ハローワークを転職活動でフル活用する方法!メリットデメリットや併用事例を解説
# 企業の選び方
転職活動を始めたら、皆さんはまず何をしますか?
恐らく、転職サイトやエージェントなどの転職支援サービスに登録をするのではないでしょうか。
現在は多くの転職支援サービスがあり、いくつかのサービスに登録をすると思いますが、その中にハローワークも加えてはいかがでしょうか。
転職サイト、エージェント、ハローワークには、それぞれ特徴があり、うまく併用しながら活用すると、転職活動が円滑に進みます。
そこで当記事では転職におけるハローワーク活用方法をお伝えします。
求職者としてハローワークを活用して転職した経験と、採用担当としてハローワークに求人を出して採用に行った経験がある筆者が両方の見解を踏まえ、お伝えします。
この記事のまとめ
- ハローワークは転職活動に活用できる
- ハローワークは国が無償で雇用(転職)に関する支援を行っている
- 活用するメリット3点!豊富な求人数、キャリア相談、セミナー
- 活用の注意点は2つ!求人の情報量、来所が必要
- 転職サイト、エージェントと併用してハローワークを活用するのがおすすめ!

ハローワークは転職活動で活用できるのか?

「ハローワークは転職活動に活用できるのか?」という疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
結論として、ハローワークは転職活動に活用できます!
私自身、ハローワークで公開していた求人へ応募し、2回転職をしています。
採用担当としても、ハローワークで求人を公開し、採用に至った経験もあるので、自信をもってハローワークは転職活動に活用できると考えています。
また、ハローワークは求人応募だけではなく、キャリア相談や転職活動で役立つセミナーなども実施しているので、求人応募以外でも活用できる点がメリットです。
ではまずはハローワークとは何かを紹介します。その後、転職活動においての活用方法などを詳しく解説します。
ハローワークとは

厚生労働省がまとめた「公共職業安定所(ハローワーク)の主な取組と実績」より抜粋すると、ハローワークについて以下の記載があります。
- ・国が無償で支援を行う雇用のセーフティネットの中心的役割を担うもの
- ・「職業紹介」、「雇用保険」、「雇用対策(企業指導・支援)」の3業務を一体的に実施
出典:公共職業安定所(ハローワーク)の 主な取組と実績|厚生労働省
これは国が求職者(仕事を探している人)と求人企業(募集を行う企業)に対し、就職・転職や雇用に関する支援を無償で行うことを意味しています。
「職業紹介」では求人の公開、応募受付、キャリア相談、各種セミナーなどを実施しています。
雇用保険に関しては、求職者にとって主に関係するのは、失業中に受給できる失業給付(失業保険)でしょう。
今回は職業紹介について、主に求職者の視点からを、求人企業視点も交えながら解説していきます。
企業視点:ハローワークに求人を行う理由
転職サイトやエージェントなど、様々な求人掲載サービスがある中で、企業がハローワークに求人を公開する理由は大きく2つあります。
- 1. 採用費用が不要
- 2.採用枠は少ないが、人気の求人を募集する場合
採用費用が不要なのは冒頭でお伝えした通り、無償で職業紹介業務を行っているためです。
転職サイト、エージェントを利用すると求人掲載費、採用成功報酬などが発生します。
採用費を抑えるために、ハローワークに求人を公開することはよくあります。
予算を確保しにくい、立ち上げ間もないベンチャー企業なども、ハローワークで募集をしているケースが多い印象です。
また、「採用枠は少ないが、人気の求人」というのは、応募は多いが採用人数は1人など、といった求人です。
主に総務、経理、人事などのコーポレート部門がこちらに該当してくると思います。
私も採用担当として、コーポレート部門の求人を行う際は、迷わずハローワークを活用します。
採用予算を抑えたい場合も同様に、ハローワークを活用していました。
職業紹介でハローワークを活用するには
ここからは、求職者の視点で、ハローワークで転職支援を受けるために必要な登録方法をお伝えします。
ハローワークで転職支援を受ける場合は、求職申し込み&登録が必要です。
申し込みを行い、ハローワークの利用者登録をすることで、求人応募だけでなく、キャリア相談、セミナーなどの転職支援が受けられます。
申し込みの方法は2つあります。
- <申し込み方法>
- 1. 最寄りのハローワークへ来所しての申し込み
- 2. ハローワークインターネットサービスから申し込み
いずれの方法でも申し込みができますが、インターネットサービスの場合は注意が必要です。
インターネットサービスから、申し込み、登録を行うと、求人応募はできますが、一部機能の制限や相談などの転職支援を受けられません。
ただし、インターネットサービスから登録後に来所して手続きを行えば、インターネットサービスの全機能を活用でき、転職支援も受けられるようになります。
時間を見つけてハローワークへ来所し、手続きすることをおすすめします。
転職活動でハローワークを活用する3つのメリット

ここからは、求人企業の視点を踏まえたうえで、ハローワークを活用するメリットをお伝えしていきます。
転職活動でハローワークを活用するメリットは大きく3つあります。
- <ハローワークを活用するメリット>
- 1. 豊富な求人数
- 2. 転職活動全般やキャリアの相談ができる
- 3. 転職活動に役立つセミナーへ参加できる
特に相談とセミナーは、独自性が高い転職支援だと思うので、かなりおすすめです。 それでは詳しく、3つのメリットを解説していきます。
メリット1.豊富な求人数
「ハローワークの求人数は少ないのでは?」と思われる方が多いのですが、実は非常に豊富で、令和5年の新規求人数は以下の通りです。
- <令和5年 新規求人数>
- 1027.5万件
1年間で約1000万件以上の求人を受け付けており、知名度の高い某転職サイトやエージェントと、同程度だと思います。
恐らく、求人企業の考えとしては、費用が発生しないため、ハローワークへ求人を出していると思います。
そのため、転職活動を行うにあたっては、転職サイトやエージェントのみではなく、ハローワークでも求人応募することをおすすめします。
特に先ほどお伝えしたコーポレート部門のように、人気はあるが募集人数が少ない求人は、ハローワークに出ていることが多いのです。
それらの職種への転職を考えている方は、ハローワークで求人検索をしてはいかがでしょうか。
メリット2.キャリア相談ができる
個人的に一番メリットを感じているのは、キャリア相談です。
私自身、ハローワークを活用して転職活動をしていた際に、転職活動の進め方などを相談したり、悩んでいる時に背中を押してもらったので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
ハローワークで職業紹介に従事している方の多くは、国家資格であるキャリアコンサルタントや産業カウンセラーの資格を有しています。
実際に私のキャリアコンサルタント仲間もハローワークで仕事をしていたり、ハローワークで勤務する仕事の求人には、必須要件へキャリア関連資格の記載がありました。
そのため、転職活動はもちろんのこと、転職をするか悩んでいる、といったキャリアについてなども相談することが出来ます。
転職活動やキャリアの相談は、経験や知識、専門性が必要になります。 そのため、豊富な経験と専門知識を持った、キャリア資格の保有者が対応していくれるのは、安心できます。
キャリア相談は転職エージェントにも可能ですが、転職エージェントは転職させて利益を得られるサービスなので、転職前提の相談になる点には注意が必要です。
また、キャリア関連の資格を有していない方が対応することもあるなど、エージェントの質にもムラがある点はデメリットです。
また他にもおすすめのキャリアや転職の相談先を知りたい方は、以下の記事でまとめていますので、ぜひご確認ください。
メリット3.転職活動に役立つセミナーの実施
応募書類の書き方、面接対策といったセミナーを開催しているので、時間に余裕があれば参加することをおすすめします。
私も転職活動中に応募書類の書き方、面接対策といったセミナーに参加しました。
応募書類や面接は応募企業からフィードバックを得ることが難しいので、セミナーへ参加してポイントを把握し、ブラッシュアップしていくことをおすすめします。
セミナーによっては、ただ教えるだけではなく、実際に職務経歴書を作成したり、面接のロールプレイを行うので、様々な気づきを得られ、勉強になります。
応募書類や面接対策などを行いたい場合は以下の記事もおすすめです。
ハローワークを活用する際の注意点

ここまでは、ハローワークのメリットをお伝えしてきました。
メリットもありますが、ハローワークは活用する上での注意点がいくつかあるのでお伝えします。
注意点を把握したうえで、ハローワークをうまく活用してください。
- 1. 求人内容は情報量が少なく、足りない点は自分で探す必要がある
- 2. 相談やセミナーは来所が必要
また、転職活動における注意点やポイントも合わせて確認しておきましょう。
以下の記事では、転職に失敗しないためにやるべき準備を、元転職エージェントのアドバイスと共にまとめています。ぜひ参考にしてください。
それでは、ハローワークを活用する際の注意点を1つずつお伝えします。
注意1.求人内容は情報量が少なく、足りない点は自分で探す必要がある
求人内容の情報量は非常に少なく、求人票の情報量だけでは応募を迷うことが多いです。
私自身、求職者としてハローワークを活用していた時に感じていました。
求人の情報量は文字数に制限があり、仕事内容も概要が中心で、会社の紹介も限られます。
ハローワークの求人は労働条件、仕事内容が中心と考え、会社についてより詳しく知るためには、企業ホームページなどで情報を収集する必要があります。
求人の情報量という観点では転職サイト、エージェントの方が豊富で、特に転職サイトの情報量は充実しています。
また、ハローワークでは求人を自分で探す必要があり、条件を伝えれば紹介をしてくれるということはありません。
転職サイトであればスカウトやマッチング機能、エージェントであれば条件を伝えることでマッチする求人を紹介してくれます。
ハローワークでの求人探しは、自分が主体的に動く必要があることに注意をしてください。
転職のミスマッチを防ぐためには、職場の雰囲気も事前に調べておくことが重要です。以下のような社員のインタビュー動画などを探してみてください。
注意2.相談やセミナーは来所が必要
メリットでお伝えした相談やセミナーは来所が必要です。
ハローワークの開庁時間は基本的に平日の8:30~17:15となります。
一部のハローワークでは、特定の日に夜間や土曜日も開庁をしていますが、セミナーなどは平日に開催されることが多いです。
尚、セミナーはWebでも開催していますが、開催数はかなり限られるようです。
そのため、在職中などで平日の日中に時間の確保が難しい場合は、インターネットサービスの活用が中心となり、ハローワークの転職支援を全て活用するのは難しいと思います。
エージェントであれば、相談は電話やWebなどで対応可能であり、調整が出来れば夜間や土日でも対応してくれます。
セミナーは転職サイトやエージェント主催の場合、土日やWebでの開催もあるので、参加はしやすくなると思います。
そのため、来所が必要な転職支援を活用する場合は、ハローワークにあわせたスケジューリングが必要になるので、注意してください。
転職活動におけるハローワーク活用法3選

メリット、注意点を踏まえて、ここからハローワークの具体的な活用方法をご紹介します。ただし、来所の必要性を考慮すると、在職中と退職済では、やや利用方法に違いが生じます。
- <活用イメージ>
- ・在職中:インターネットサービスで求人応募
- ・退職済:求人応募、相談、セミナーをフル活用
これらを念頭において、ハローワークの活用方法を3つ提案していきます。
- 1. ハローワーク、転職サイト、エージェントは併用する
- 2. キャリアの悩みを相談する
- 3. セミナーで転職活動の準備をする
それぞれ詳しく説明していきます。
1.ハローワーク、転職サイト、エージェントは併用する
ハローワーク、転職サイト、エージェントは併用することをおすすめします。
求人応募を考えた場合、ハローワーク、転職サイト、エージェントのいずれかにしか出ていない求人もあるので、複数登録をしておきましょう。
求人以外で考えると、ハローワークはキャリア相談や転職活動のアドバイス、転職サイトは企業研究、エージェントは企業研究と選考対策など、といった具合に活用方法を分けるのもポイントです。
イメージとしては、転職サイトをメインに求人の応募を行い、面接対策の相談やセミナーでハローワークを活用するといった具合です。
ハローワークは、転職サイトで応募した場合であっても相談できるのがポイントです。
エージェントの場合は、求人応募と相談を行えますが、応募した求人でないと、相談できない可能性があるので、注意してください。
以下の記事でおすすめの転職サイト・エージェントを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
2.キャリアの悩みを相談する
転職サイトやエージェントをメインに活用して、何かあればハローワークに相談することもおすすめです。
転職活動を進めていく中で「転職しない方がいいかも」、「転職活動の方向性が分からなくなった」といった時には、ハローワークで相談をしてください。
ハローワークは、ハローワークの求人以外のことでも相談できるので、困った時の相談先にするといいかと思います。
繰り返しになりますが、ハローワークでは経験豊富なキャリア資格の保有者が、相談に対応してくれるので、相談をハローワークで行うメリットは大きいです。
3.セミナーで転職活動の準備をする
初めて職務経歴書を作成する、面接対策をしたい、転職活動は何から始めればいいかわからない、といった場合にはハローワークのセミナーを活用しましょう。
セミナーで転職活動に必要なことを把握し、準備を整えて転職活動を進めていくというイメージです。
特に初めての転職であれば、何から始めればいいか分からないと思うので、転職活動の始め方などのセミナーがあれば、参加して準備を行うのもいいかもしれません。
また、セミナー以外にも企業を招いて、合同説明会や業界・仕事内容理解のイベントも開催しています。
イベントから転職先を見つけることもできるので、タイミングが合えば参加することをおすすめします。
まとめ:ハローワークも併用して転職活動を充実させる

この記事をまとめると
- ・ハローワークは転職活動に活用できる
- ・豊富な求人数、相談、セミナーなどのメリットがある
- ・求人の情報量が少ない、来所が必要といった注意点がある
- ・転職サイト、エージェントとハローワークは併用する
転職サイト、エージェント、ハローワークには、それぞれメリットと注意点があり、併用することで転職活動が進めやすくなります。
例えば、転職サイト1つだけに登録して転職活動を行うと、求人数も限られてしまい、転職活動がうまくいかない、ということになりかねません。
ただし、いくつも転職サイトやエージェントに登録してしまい、自分でも活用しきれないという状況にならないよう、注意してください。
また、転職サイトについては、採用動画メディアmoovyを参考にしてみてはいかがでしょうか?
moovyは採用動画数が多く、テキストでは伝えることの難しい、会社や社員の雰囲気を感じ取れます。
ハローワークで見つけた求人の企業研究をするということでも、活用できると思います。
最後になりますが、この記事が転職サイトやエージェントと併用して、ハローワークを活用するイメージに繋がれば幸いです。

- 堀内 隆治
- ITを中心に技術者派遣、保育、税理士といった様々な業界で採用(新卒・中途)業務に従事。採用計画から選考、クロージングと、一連の採用業務を経験。キャリアコンサルタント資格を活かし、キャリア相談を通して、キャリア支援も行う。現在はフリーランスの人事コンサルタントとして活動中。
この記事を書いた人
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会社名 | 株式会社moovy |
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代表 | 三嶋 弘哉 |
設立 | 2020年4月13日 |
住所 | 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目18−3 プレミア道玄坂ビル8階 |
メールアドレス | moovy_support@moovy.co.jp |
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