただ、なかなか自分の交友関係の中だけでは難しいと思います。
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- 船崎 亮
- 大学卒業後、医薬品業界にて専門職に従事したのちHR領域へ転身。大手人材会社の人材紹介部門にて、法人の中途採用支援と求職者の転職支援に両面コンサルタントとして従事、組織マネジメントも担う。その後、プライム上場製薬企業に採用人事として参画、新卒・中途・オンボーディングなど採用業務全般を担う。2024年、人事・採用支援のPG-Dept.を開業し独立。
この記事を書いた人
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会社名 | 株式会社moovy |
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代表 | 三嶋 弘哉 |
設立 | 2020年4月13日 |
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