ヘルスケアのおすすめスタートアップ5選!業界の課題も解説
# ベンチャー企業を知る
ヘルスケア分野のスタートアップは政府も支援に力を入れるなど、今注目されている領域です。
こういった背景もあり、業界が抱える問題に対応する革新的なスタートアップが次々に登場しています。
この記事ではヘルスケア分野で注目されているスタートアップをご紹介します。
また業界の抱える問題、求められる人材についても解説しますので、ヘルスケアスタートアップで働いてみたい方はぜひチェックしてみてください。
- ヘルスケアスタートアップは政府の支援もあり、日本のイノベーションを担う存在として注目されている
- ヘルスケア業界経験者も重宝されるが、他分野でもエンジニアやデータアナリストなどの経験が必要とされている
この記事のまとめ
ヘルスケアスタートアップが注目されている理由
ヘルスケアスタートアップが注目されている理由の一つに政府が力を入れている点にあります。
石破首相は、令和6年11月14日のGRIC2024開催にあたり、ビデオメッセージで日本経済の活性化に向け、スタートアップ企業への支援強化を強く訴えました。
また、「スタートアップ育成5か年計画」をもとに、政策を抜本的に強化し、「アジア最大のスタートアップハブ」を実現すると述べています。
特にヘルスケア領域においては金銭的な支援に加え、事業開発、ネットワーク構築、規制対応の相談窓口など、多角的な支援が期待されています。
このような背景に加え、本章ではヘルスケアスタートアップが日本のイノベーションを担う存在として注目されている理由を解説します。
参照:ヘルスケアスタートアップの現在と未来(政府/大手企業/スタートアップの目線から)|PwC Japanグループ
参照:GRIC2024 石破総理ビデオメッセージ|首相官邸
1.新しい技術を積極的に活用しているから
ヘルスケアスタートアップは、最新技術の活用により、日本の医療や福祉分野の課題解決を促進しています。
たとえば、AIを活用した診断ツールにより、医師が短時間で正確な診断を行える環境が整備されるようになっています。
これらの企業はAI、IoT、ビッグデータ、バイオテクノロジーなどの先端技術を取り入れ、医療の効率化や精度向上を実現しています。
また、技術導入のスピード感が大企業よりも高いことも特徴であり、ヘルスケアスタートアップが注目されている理由です。
2.ひとりひとりへのアプローチができるようになるから
少子高齢化でヘルスケア領域の需要が高まりつつある現在、ひとりひとりへのアプローチができることは医療の質を高めることになります。
従来の一律的な医療アプローチから、個々の患者の状態やニーズに応じた個人化医療へとシフトしています。
特にAIなどがその実現を後押ししています。
このような個別対応が可能になることで、患者の満足度が向上し、医療の成果も大きく向上に繋がるヘルスケアスタートアップの存在は注目されるようになっています。
3.医療へのアクセスがしやすくなるから
ヘルスケアスタートアップの技術活用により、遠隔医療やオンライン診療の発展により、地理的条件や時間的制約があっても医療サービスを受けやすくなっています。
石破首相は地域創生にも力を入れており、医療へのアクセス向上は重要なテーマです。
たとえば、過疎地に住む高齢者がスマートフォンを使って医師と相談したり、オンラインで処方箋を受け取り、近くの薬局で薬を受け取れる仕組みが整いつつあります。
また、都市部でも多忙なビジネスパーソンが時間を無駄にせず診療を受けられるなど、幅広い層に恩恵があります。
このように、医療サービスのハードルが下がることで、多くの人々が必要なケアをタイムリーに受けられる社会の実現にむけてヘルスケアスタートアップは欠かせないのです。
日本のヘルスケアスタートアップ5選
ヘルスケアスタートアップでおすすめの企業を5つご紹介します。
ヘルスケア市場に新たな取り組みを導入し、これまでに提供できなかったケアを実現、イノベーティブなサービスを提供しています。
魅力的なサービスを展開し、政府や海外からも注目されている、以下の5つの企業をピックアップしました。
- 1. 株式会社iCARE
- 2. 株式会社CureAPP
- 3. DFree株式会社
- 4. 株式会社PROVIGATE
- 5. ホワイトヘルスケア株式会社
1.株式会社iCARE
- ・業種:ソフトウェアベンダー・SaaS
- ・創業:2011年6月
- ・社員数:100名〜500名未満
株式会社iCAREでは企業向けに健康管理アプリCarely(ケアリィ)を展開しています。
企業で働く人の
直近ではCarely導入企業123社が「健康経営優良法人2024」に認定されるなど、高い効果を発揮して注目を集めています。
株式会社iCAREの企業理念を動画で分かりやすく紹介しています。
2.株式会社CureAPP
- ・業種:ネイティブアプリ
- ・設立:2014年7月
- ・社員数:100〜500名未満
株式会社CureAPPでは、医療機関向けプロダクト「治療アプリ」を展開しています。
従来の治療では高血圧症やニコチン依存症など、患者が継続的に取り組む必要のある症状への対処が難しいという問題がありました。
これに対し「治療アプリ」では、患者自身の「行動変容」による治療改善に力点を置き、アプリを通して患者の毎日に寄り添う治療が可能となっています。
この取り組みが評価され、2023年には経済産業省が運営するインパクトスタートアップ育成支援プログラム「J-Startup Impact」に選定されました。
3.DFree株式会社
- ・業種:AI・IoT・RPA関連
- ・創業:2015年1月
- ・社員数:10名〜50名未満
DFree株式会社はテクノロジーの力で「世界を一歩前に進める」ことを掲げているスタートアップです。
創業当初から排泄予測デバイス「DFree」を展開し、特に介護分野で利用が進んでいます。
実際に介護現場で使われる中でその有用性が認められ、2022年4月より特定福祉用具として認定。DFreeの介護保険適用が可能となりました。
同事業は介護による負担を減らすことで日本の社会保障費を抑制する役割を果たしています。
また日本のみならず世界30ヵ国から問い合わせが集まるなど、世界で大きな反響を呼んでいます。
DFree株式会社の事業内容や今後のビジョンを動画で分かりやすく紹介しています。
4.株式会社PROVIGATE
- ・業種:ネイティブアプリ
- ・設立:2015年3月
- ・社員数:50名未満
株式会社PROVIGATEでは、血糖管理サポートプログラム「glucoreview」を展開し、糖尿病の発症と重症化の予防に貢献しています。
週間平均血糖の指標となるグリコアルブミンはこれまで通院採血が必須でしたが、Provigateの技術によりアプリとキットを提供することで自宅での郵送検査が実現。
オンライン面談を組み合わせながら、自宅で継続的な改善プログラムを受けることができます。
このサービスは研究論文としてまとめられ、糖尿病領域の専門学術誌にも掲載されています。
5.ホワイトヘルスケア株式会社
- ・業種:その他、メディカル
- ・創業:2020年6月
- ・社員数:10名〜50名未満
ホワイトヘルスケア株式会社では健康保険組合向けサービスとして、セルフメディケーションに取り組む環境づくりをサポートする「あなたの薬箱」を提供しています。
薬剤師によるアドバイスのもと、
この取り組みが注目され、厚生労働省「令和5年度高齢者医療運営円滑化等補助金における健康保険組合による保健事業」に採択されました。
また厚生労働省作成の資料「データヘルス計画作成の手引き(第3期改訂版)」にも事業が取り上げられています。
ホワイトヘルスケア株式会社のビジョンを動画で分かりやすく紹介しています。
-
医療費削減への挑戦!私の原体験から生まれたビジョン
ホワイトヘルスケア株式会社
・業種:その他、メディカル
・社員数:10名〜50名未満
ホワイトヘルスケア株式会社
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日本のヘルスケア業界が抱える問題3選
ヘルスケア業界の抱える問題をご紹介します。
スタートアップは、これまでに改善されてこなかった業界の問題に着手する事業を展開していることが多いため、問題を捉えると事業把握がしやすくなります。
どんな問題に取り組みたいか、ご自身の関心とも照らし合わせてみてください。
- 1. 医療費の高騰
- 2. 医療や介護人材の不足
- 3. メンタルヘルス問題
1.医療費の高騰
団塊の世代が後期高齢者になり始めるなど、高齢化社会が医療費の増大を引き起こしています。
日本は健康保険制度で国民の医療サービスを担保しているため、国家負担が圧迫されてしまうという問題があります。
この問題に対応するため、健康管理を促進するサービスを提供するスタートアップが登場してきました。
ホワイトヘルスケア株式会社のセルフメディケーション推進事業なども、この問題に着手する事業の一つと言えるでしょう。
2.医療や介護人材の不足
医療従事者や介護スタッフの人材不足が大きな問題となっています。
論理的思考力や数的処理能力が問われ、多くの学生が試験で落とされます。
医療現場や介護現場での働き方の問題は大きく、負担の大きい旧来のやり方を改善する動きが活発化しています。
DFree株式会社の排泄予測デバイスも、介護業界の業務効率改善のための施策の一つと言えるでしょう。
他にも効率的な診療や介助を叶えるためのオンライン診療、配置の最適化のための人材サービスなども拡大しています。
3.メンタルヘルス問題
メンタルに不調を抱える会社員が増加傾向にあるため、労働力の確保に支障をきたしている問題があります。
適切なストレスチェックの促進や、企業が適切な対処ができるようサポートする事業が必要とされてきました。
株式会社iCAREのCarelyも、社員のストレスチェックや面談記録を一元化、企業の健康経営を促進している側面から、メンタルヘルス問題に着手する事業の一つと言えるでしょう。
ヘルスケアスタートアップが必要とする人材
ヘルスケアスタートアップが特に必要としている人材を紹介します。
それぞれの企業のニーズやビジネスモデルに応じて求める人物は変わります。
しかし、ヘルスケアスタートアップでは、デジタルヘルスやバイオテクノロジー、健康管理アプリ、リモート診療プラットフォームなどのサービスを展開していることが多く、医療分野もしくはITに関連するスキルが活かしやすい特徴があります。
スタートアップでは多くの職種で複数の役割を兼ねる場合もありますが、特に需要の高い職種として参考にしてみてください。
ヘルスケアスタートアップが必要としているのは、主に以下の4つの人材です。
- 1. ソフトウェアエンジニア
- 2. データサイエンティスト/データアナリスト
- 3. 医療専門職
- 4. カスタマーサクセス
どのような場面で必要とされているのか、詳しく解説していきます。
1.ソフトウェアエンジニア
ヘルスケアスタートアップではソフトウェアエンジニアが必要とされやすくなっています。
医療領域において業務改善のための新しいアプリやプラットフォームの導入が求められており、根幹となるソフトウェア開発のスキルが求められているためです。
フルスタックエンジニア、バックエンドエンジニア、フロントエンドエンジニア、モバイルアプリエンジニア等は活躍しやすいでしょう。
開発言語としては、Python、JavaScript、Ruby、Java、Swiftなどを使用する傾向があります。
ITエンジニアへの転職における自己PRが知りたい方は、以下の記事をご覧ください。アピールする強み別に自己PRの例文を紹介しています。
合わせて読みたい:【コピペ可】未経験ITエンジニアの自己PRの例文!内定率を上げる!
2.データサイエンティスト/データアナリスト
ヘルスケアスタートアップではデータサイエンティストやデータアナリストなど、健康データの解析、機械学習モデルの構築、予測分析ができる方が必要とされやすくなっています。
新しいソフトウェアの運用において膨大な患者データと医療知識を統合させながら管理する必要があるため、データ活用の経験がある方は即戦力として求められやすくなっています。
必要なスキルとしては、Python、R、SQL、機械学習、データビジュアライゼーションなどが挙げられます。
3.医療専門職
医療業界の知識を持つ医療専門職も必要とされています。
ヘルスケア領域で新しい事業を行うにあたり、医療領域の知識があること、またこれまでの業界の動向を当事者として知っていることは非常に重要な情報となります。
いずれも専門資格や実務経験が必要ですが、医師、看護師、薬剤師、ヘルスコーチ等は需要の高い代表的な職種となっています。
4.カスタマーサクセス
ヘルスケアスタートアップではカスタマーサクセス職の経験者も重宝されやすいです。
顧客からの問い合わせ対応や顧客の健康管理などに対し、助言や提案を行う役割が必要となるためです。
医療業界の知識については別途インプットが必要ですが、カスタマーサクセスは文字通り「顧客を成功させるために伴走する」ことが重要なポジションです。
組織が新システムを導入して新しい環境を模索するにあたり、顧客に寄り添い伴走する姿勢はヘルスケア領域にも求められるスキルと言えるでしょう。
カスタマーサクセスへの転職における自己PRが知りたい方は、以下の記事をご覧ください。アピールする強み別に自己PRの例文を紹介しています。
合わせて読みたい:【コピペ可】注目度アップ!カスタマーサクセスの自己PR例文!
魅力的なスタートアップに出逢いたい方へ
ヘルスケア業界をはじめとして、重大な社会課題に取り組もうとするスタートアップは数多くあります。
政府がスタートアップ支援に力を入れている今こそ、さまざまな新しい取り組みに携われるチャンスと言えるでしょう。
そんなスタートアップで働く人も魅力的で、関わればたくさんの良い出会いがあるはずです。
moovyでは厳選したスタートアップを30秒の短い動画で紹介しています。
動画であれば文字だけでは表せない幅広い情報収集が可能になり、幅広い魅力に気づきやすくなります。
多くのスタートアップの取り組みを知って、ぜひ自分に合った企業や人に出会ってみてください。
- 今林 智宏
- 国立大学を卒業後、大手サービス企業に入社し、店長を歴任。チームマネジメントやマーケティング業務を経験。在籍中は、現場社員として数多くの学生・転職者の面接官も行う。退職後、スタートアップ企業にて、フロントエンドのシステム開発に加え、カスタマーサクセスやマーケティングを担当し、企業の採用や広告支援に関わる。
この記事を書いた人
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会社名 | 株式会社moovy |
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代表 | 三嶋 弘哉 |
設立 | 2020年4月13日 |
住所 | 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目18−3 プレミア道玄坂ビル8階 |
メールアドレス | moovy_support@moovy.co.jp |
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