出戻り転職は恥ずかしい?失敗しないためのポイントを徹底解説!
# 転職で失敗しないために
「出戻り転職」、その言葉のイメージからどこか恥ずかしいことのように感じてしまう人もいるはず。
実は人によっては、とても有効なキャリア形成手段です。
そして、出戻り転職を考えていない人にとっても現職での働き方や将来の選択肢を増やすという観点で知ってほしいポイントも多く含まれるテーマといえます。
出戻りするしないに関わらず、ビジネスパーソンにとって知っておいて損ではない情報となるよう出戻り転職を徹底解説しました。
ぜひ最後までご覧ください!
この記事を読んでわかること
- 出戻り転職が注目されている背景がわかる
- 出戻り転職のメリット、デメリットがわかる
- 出戻り転職で成功する人、失敗する人の特徴がわかる
- 出戻り転職するための方法がわかる

出戻り転職とは?

出戻り転職、それは以前勤めていて自ら退職した企業へ転職することです。
実は、従来から会社の制度(例:カムバック制度、ジョブリターン制度、復職制度)として、一部の企業では導入・仕組み化されていました。
ただ、これらは育児や介護、配偶者の転勤などに伴い「やむを得ず」退職した従業員にフォーカスを当てたものが多く、自らの意思でより良い環境・仕事・待遇を求めて他社へ転職した人向けのものは多くはありませんでした。
しかし、近年は後者も含め、その企業の退職者・離職者である元社員らを卒業生・同窓生という意味のある「アルムナイ」と表現し、採用・転職シーンにおいて注目されています。
出戻り転職が注目されている理由
注目される出戻り転職とはいえ、少し特殊な手法であるため転職・採用経路としてはまだまだメジャーとは言えません。
調査によって異なりますが、概ね正社員転職において出戻り転職をしたことがある人の割合は10%前後。
しかし、その注目度が高まるのはなぜなのでしょうか。
その背景を転職労働市場、人材の価値観、企業の動き等3つの観点で解説します。
1.労働人口の減少
労働人口の減少に伴い、正社員人材の慢性的な不足状況に各企業は悩まされています。
株式会社帝国データバンクが2024年7月に行った調査では、正社員不足を感じている企業は5割を超え、経時的に見た際には高止まり傾向が続いているとされています。
【出典】株式会社帝国データバンク | TDB Business View:人手不足に対する企業の動向調査(2024 年 7 月)
このような状況で、自社のカルチャーに馴染んでいた人材、ビジネスモデルや課題をよく理解していた人材、実績を残していた人材からの応募があれば願ってもないチャンスと捉える企業も少なくはないでしょう。
2.人材の価値観の変化
キャリア形成の考え方や就業観、企業と労働者との関係性が変わり始めていることも影響しています。
株式会社ハッカズークが2024年に行った調査によれば、退職した企業とのつながりを持ちたいかについては、20代・30代の回答ではほぼ半分に近い割合の方がポジティブな反応を示しています。
【出典】株式会社ハッカズーク | 2024年最新版 アルムナイと再入社に対する認識調査
なお、別設問ではそのつながりに対する期待は「求人や業務委託に関する情報発信」が最も多い割合となっていました。
退職しても企業とゆるやかな繋がりを保つことがビジネスパーソンとして当たり前になっていくのかもしれません。
ゆるやかな繋がりを保つためには退職する際の辞め方は重要です。
円満退職することがその後の良好な関係を保つために必要です。
円満退職するためのコツや必要なことを詳しく知りたい方は以下の記事をぜひご覧ください。
3.人材採用手法の多様化
株式会社マイナビが2024年に行った調査では、アルムナイ採用(出戻り人材採用)を現在実施している企業は40.9%とされています。
人材不足が顕著なIT関連業界や従来より退職を卒業と表現することの多い人材業界では、他業界に先んじて採用手法として確立していました。
しかし、昨今では様々な業界で出戻り人材採用やアルムナイネットワークを仕組み化しようとする動きが増えているということでしょう。
出戻り転職のメリット

それでは出戻り転職にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
採用企業、転職希望者それぞれの立場から説明します。
採用企業にとってのメリット
やはり企業文化や会社・部署の雰囲気に馴染みやすいのは大きなポイントです。
採用活動において面接という限られた時間の中で、この点のフィット感を見極めることは長年採用に携わっている人事でもなかなか難しいものです。
また、その人材の在職時の働きぶりや実績などが標準評価以上であれば、即戦力として活躍してもらえる可能性があります。
在職時のことを知っている元上司や同僚もいれば、当時の周囲からの働きぶりや人物的な評価も第三者から把握することができ、採用企業にとっては安心材料になります。
また、近年ではビジネス環境の変化に伴い事業改革、業務改善を進める企業も少なくありません。
他業界・他社や他職種での就業によって経験値がアップしていたり、新たなスキル・知識を習得している場合はさらに魅力的な人材と映るケースもあるでしょう。
転職希望者にとってのメリット
通常の転職では、企業文化や雰囲気は入社してみないとわからず、すべての人間関係をゼロベースから構築していく必要があります。
この点、転職というのは常にミスマッチの可能性をゼロにはできません。
その可能性を低減できる、むしろ馴染みやすいケースもあるというのは人生の大きな岐路ともいえる転職にとって大きなポイントでしょう。
また、出戻り転職の場合、元上司や当時の先輩・同僚とのポジティブな人間関係やアルムナイネットワークとのやりとりからきっかけが生まれることも多く、彼らが推薦者のような立場になってくれたり、選考プロセスを短縮してくれるケースがあります。
これは再入社後でないとわかりませんが、退職後に得た自分の経験・知識・スキルで会社や部署の課題に寄与できると、出戻りとはいえ人事評価や昇進昇格において大きなアドバンテージになる可能性もあります。
では、どんなスキルを身につけておけばいいのか。
これは一概には言えませんので、どんな経験をすればこんなスキルが身につくというイメージを持って転職先を選ぶと良いでしょう。
以下の記事ではベンチャー企業に転職したら身につくスキルを詳しく解説しています。
出戻り転職のデメリット

次はそれぞれのデメリットをみてみましょう。
採用企業にとってのデメリット
あまり大きなデメリットはないと考えます。
但し、出戻り人材を受け入れるにあたって留意しておかなければならないポイントがあります。
(転職希望者側の立場でも知っておくべきなので紹介します)
それは、再入社時の役職や給与の扱いです。
いくら過去に在籍していて人物・働きぶり・実績等の評価が高くても既存社員とのバランスには考慮するべきです。
比較的規模感のある会社であれば賃金テーブルや等級・役職制度が整っており、きちんと社内規則や運用ルールの範疇で処遇設計が行われるケースが多いです。
しかし、ベンチャー企業や中小企業はこのあたりの制度・ルールの整備が不十分であるため、気付いたら既存社員で活躍している人よりも優遇してしまった、いきなり管理職同等の水準で受け入れてしまった等が起こりえます。
このようになってしまうとその既存社員のモチベーションやエンゲージメントが低下したり、退職理由に最悪繋がってしまうこともあります。
出戻り人材採用は秩序のある運用が重要です。
転職希望者にとってのデメリット
転職者にとっては以下のようなデメリットが考えられます。
- ・必ずしも在籍時の処遇・条件が担保されない
- ・会社の雰囲気や業務の進め方などの変遷
- ・出戻りに対してネガティブな印象を持っている人が一定数いる
前述と関連し、必ずしも在籍時の処遇条件が担保されるわけではありません。
もちろん当時よりも好条件のオファーもあり得ますが、退職してかなりの年数経過していて当時の評価の信憑性や妥当性が弱まっていたり、親和性が低い業界・職種で過ごした期間が長い場合などは処遇設計に際して、その点を考慮される可能性があります。
現在在籍している業界・企業と出戻り先の給与レンジが乖離している場合も同様です。
会社の変遷にも注意したいものです。
業界によっては変化スピードが速く、数年で懇意にしていた社員が辞め自分が知らない社員が大幅に増えていたり、求められる能力・資質も変わっていたりということも往々にしてあります。
そのため、しっかり情報収集しておかないと再度ミスマッチが生じてしまいます。
また、一度は退職したわけなので、出戻りを好奇な目で捉える社員や、当時を知っている社員や貴方が退職後に入社して活躍している社員の中にはネガティブな印象を持っている人も中にはいます。
恥ずかしい、悪目立ちするのではない…かと人の目を気にしすぎてしまうタイプの方は選考時~再入社間もない間にそれが知らず知らずに滲み出てしまい「素直さが足りない」「知っている人とばかりつるんでいるよね」といった評価を受けてしまうおそれがあります。
採用動画で新しく入った社員などのインタビュー動画などがないかもチェックしてみましょう。
採用動画moovyは社員のインタビュー動画を多数掲載しているプラットフォーム。出戻り転職時の社内の雰囲気を知るためにも大いに役立ちます。
出戻り転職の方法・経路4選

他社を経験したことで以前の会社の良さに気づいたり、新天地に移ったもののなんらかのミスマッチからやはり前いた会社に戻りたいと感じたり、出戻り転職に至るきっかけは人それぞれです。
また、前いた会社に戻りたいと思っても「どうやって戻ればいいか分からない」という方もいらっしゃると思います。
そこでここでは出戻り転職の方法・経路を4つ紹介します。
- 1.元上司や元同僚経由
- 2.アルムナイネットワーク経由
- 3.転職エージェント経由
- 4.自己応募
1.元上司や元同僚経由
最もメジャーなのは元上司や同僚から声が掛かる、あるいは自身から相談・依頼するといったパターンです。
在職時から人間関係が良く、退職を引き留められるも最後には応援してくれて送り出してもらったような形で辞めていれば、退職後も関係・交流は続くものです。
話題もお互いの会社や仕事の話に転じやすく、「ぜひ話を進めたい」と答えれば彼らも社内に働きかけ、その退職者に合う部署や求人募集がないか「個人にフォーカスを当てポジションをサーチ」してくれる動きが多いです。
但し、このパターンで注意しないといけないことがあります。
それは、オファー提示までたどり着いたにも変わらず辞退をしてしまうと、きっかけになってくれた人やその会社の採用関係者の顔に泥を塗るということ。
二度とそういったチャンスは訪れず、そもそもの人間関係もそこで終わってしまうこともあります。
2.アルムナイネットワーク経由
元上司や元同僚との日常的な関係性が弱い場合、退職後に個人が辞めた会社とつながり続けるというのは簡単ではありません。
そこで、会社が退職者・在職者とのネットワーク(アルムナイネットワーク)を形成し、懇親会や勉強会のようなイベントの実施、専用SNSの開設・運用など人事・採用窓口への導線を仕組み化しているのがこのパターンです。
○○会社のOB・OG会、卒業生の集まりといったカジュアルな有志コミュニティに退職者らと仲の良い在職者が参加し、結果的にネットワークとして発展していくこともあります。
あるメガバンクの採用サイトでは、よくある新卒採用・中途採用といった間口だけではなく、会社としてオフィシャルに登録制のアルムナイネットワークを開設し、「アルムナイ採用」というエントリー枠を用意しています。
なお、このパターンは「現在募集していたり、困っている具体的な求人ポジションがリストアップ・可視化」されているケースが多く、その場合は出戻りしたい退職者個人からみると求人へ応募という転職活動らしさがあります。
3.転職エージェント経由
実は転職エージェント(人材紹介会社経由)でも出戻り転職は可能です。
但し、元上司や元同僚経由やアルムナイネットワーク経由と比べると難易度は高くなります。
理由は2つあります。
ひとつは、通常出戻り人材は元上司や同僚等を介して話題に挙がってくるケース。
これは人事からすれば「なぜエージェントからなの?誰かに相談できる、声をかけてもらえる良好な関係をもっていないの?」と勘繰られやすくなるためです。
ふたつめは、採用決定の際にエージェントフィー(紹介手数料)という高額な採用費が発生してしまう点です。
基本的に出戻り人材採用はコストがかからない(あるいは低い)採用手法です。
高額な採用費が生じるのであれば、転職市場からより良い人材を採用したいという意識が働いてしまいます。
もちろん、どうしても既知の社員がほとんど退職してしまったり、アルムナイネットワークが整備されていない会社であればエージェント経由は有効な手段です。
ただし、前述の2点から、確度が担当コンサルタントの提案・交渉力次第となってしまう点には留意したいものです。
4.自己応募
出戻り転職においてはあまり有効な手段にはならないかもしれません。
その会社の採用ホームページや求人サイトの掲載求人へ自己応募するわけですが、そのタイミングで自身の経験・スキルがフィットするポジションが出ていない可能性もあります。
また、これらの経路は誰でも応募できてしまうため、会社・求人によりますが大量の応募者が集まります。
そのため、人事は一人一人の応募内容やメッセージ、経歴を開封して確認するという作業はせず、何らかの基準で一気にスクリーニングをかけてしまうことが多く、自身の応募履歴が埋もれてしまいやすくなります。
また、これらチェックをするのは若手採用担当者が任されていたり、昨今では採用代行業者の外部リクルーターが対応していたりするケースもあるため、自身が元在籍者・出戻り人材であるということに気づいてもらうことが難しいでしょう。
転職サイトや転職エージェントはいっぱいありすぎて、何を使ったらいいか分からない!という方も多くいます。
以下の記事では、「ベンチャーに強い転職サイト、転職エージェント」を紹介しています。
気になる方はぜひご覧ください。
出戻り転職で成功する人と失敗する人の特徴

転職はあくまで新たなスタート地点に立つことです。
出戻り転職によって状況が好転する、成功する可能性のある人とそうでない人の違いを以下にまとめます。
成功する人の特徴
企業文化・会社の雰囲気などはマッチしていたという前提で以下のような人は出戻り転職に成功しやすいでしょう。
- ・自身のキャリアビジョンのために前向きな転職をした人
- ・家庭の事情などでやむを得ず退職という選択肢しかなかった人
- ・辞める際に丁寧な引き継ぎや挨拶を行っていった人
「立つ鳥跡を濁さず」はよく言われますが、出戻り転職の場合は極めて重要なポイントです。
そのうえで、退職後そこまで年数が経過していない(長くとも3~5年以内)のであれば、当時の働きぶりや実績がそれなりに評価されているとプラスに働くでしょう。
退職後やや年数が経過してきた場合でも、既存社員が持っていないスキル・知識の習得、競合他社や隣接領域の会社で経験等があると興味を持ってもらえる可能性が高まります。
失敗する人の特徴
以下のような方は出戻り転職は慎重に検討した方が良いでしょう。
- ・退職理由が企業文化、会社の雰囲気、人間関係に起因するものだった人
- ・辞める際にさまざまな方面に迷惑をかけて辞めていった人
これらは価値観にあたるものであり、そう簡単に変わるものではないため、退職を考えた当時と同じような状態・心境になる可能性が高いです。
なお、会社方針・事業方針・部署方針などはあくまで戦略や計画なので、社内外のビジネス環境を踏まえ年単位で移り変わるものです。
もし自身が興味を持てる、ポジティブに捉えることができる方向に進んでいるのであれば前向きに検討してもよいかもしれません。
出戻り転職が気になるあなたへ

ここまでご覧になった方は気付いたかもしれませんが、行動を起こすにも意思決定するにも通常の転職活動以上に出戻り転職は「情報収集」が重要となります。
出戻り転職に向けて既に動いている方、選択肢のひとつとしたいと考えている方は、その以前にいた会社のみにフォーカスを当ててしまいがちです。
ある程度狙いが定まっているからこそ、他の会社のことも知る機会を設けるとより自身の大事にしている価値観やキャリアビジョンの輪郭が明確になるでしょう。
しかし、それだけのためにやみくもにいろいろな企業に応募するのは避けたいはず。
また、そもそも転職活動をするかどうか検討中といった方も、今回のテーマは重要です。
きちんと自身の考え方や価値観とフィットする企業文化や雰囲気を有する企業を選ぶということが、将来の選択肢に影響を与えます。
その一例が出戻り転職です。
そこで、ぜひ皆さんに活用いただきたいのが、採用動画メディア・求人情報・スカウトサービスが一体となっているプラットフォーム ”moovy”です。
moovyでは、いろいろな会社の企業文化・理念・社内の雰囲気が伝わる動画コンテンツが豊富に掲載されています。
スマホで見やすい縦長動画で、スキマ時間に視聴しやすい30秒~1分程度のショート動画が多いことが特徴です。
ぜひ転職活動のお供に moovyを試してみてください。

- 船﨑 亮
- 大学卒業後、医薬品業界にて専門職に従事したのちHR領域へ転身。大手人材会社の人材紹介部門にて、法人の中途採用支援と求職者の転職支援に両面コンサルタントとして従事、組織マネジメントも担う。その後、プライム上場製薬企業に採用人事として参画、新卒・中途・オンボーディングなど採用業務全般を担う。2024年、人事・採用支援のPG-Dept.を開業し独立。
この記事を書いた人
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会社名 | 株式会社moovy |
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代表 | 三嶋 弘哉 |
設立 | 2020年4月13日 |
住所 | 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目18−3 プレミア道玄坂ビル8階 |
メールアドレス | moovy_support@moovy.co.jp |
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