未経験で人事に転職するのは難しい?仕事内容やポイントを解説

# 職種の選び方

「未経験だけど人事に興味があり、転職をも考えている。」

「人事の仕事内容は漠然としているし、未経験者が人事へ転職できるのか疑問」

「未経験で人事へ転職をするにはしても、どんな準備をすればいいかが分からない」

と考えこんでしまい、一歩を踏み出せない方もいると思います。

 

今回の記事では、人事の仕事内容から人事に未経験で転職できるのか、そのためには何をすればいいのかを、ほぼ未経験で人事(主に採用)へ転職した経験のある私が、経験を交えながらお伝えしていきます。

 

この記事が一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです!

この記事を読んで分かること

  • 未経験者は人事へ転職出来るのか
  • 人事の仕事内容とは
  • 未経験で人事に転職するためのポイント

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そもそも未経験職種に転職するのは難しい?

未経験から人事へ転職できるのかをお伝えする前に、人事に限らず未経験職種へ転職できるかをお伝えします。

 

結論として未経験職種へ転職できます!ただし、年齢を重ねると難しくなります。

 

ここでは未経験職種へ転職は可能、ということを覚えておいてください。

 

未経験職種へ転職が出来るということは、未経験であっても人事へ転職することが出来るということです。

 

私自身も、ほぼ未経験の状態から人事へ転職した経験があるので、未経験で人事へ転職できるということは、間違いありません。

 

ただし、経験の有無に関係なく、人事への転職は他の職種に比べると難しいです。その理由について次項より詳しく解説します。

 

また、先述のように年齢を重ねるとキャリアチェンジが難しくなりますが、では一体何歳までキャリアチェンジが可能なのでしょうか?

 

その疑問に以下の記事でお答えしていますので、ぜひご確認ください。年代別に、キャリアチェンジの可能性についても解説しています。

未経験者対象の人事の求人はあるのか?

人事へ転職が難しい理由に求人数が少ないということが言えます。

 

求人サイトで人事と営業で検索を行うと、圧倒的に人事の求人の方が少ないと思います。

 

人事の求人が出るタイミングは、欠員補充、新たに人事部を作る時や拡大する時などです。

 

そのため、求人数は限られはしますが、欠員補充や人事部を拡大する時には、未経験者を対象とした求人を出すことがあります。

 

なぜ、このタイミングかというと、すでに人事部があり、未経験者を育成できる環境があるためです。

人事の具体的な仕事内容は?

ここからは、人事の仕事内容をお伝えしていきます。

 

人事の求人を見ると、仕事内容は人事業務全般などの記載はあまりなく、「採用業務をお任せします、人材育成をご担当いただきます。」といった形の記載が多くあります。

 

このように人事の仕事内容は、領域毎に分かれており、各担当者を募集する形が多いです。

 

そのため、ここで人事の仕事内容をお伝えするにあたっては、厚生労働省編職業分類表の人事事務員が従事する仕事内容を用いて「採用、評価(制度)、教育研修、労務・給与計算」の説明をしていきます。

 

仕事内容はもちろんのこと、必要なスキル、会社が定める目標なども、お伝えをしていきます。

 

また、厚生労働省編職業分類表によれば、人事事務員の仕事内容は以下のように定義されています。

 

【職業分類表 人事事務員の仕事内容】

採用、評価、給与・教育研修・福利厚生・労務などの人事事務の仕事に従事するものをいう。

出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構|職業分類表

 

採用(新卒・中途)

採用は社員の増員を目指して、新卒・中途人材の採用を行います。

 

主な仕事内容は、採用戦略の立案と実行、応募者獲得、応募者連絡、選考、内定から入社までのフォローが中心となります。

 

採用は経営計画への影響が大きいので、各部門の責任者はもちろんのこと、役員とコミュ二ケーションをとる機会が多くなるのがポイントです。

 

採用業務に求められるスキルはコミュニケーション能力、分析力などです。 コミュニケーション能力の必要性はイメージ出来ると思いますが、分析力が必要な理由は、採用戦略の立案を行うのに必要だからです。

 

応募者数や選考実施率、合格率などを分析することで、採用戦略を立案し、ブラッシュアップしていきます。

 

また、採用業務における目標は、中途●名、新卒●名といった、採用人数です。

 

中途と新卒で、それぞれ人数が異なるのは、即戦力の中途と育成が必要な新卒では、会社が求める期待と成果が異なり、経営計画に影響してくるためです。

 

評価制度の構築と運用

評価制度の担当者は、主に昇格や降格に必要となる平等、明確、納得ができる制度を作り、運用をしていきます。

 

昇給も評価制度に則って行われるため、非常に重要です。 そのため、制度を作るには、社員がどんな仕事をしているのか知る必要があるので、キャッチアップする能力は非常に重要です。

 

社員の仕事をしっかりと把握し、評価項目やKPIなどを、各部門や役員と協力して設定していきます。

 

運用では評価スケジュールの管理、評価内容の確認を行います。

 

評価は各部門の責任者や管理職が評価者として行うため、担当者は第三者視点で評価結果に偏りが無いか、平等に評価がなされているかを確認します。 時には評価面談などに同席をして、評価者のサポートを行います。

 

評価制度担当者の目標は、平等で明確な制度を作り、評価スケジュールを遵守し、評価結果に不満を持つ社員を出さないことです。

 

スケジュールが遅延すると昇給に遅れが発生する可能性があり、会社への不満に繋がることがあります。

 

教育研修の企画と実施

教育研修の企画と実施は、人材を育成するために必要な教育や研修を企画し、実施していきます。

 

育成方針は会社の目標達成をするために、必要な人材になります。 そのため、役員をはじめとした経営陣とコミュニケーションをとりながら、どのような人材が必要かを考えます。

 

育成の考え方は会社によって様々ですが、教育研修担当者が扱うのは、コミュニケーション能力やマネジメント能力といった、職種問わず活かすことの出来るポータブルスキルが中心になると思います。

 

仕事に必要なスキルは、主に各部門責任者や管理職が中心となって、教育していくことが多いです。

 

教育研修の企画、実施を行うには、どんな教育や研修が必要かを考える企画力、外部の研修会社に委託する場合には、社内外の調整を行う調整力が、必要なスキルになります。

 

研修では自分が講師を務めることも想定されるので、ロジカルシンキングなども必要になってきます。

 

教育研修担当者の目標は、計画通りの教育の実施、研修実施数などとなり、人材育成を行った結果、会社の目標を達成できたかも求められます。

 

労務管理や給与計算

会社によっては、総務などが担っていることもある、労務管理や給与計算も人事の仕事です。

 

労務管理は入退社手続きや勤怠管理、社会保険対応などとなり、給与計算は欠勤や残業、社会保険の控除、手当などを計算します。

 

労務管理や給与計算はスキルや経験も大切ですが、知識が非常に重要です。 具体的には雇用契約、社会保険、各種控除など、といった知識になります。

 

目標としては、抜け漏れ、遅延なく業務を行うことになります。

 

入社手続きで抜け漏れが発生したり、給与計算が遅れてしまうと、社員へ大きな不利益が発生し、会社への不信感へと繋がってしまいます。

 

そうならないために、抜け漏れ、遅延なく業務を行うことが何よりも重要です。

 

ここまで、一般的な人事の仕事内容をご紹介しましたが、以下はベンチャー・スタートアップ企業で人事として働く方々のインタビュー動画です。

 

参考になることもあると思いますので、ぜひご覧ください。

人事に必要なスキルや経験は?

人事の仕事内容はイメージできたでしょうか。 ここでは、どの仕事にも共通して、私が考える人事に必要なスキルや経験を3つお伝えしていきます。

  • 1. コミュニケーション能力
  • 2. スケジュール管理能力
  • 3. 計画・準備・実行の経験

1.コミュニケーション能力

人(社員)に関わり、向き合っていくことが必要なため、重要なスキルです。

 

人を採用したり、評価するためには、人とのコミュニケーションが必須ですし、その人のことをしっかり見る必要があるため、コミュニケーション能力は非常に重要です。

 

そのため、自分から何かを発信するよりも、傾聴を意識したコミュニケーションが重要になります。

 

2.スケジュール管理能力

いずれの仕事も、しっかりとスケジュール管理を行い、遅延無く、実施していくことが非常に重要です。

 

社員とのミーティングや面接の日程調整など、相手がいる予定でスケジュールが埋まることが多くあります。

 

また、先ほども記載しましたが、特に評価制度の構築と運用、労務管理や給与計算では、遅延することが許されないため、スケジュール管理は重要です。

 

3.計画・準備・実行の経験

しっかりと計画を立て、準備を行い、実行して行くことが重要です。

 

仕事内容からもわかる通り、人(社員)と関わることが多く、その人の時間を使って、研修実施、評価面談などを行います。

 

見切り発車で研修を実施したり、評価項目が曖昧なまま評価面談を行うと、満足が得られず、会社への不満へと繋がってしまいます。

 

ここまで3つの人事に必要な経験とスキルを見て、どの仕事にも共通していると感じられるかもしれませんが、その通りなのです。

 

人事の仕事内容はイメージし辛く、特別なスキルや経験が必要と思われがちですが、根幹にあるのは、どの仕事でも必要とされるスキルと経験になります。

 

自己PRでは、これらのスキルが発揮されたエピソードで作成すると良いでしょう。人事の自己PRの書き方は、以下の記事をご確認ください。

未経験で人事に転職するためのポイント

人事の仕事内容、必要なスキルや経験を通して、人事のイメージが具体的になったのではないでしょうか。 ここからは、人事に転職するためのポイントを4つお伝えします。

  • 1. どの人事の仕事をやるか決める
  • 2. とにかく求人に応募する
  • 3. 経験を振り返り整理する
  • 4. 不採用でも切り替える

1.どの人事の仕事をやるか決める

繰り返しになりますが、未経験者を対象とした人事の求人は限りがあり、仕事内容ごとに募集があります。

 

そのためまずは、自分が人事としてどの仕事をやりたいか、明確にしてください。

 

とにかく人事になりたいでは、志望動機が薄いため、選考通過は難しく、人事に転職出来ても、イメージとの相違が発生して、モチベーションを保つことが難しいです。

 

2.とにかく求人に応募する

求人に限りがあるため、未経験でも応募できる求人があれば、どんどん応募をしましょう。

 

未経験者を対象とした求人は数も少ないので、積極的に応募をすることは何よりも重要です。

 

もちろん、未経験者対象でも経験者は応募するので、選考通過率も低いです。

 

そのため、数十社は応募が必要と覚悟を決めて、転職活動に臨んでください。

 

3.経験を振り返り整理する

選考へ進んだら、面接などで活かせる経験をアピールしていきます。

 

自分の経験を振り返り、整理して、どのように活かせるかを考えます。 これは転職活動を行うにあたって、経験の有無、職種問わず必須です。

 

経験の棚卸しのやり方は、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。棚卸し用のワークシートもございます。

4.不採用でも切り替える

先ほどもお伝えしましたが、人事の求人数、採用人数は少ないにも関わらず、多くの応募があります。

 

そこから選考を行うので、相当数の人数が不合格となるため、不合格が続いても切り替えることが重要です。

 

ただ、切り替えてばかりいても選考通過は難しいので、何社か結果が出たら、自分の応募書類や面接内容を見直して、常に改善をしていくことをお勧めします。

 

面接で落ちる原因や、面接を通過できるようにするポイントは以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご確認ください。

人事で活かせる経験とは?

先ほど、経験を振り返り整理するとお伝えしましたが、どのような経験を活かせるか、疑問に感じた方も、いるのではないでしょうか。

 

実は、人事でなくでも人事の仕事を経験している人は多くいます。 例えば、

  • ・採用での面接官
  • ・人事評価での評価者
  • ・研修の企画や講師 など

これらは人事の仕事内容ではあるけども、人事でなくても経験している人は多いはずです。

 

未経験者を対象とした場合、恐らく募集要件には、

  • ・採用担当者:面接官経験
  • ・評価制度担当者:評価経験、評価面談実施経験
  • ・研修担当者:社内研修企画もしくは講師経験

といった具合に必須経験や優遇に記載されている可能性があります。

 

このような経験は、人事の仕事で活かすことができ、アピールになります。

 

ただし、アピールをする時に相手(人事担当者)は、その道のプロであり、経験豊富だということは意識するようにしてください。

 

また、整理をする際には、何かエピソードも考えると、面接などでより説得力のあるアピールになります。

 

特に根幹となるコミュニケーション能力、スケジュール管理能力、計画・準備・実行の経験はしっかりとアピールできるように整理をしましょう。

 

アピールする経験が決まったら、そのエピソードをもとに志望動機や自己PRを作成しましょう。

 

人事の志望動機のポイントや例文を以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

人事へ転職するための準備

活かせる経験を整理したら、人事になるため(転職するため)の準備をしていきます。

 

準備としてよく聞くのは、資格になるかと思いますが、人事の場合はこの資格を持っていれば転職に有利、というものはあまりありません。

 

私もキャリアコンサルタント資格を保有していますが、転職活動の中でプラスになった印象はありません。

 

しいて言えば、労務管理や給与計算を行うにあたって、社会保険労務士を保有していれば有利になりますが、勉強時間や合格率を考えるとなかなか大変です。

 

では、どんな準備をすればいいのかというと、主に以下の3つです。

  • 1. 本を読む
  • 2. 出来るだけ体験をする
  • 3. 最新情報をキャッチする

他にも以下の記事で、転職に失敗しないためにやるべき準備を、元転職エージェントのアドバイスと共にまとめています。ぜひ参考にしてください。

では、人事へ転職するための3つの準備について解説していきます。

 

1.本を読む

まずは簡単にできる、人事に関する書籍を読むことです。

 

自分がチャレンジしたい仕事内容に関する、専門の書籍を読みましょう。

 

人事に関連する書籍は、仕事内容と同様に領域ごとに分かれているので、人事として何をやりたいか定めたら、関連する書籍を読み、理解を深めることが重要です。

 

2.出来るだけ体験をする

体験をすることも非常に重要です。

  • ・採用担当者を希望:様々な企業の求人を見て、応募する
  • ・教育研修担当者を希望:社内勉強会(研修)を企画、実施する

といった具合です。

 

採用担当であれば、求人を見ることが勉強になります。

 

実際に応募をすることで採用担当者と接することが出来るので、ある意味、転職活動自体が準備になります。

 

教育研修担当者は、実際に勉強会を企画し、実施することで、色々な気づきを得ることができます。

 

また、評価制度担当者であれば、自社の評価制度の仕組みや考え方を、しっかりと理解することも有効です。

 

3.最新情報をキャッチする

最後に何よりも重要なのは、最新情報をキャッチすることです。

 

法令改正、満足度の高い評価制度、ニーズの高い研修内容、人気の求人サイトなどといった、最新の情報を把握することは重要です。

 

どのように最新情報をキャッチするかというと、ニュースを見ることが正確で手軽に出来るのでお勧めです。

 

普段何気なく見ているTVのニュースやニュースサイトなどで、定着率が向上した人事制度、登録者急増中の求人サイトなどを、目にしたことは無いでしょうか。

 

これらのニュースにしっかりと目を通し、分からないことを調べることで、知識は増えていきます。

 

ここまでお伝えしてきた準備は、いずれも人事へ転職後も継続出来る内容で、成長へと繋がります。

 

是非とも転職活動をしながら習慣づけてください。

未経験から人事として活躍するためには

未経験でも人事に転職をできるのかについて、仕事内容やポイントをお伝えしていきましたが、いかがでしょうか。

 

今回の記事をまとめると以下の内容になります。

  • ・未経験から人事への転職は、求人数も少なく非常に大変
  • ・人事の仕事内容は領域によって異なる
  • ・人事でなくても人事の仕事は経験している
  • ・未経験から人事へ転職するための準備

未経験から人事へ転職するのは、難しいですが無理ではありません。

 

自分の経験を振り返り、しっかりと準備をすれば、時間がかかっても転職は出来ます。

 

さらに転職の準備は、人事へ転職後も継続して行うことで、成長へと繋がっていきます。

 

また、転職活動を始める時には採用動画プラットフォームのmoovyを活用してみてください。

 

人事は人(社員)に関わり、人のために仕事をすることが多いです。

 

そのため、転職先にはどんな人(社員)がいるか具体的にイメージすることで、選考でのアピールに説得力が増し、入社後の仕事もイメージしやすくなります。

 

moovyには、社員インタビューが豊富にあるので、その会社で働く人達がイメージしやすくなるのでお勧めです。

 

採用の仕事に興味がある人は、採用担当者が会社紹介をしていることも多いので、積極的に活用してください。

 

最後にもう一度お伝えしますが、未経験者の人事への転職は、不採用になることも多く、難しいですが、無理ではありません。

 

不採用が続いたとしても、しっかりと切り替えて、人事として活躍したい理由をモチベーションに、人事への転職を実現してください。

 

いつか人事として活躍をしているあなたと、一緒にお仕事ができることを楽しみにしています!

堀内 隆治

この記事を書いた人

堀内 隆治
ITを中心に技術者派遣、保育、税理士といった様々な業界で採用(新卒・中途)業務に従事。採用計画から選考、クロージングと、一連の採用業務を経験。キャリアコンサルタント資格を活かし、キャリア相談を通して、キャリア支援も行う。現在はフリーランスの人事コンサルタントとして活動中。

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