コンサルの将来性はある?身につくスキルとキャリアプランを考察
# コンサル # 職種の選び方
近年、コンサルタントは若い世代から人気を集めている職種の一つです。就職活動に意欲的な学生のなかにもコンサルティング業界を志す学生は少なくありません。
しかし、さまざまな職業がAIやITの影響を受けている昨今、コンサルタントとして働くことについて将来性を不安に思う人は少なくないはずです。
あるいは、コンサルタントという職種に対し、働き方やエンドユーザーが見えないことに、何気なくミスマッチを感じている人もいるでしょう。
そこで本記事では、コンサルタントの将来性やキャリアプランなどについて解説します。あわせて、コンサルタントの魅力も紹介します。
- コンサルタントのニーズは今後も続くことが予想される。しかし、将来性がないと言われることも。
- 顧客がコンサルタントに求めるソリューションの範囲が拡大し、更にテクノロジーの進化やコンサルタントの一般化が進んでいる。
- AIなどのITや顧客の社内にいるコンサル経験者に代替されないコンサルタントとして、専門性の高さや幅、情報のアップデートが求められている。
- コンサルタント以外にも、成長できる環境はあり、ベンチャーなどが転職先として人気。コンサルファームにいると、異業界へ転職した先輩なども多くいるため、人脈を活用しながら、新たなチャレンジをする人もいる。
この記事のまとめ
コンサルタントに将来性はある?
コンサルタントには将来性があるのか疑問を抱えている人は多いはずです。結論から言うと、「将来性はある」と言えます。
一方で、「将来性はない」と言われることもあるようです。変化の激しいこの世の中。将来性を見通す際には両方の意見があるのは当然のこと。
これまでのコンサルタントのあり方が変わってきているため、コンサルタントとしての意識も変えていく必要があります。
では、具体的にコンサルタントに将来性があるといわれる理由とないといわれる理由をそれぞれ見ていきましょう。
コンサルタントに将来性が「ある」といわれる理由
世の中が大きく移り変わろうとしている昨今、コンサルタントの力は多くの企業で必要とされています。コンサルタントに将来性があるといわれる理由は大きく下記の2つです。
- ・経営視点・グローバル視点でものごとを考える習慣・論理性
- ・企業のIT化
1.経営視点・グローバル視点でものごとを考える習慣・論理性
近年、日本企業の多くが海外進出を検討しています。日本企業が海外進出を目指す理由はさまざまですが、コスト削減などを目的に海外に拠点を置こうと考える企業も多いです。
経営者の多くは海外進出についての知識やノウハウがありません。海外進出で市場を拡大し、成長していくためにはコンサルタントの経営視点でのアドバイスが必要とされています。
新興国への参入にあたりコンサルタントに海外進出のノウハウや法律、規制などを伝授してもらいたいと考える企業は多くあります。
また、ビジネスが複雑化する昨今、企業が存続するためには直感ではなく、データに基づいて経営戦略を立てる必要があります。
コンサルタントの論理的な課題解決力を必要とする企業も少なくありません。
2.企業のIT化
IT技術の発展によってコンサルタントの仕事が少なくなるのでは?と心配する声がある一方、企業のIT化がコンサルタントの仕事を増やしているという見方もできます。
多くの企業は自社にITに関する知識がないため、コンサルタントにIT化DXや事業改革などについての解決策を提案してもらいたいと考えています。
また、社員の業務負担軽減や社内の生産性アップなどといった課題が、システムを活用することで解決するケースも増えています。
コンサルタントにはIT導入による業務改革に関する知識も求められています。
コンサルタントに将来性が「ない」といわれる理由
一方、コンサルタントに将来性がないのでは?と懸念する声もあるようです。コンサルタントに将来性が「ない」といわれる理由を見ていきましょう。
コンサルタントに将来性がないといわれる理由は下記の3つです。
1.インターネットの著しい発展やAIの登場
コンサルタントの仕事として、財務分析やデータ分析は大きなウェイトを占めています。
しかし、AIやBIツールの普及によって各種データ分析は自動化され、コンサルタントが行う必要がなくなるといわれています。
財務分析やデータ分析をシステムで行う企業が増えると、コンサルタントに外注する必要性がなくなってしまうでしょう。
2.コンサルタント業界から他業界に転職する人の増加(コンサルタントの一般化)
近年、コンサルティング業界から他業界に転職する人が増えています。さまざまな業界に精通しているコンサルタントは、他業界でも歓迎される存在です。
しかし、最近では、コンサルティング業界からの転職者が各業界で増えており、自社に元コンサルタントが在籍する企業も増えています。
また、働き方の多様化により、副業やフリーランスのコンサルタントも増えています。安価でも質の高い個人のコンサルティングを受けられることも増えてきています。
そのため、昨今ではコンサルティングをコンサルタント会社に依頼する必要がない企業も増加傾向にあります。
3.絵に描いた餅ではなく、現場への浸透まで顧客から期待されている
コンサルタントの仕事は構想やスキームの提案が一般的でした。そのため、実際のオペレーションにおいては現場任せになることも珍しくありません。
しかし、最近では、コンサルタントがカバーしてこなかった現場業務の改善まで、クライアントから求められることが増えてきています。
クライアントからは、コンサルは「親身ではない」「提案だけして終わり」といったイメージがあり、コンサルタントをよく思っていない企業も増えてきています。
コンサルタントで身に付くスキルや経験
ここまでコンサルタントの将来性について解説してきましたが、最も重要なことは自身のキャリアビジョンを考えた際にどのような影響があるかです。
コンサルタントは身に付くスキルや経験が多くあります。ご自身のキャリアを考えた際にそのスキルや経験がプラスになるかを考えてみましょう。
- 1.ロジカルシンキング能力
- 2.プロジェクトマネジメント能力
- 3.様々な業界知見
- 4.分析力
- 5.提案力
1.ロジカルシンキング能力
ロジカルシンキングとは論理的思考とも呼ばれる思考プロセスの一種で、コンサルタントとして常に鍛えられる能力です。
与えられた情報を分析し、合理的な結論に導くための論理的な推論が必要なため、業務上、必須とも言える能力です。
クライアントとコミュニケーションを取る際にも必須の能力になるため、コンサルタントはほかの業種と比べても飛躍的に伸びやすい能力といえます。
誰もが理解しやすく、説得力のある話し方をすることが求められている職種であるため、ロジカルシンキング能力が身に付くのです。
2.プロジェクトマネジメント能力
コンサルタントは、プロジェクトを効率的に管理し、タイムリーに成果を出す能力が求められます。そのため、業務を通じてスケジュール管理やリソース配分の能力が鍛えられます。
期限や予算が決まっている中で質の良いものを提供できるように進める能力がコンサルタントは求められているため、プロジェクトマネジメント能力が身に付くのです。
3.様々な業界知見
コンサルタントは様々な業種の企業をクライアントに持つことが多く、それぞれの業界知見が必要になります。
コンサルティングする業界や市場に関する豊富な知識があると、クライアントに対してより価値のある提案を行えるため、日々勉強を行うことになります。
結果的に様々な業界知見が得られるのです。
4.分析力
プロジェクトのために市場調査や競合分析を行う経験を通じて、市場動向を把握し、戦略立案に活かす能力が身に付きます。
コンサルタントの強みは業界の理解があり、客観的に分析ができるという立場にあることです。
企業の持つビッグデータを分析し、業界の傾向について掴み改善点を見つけることが求められているため、分析力は必須のスキルです。
5.提案力
クライアントやチームに対してプレゼンテーションを行う機会が多いため、プレゼンテーションスキルや提案力が身に付きます。
クライアントに納得してもらい、それを実行に移してもらうことがコンサルティングでは重要です。
クライアントは高額な対価を払って、コンサルティングを依頼しています。そのため、提案を受け入れるかもシビアな判断となるため、難易度の高い提案になることも多々あります。
このような経験を通じて、提案する際のコツやその根拠となるデータの集め方など提案に必要な能力が総合的に身に付きます。
コンサルタントのキャリアプラン
コンサルタントの将来性はあると言えるが、不安がないわけではありません。
コンサルタントは様々なノウハウを有し、企業経営の分析や事業最適化を行っています。それらの経験から他業種でも十分するスキルや経験があります。
そのため、転職においては、コンサルタント経験はどの業界からも引く手数多です。ここでは、コンサルタントのキャリアプランについて解説します。
コンサルタントの転職先についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
合わせて読みたい:コンサルからの転職先で多いのは?失敗・後悔しないための注意点も!
1.独立/フリーランス
コンサルタント経験者の中には独立して、コンサルタント会社を設立するケースや、フリーランスとして活躍するケースも多くあります。
希少な経験、スキルを有している場合や、多くの人脈を有している場合、他のコンサルタントよりも活躍できる可能性があるため、独立する人が多いようです。
自分の力で会社を経営したり、フリーランスとして、仕事を獲得していくことは、会社員として所属しているよりも大変な分、やりがいや喜びは大きいでしょう。
2.起業
起業はコンサル出身者にとって、すでに身近なキャリアの一つとなっています。
コンサルタントとして培った経営に関する見識や、問題解決能力を活用しつつ、社会的にインパクトのある事業を推進できる魅力があります。
自分自身で経営の意思決定を行うことができ、事業がうまくいけば非常に高い報酬を得ることができる点も魅力的です。
しかし、コンサルタント時代に培ったノウハウや経験と実際の起業家に求められる、スキルなどは大きく違う点には注意が必要です。
コンサル出身者が起業し成功した例は多いですが、その実績を過信してはいけません。
まずは、ベンチャー企業やスタートアップ企業などに転職し、小資本のビジネスを運営する経験を積むことも有力なキャリア設計です。
こちらはコンサル出身で実際に起業した方のインタビュー動画です。起業を少しでも視野に入れている方には、成功者の話は参考になるはずです。起業のイメージを持つためにもぜひご覧ください。
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3.ベンチャー/スタートアップ企業への転職
コンサルタントとして、経験してきたものをこれから成長するベンチャー・スタートアップ企業に活かしたいと考える方も多くいらっしゃいます。
まだまだ企業としての実績がないため、やるべきことは多く、コンサルタントの経験が大いに役立つでしょう。
ベンチャー企業・スタートアップ企業の多くは、社会課題をテクノロジーやプラットフォームの力で解決するような社会的インパクトのある事業展開を志向しています。
そのような社会的意義のある仕事で自身の力を発揮したいと考えるコンサルタント出身者を惹きつけており、有力な転職先となっています。
昨今のベンチャー、スタートアップ企業の資金調達額が潤沢になりつつある環境下で高ポスト、高待遇での受け入れをしている企業も多く、これらの観点からも人気は急上昇しています。
大手企業と比べて個人の裁量権も大きいため、コンサルタントの経験をより活かすには、ベンチャー・スタートアップ企業への転職がおすすめです。
こちらの記事では、コンサルタントからベンチャーへ転職するメリットをより詳しく解説しています。
転職で後悔しないためのポイントも紹介していますので、ベンチャー・スタートアップ企業をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
合わせて読みたい:コンサルからベンチャー転職は実際どう?【結論】ベンチャーは相性良し
4.外資系企業への転職
給与水準の高さとワークライフバランスの良さ、専門領域でのキャリア形成が期待できるのが、最大の魅力。
事業の社会的なインパクトの大きさや、今後の事業成長を鑑みて、グローバルIT企業への転職を目指す人も増えています。
また、ポストコンサルを高いポジションで受け入れる土壌があり、社内の幅広い部門でコンサルタント出身者が活躍している点も魅力的です。
5.PEファンドへの転職
「クライアントに提案したプランの実行に、最後まで責任を持って伴走したい」という望みを持つコンサルタントは少なくありません。
そのため、企業に投資している株主の立場から経営に参画し、長いスパンで抜本的改革を推進できるPEファンドへの転職は、コンサル出身者から人気が高くなっています。
実際の業務としては、投資決定までの期間や投資後の立て直し期間は忙しいものの、事業が軌道に乗ればモニタリング業務が中心となるため、ワークライフバランスは比較的取りやすいでしょう。
コンサル業界から転職を検討しているあなたへ
コンサルタントは業務を通して多様なスキルを培える他、経営視点を身につけることもできます。
また、VUCAと言われる変化の激しい昨今の情勢からも、クライアント企業が抱える悩みも変化し、明確な解がわからない時代が続くことが予想されるするため、コンサルタントの仕事がなくなることはないと考えられます。
将来性があるコンサルタントになるためには、時代のニーズを汲み取り、企業が求めている支援を行えるスキルやノウハウを常にアップデートしなければなりません。
とはいえ、コンサルティング業界で働く人のなかには、転職を検討している人もいるでしょう。
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- 矢野口 聡
- 東京農工大学卒業後、東京大学大学院にてバイオエンジニアリングを専攻。新卒で富士フイルム株式会社入社。ディスプレイ材料研究所にて要素研究から製品開発に従事。地域企業における持続的な発展や、経営課題の解決に取り組みたいという思いから、2020年に地方創生コンサルティングを手がける株式会社グローカルへ転職。
この記事を書いた人
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会社名 | 株式会社moovy |
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代表 | 三嶋 弘哉 |
設立 | 2020年4月13日 |
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