スタートアップの採用課題とは?難易度の高い採用を成功させるポイントを紹介

# スタートアップ # 採用

  • スタートアップ企業のため採用にリソースもコストもかけられない
  • 事業をけん引するコア人材を採用したいが上手くいかない
  • 経営陣に採用経験者がおらず、何から手を付けたら良いのかわからない
  • 短期間で急成長を目指すスタートアップ企業において、採用は非常に重要なミッションです。しかしながら、生産年齢人口の減少に伴い、採用の難易度は年々上昇しています。

    大手企業と比較して労働条件や待遇が劣るスタートアップ企業にとって、即戦力人材を獲得することは非常に難しくなっていると言えます。

    当記事では、スタートアップ企業の採用を成功させるために必要なポイントを様々な観点で紹介します。貴社の採用活動をより良いものにするためにも、当記事を参考にしてみてください。

      この記事のまとめ

    • スタートアップの採用が難しい理由は「低い知名度」「担当者不在」「限られたコスト」「マイナスイメージ」の4つ
    • 選考フローごとに戦略を立てる必要がある
    • 大手企業と同じ条件で戦わずにスタートアップ企業ならではの強みを活かすべき

    スタートアップの採用課題

    スタートアップ企業の採用は大手企業と比べて難しいと言われています。ここではスタートアップ企業の採用課題を4つ紹介します。

    1.知名度が低い

    多くのスタートアップ企業は自社の宣伝にコストをかけることが困難なため、大手企業と比べて知名度が低くなります。

    もちろん、広告宣伝やマーケティングに多額の投資をすれば瞬間的な認知を獲得することは不可能ではありませんが、ビジネスモデルが確立しているとは言い難いスタートアップ企業において、このような投資はギャンブル性が高く、企業の存続が困難になる要因にもなります。

    2.採用担当者の確保が難しい

    採用の経験やノウハウが少ないこともスタートアップ企業の採用課題といえます。採用の専任担当者を置いているスタートアップ企業は非常に珍しく、社長や役員が採用担当を担っているケースも少なくありません。

    しっかりとした採用戦略の立て方がわからず、行き当たりばったりの採用活動を行ってしまうことで機会損失が生まれる可能性があります。

    日々の業務に追われ、採用活動がスムーズに進まず、人材へのフォローが手薄になり、内定までこぎつけた優秀な人材が競合他社に流れてしまっては、元も子もありません。

    3.採用コストが限定的である

    採用担当者の確保が難しい要因のひとつとして、採用にかけられるコストが限定的であることが挙げられます。

    求人広告や転職エージェントなど、採用活動を外注できるサービスは複数ありますが、これらを活用するためには、広告の掲載費や成功報酬の手数料の支払が必要です。

    収益性が確立していないスタートアップ企業では、数十万から数百万のコストを捻出することは簡単ではありません。そのため、スタートアップ企業が取り得る採用手段は絞られてしまいます。

    4.転職希望者がマイナスイメージを持ちやすい

    立ち上がったばかりのスタートアップ企業の多くは、社内の規定が明確に決まっていません。

    待遇や労働時間が定まっていないことから、「ハードワークなのではないか」と転職希望者がマイナスのイメージを持つ可能性は高いといえます。

    また、スタートアップ企業は人材を育成する体制や時間も限られ、金銭的な余裕もないため、大手と比較して労働条件が良いとは言えません。大手企業と比較したとき、相対的に悪く見えてしまうのは避けられないことも、マイナスイメージが生まれる要因になります。

    スタートアップの採用の成功に必要なポイント

    不利な状況に陥りやすいスタートアップ企業の採用を成功させるには、採用フローごとに戦略を立てておかなければなりません。

    ここではスタートアップ企業の採用の成功に必要なポイントを、以下のような採用フローごとに紹介します。

  • 1.ターゲット選定
  • 2.母集団形成
  • 3.面接
  • 4.内定
  • 1.ターゲット選定

    スタートアップ企業は人材を育成する体制や時間も限られるため、採用するターゲットは即戦力になる人材になることが多いです。しかし豊富な経験や高いスキルを持つ人材は競争率が高く採用が困難です。

    まずは採用すべきターゲットの選定について、ポイントを紹介します。

    スタートアップに向いている人材を理解する

    スタートアップ企業に向いている人材は以下のような特長を持ちます。

    • ・成長意欲が高い
    • ・意思決定が早く自走できる
    • ・ミッションやビジョンに共感している

    【成長意欲が高い】
    変化が激しいスタートアップ企業で働くためには社員個人の成長が不可欠です。人材育成に工数をかけられないため、企業が用意する教育研修に期待することはできません。

    そのため、自分に足りないスキルを補い、常に上を目指して自己研鑽し続けられる人材はスタートアップ企業で活躍する可能性が高いと言えます。

    【意思決定が早く自走できる】
    新しい価値観を創造するスタートアップ企業において、前例の無い出来事は日常茶飯事です。

    また、激しく変化する市場において、競合他社に遅れを取らないようにするためには、意思決定のスピードも重要です。自ら判断し、素早く行動に移せなければ、スタートアップ企業で活躍することは難しいと言えます。

    【ミッションやビジョンに共感している】
    スタートアップ企業の労働環境は決して楽ではありません。また、市場環境は変化が激しいことから、柔軟な対応力が求められます。

    このような厳しい状況下においても、課題や困難を乗り越えられる人材に共通しているのは、「企業のミッションやビジョンに共感している」ことです。

    スタートアップ企業の採用において「同じ方向を向けるか」「企業と共に成長していけるか」というポイントは非常に大切だと言えます。

    もちろん詳細な人材要件はスタートアップ企業各社で異なりますが、自社ならではの人材要件を作る際の参考にしてみてください。

    適切な採用基準を設ける

    スタートアップ企業は即戦力の人材を求める傾向があるため、採用基準は高くなります。そのため、求める条件に合う人材が見つからず、採用活動が長期化するケースは少なくありません。「企業の魅力的な情報」を「広く発信する」必要があります。

    いたずらに採用基準を緩和する必要はありませんが、これまでにない価値を生むために、従来型のスキルや実績がどの程度意味があるのかを考えてみることも重要です。

    ミッションやビジョンへの共感、カルチャーフィットなど、様々な判断基準も検討することで、結果的に自社で活躍する人材を採用できることもあります。

    2.母集団形成

    採用を成功させるためには、多くのエントリーを集める必要があります。しかし、スタートアップ企業の多くは知名度が低く、応募が増えづらいという課題があります。

    ここでは、少しでも多くの転職希望者に自社のことを知ってもらうポイントを紹介します。

    積極的な情報発信をする

    自社を魅力的に見せるために、コーポレートサイトやPRメディア、SNSなどを積極的に活用しましょう。

    企業理念や経営者、ユニークな事業や制度など、企業そのものの価値をひとつでも多く洗い出し、できるだけ多く発信することはスタートアップ企業の採用を成功させるポイントのひとつです。

    働いている社員のインタビューや取引先の声などを記事や動画で紹介し、ブランディングを図ることも有効な手段です。

    とにかく、他の企業とは違う自社ならではの魅力を模索し、差別化を図っていくことで、優秀な人材に情報を届ける機会を最大化することをおすすめします。

    以下は採用動画をうまく使用して採用ブランディングを行なっている例です。

    縦型短尺の動画を利用することで、SNS慣れした若年層に効果的にアプローチが可能です。尚且つ、短尺であるため、安価にスピーディな動画制作が行える点も魅力です。

    株式会社moovyでは、安価で高品質の採用動画を制作しています。特にスタートアップ企業様からのお引き合わせも多く、効果的な採用動画をご提案いたします。

    求職者に直接アプローチする

    転職を希望する求職者にアプローチする手段は様々ですが、求人広告や転職エージェントのような従来型の採用手法はスタートアップ企業に向いているとは言い難いです。

    なぜなら、より条件の良い大企業と比較され、自社の魅力を正しく伝えられない可能性が高いためです。

    そのため、ダイレクトリクルーティングを活用して、できる限り求職者に直接アプローチすることをおすすめします。直接自社の魅力を伝えることができるダイレクトリクルーティングはスタートアップ企業には向いていると言えます。

    ダイレクトリクルーティングの種類ややり方は以下の記事で紹介していますので、是非参考にしてみてください。

    合わせて読みたい:ダイレクトリクルーティングとは?その手法と成功のポイントを徹底解説!



    転職潜在層にもアプローチする

    転職活動をしている求職者だけをターゲットにする必要もありません。スタートアップ企業は即戦力となる人材を求めますが、即戦力となる人材は現職で活躍し、一定の評価を得ている可能性が高く、表立って転職活動をしていないケースも多くあります。

    転職活動中か否かに関わらず、即戦力となりそうな人材と接点を持ち、長期的な関係構築をすることで、採用活動を有利に進めることができます。

    この考え方はタレントプールと呼ばれています。タレントプールについて、もっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

    合わせて読みたい:タレントプールとは?タレントプールの作り方と活用のポイントを解説!



    3.面接

    そもそも面接は、企業と求職者の相互理解や相互判断の場です。企業が求職者を選定する判断の場だけではありません。求職者も企業を評価し、自分にとって価値のある企業かどうかを判断する場でもあります。

    そのため、面接では求職者に対して自社のビジョンや魅力、求める役割を伝えて、入社意欲を高める取り組みが必要です。

    ここでは、スタートアップ企業の面接で押さえておくべきポイントを紹介します。

    全社を巻き込んだ採用活動にする

    スタートアップ企業では採用の専任担当者がいないケースが多くあります。このような体制では、求職者の評価だけでなく、求職者に対して入社を促すこともままなりません。

    そのため、現場社員があらゆる採用プロセスに関わり、全社員が一丸となって採用活動を行う必要があります。

    現場を熟知した社員に面接官をしてもらう、面接の過程で現場社員とのカジュアル面談を実施するなど、現場社員を巻き込むことはもちろんですが、経営陣も積極的に参加すべきといえます。

    絶対に獲得したいと思える優秀な人材は、経営陣が自ら一次面接を務め、自社を魅力的にプレゼンすることをおすすめします。優秀な人材の採用は企業の成長を大きく左右します。採用を重要な経営課題と捉え、積極的な行動を心がけましょう。

    経営や事業の情報をオープンに伝える

    キャピタルゲインに注目している求職者にとって、企業の状況に関する情報開示は非常に重要な判断基準になります。また、スタートアップ企業に興味はあっても、自分がついていけるか不安な方は、労働環境についてできる限り情報を得たいと考えます。

    先に記載した通り、面接は相互理解の場です。自社に興味を持ってくれた求職者に対してできる限りオープンに情報を伝えることで、求職者の疑問を解消することができます。

    また、全社を巻き込んだ採用をする場合、面接官ごとに伝える情報に差が生まれると、機会損失に繋がります。これを防ぐ目的で、採用ピッチ資料を作成することをおすすめします。

    採用ピッチ資料は、会社の概要や魅力、風土を端的に伝える資料です。資料には企業理念やビジョンなどのポジティブな要素はもちろん、企業が抱えている課題などのネガティブな要素も開示します。

    なぜなら、スタートアップ企業では自ら成果を出そうという意欲的な人材のほうがパフォーマンスを発揮しやすいためです。良いところも悪いところも全て伝えることで企業と応募者が双方に入社後のイメージを鮮明にできます。

    選考スピードを早める

    優秀な人材ほど、多くの企業からアプローチをかけられています。労働環境や待遇で戦うことが困難であっても、情報交換や選考スピードを早めることで採用を成功に導くことができます。

    例えば、社長自ら一次面接を行うことで優秀な人材をグリップしつつ、「少し時間があれば、現場の社員とも面談しないか」と打診し、選考プロセスを省略するなどが挙げられます。

    「面接回数を減らす」「選考結果の連絡を即日にする」などの様々な施策を通じて、選考のスピードを上げていきましょう。

    4.内定

    順調に選考が進み、相互理解を深めていったにも関わらず、現職から強い引き止めに合ったり、採用競合から破格の待遇を提示されたことで、採用に繋がらなかったという苦い経験を持つ方もいらっしゃると思います。

    ここでは、スタートアップ企業だからこそできる内定出しのポイントを紹介します。

    ストックオプションを活用する

    スタートアップ企業の採用では、ストックオプションを活用する方法が効果的です。

    スタートアップ企業の待遇は不安定であり、提示できる年収にも限界があります。一方で、壮大なビジョンや社会への影響など、スタートアップならではの魅力も多くあります。

    ストックオプションは、抽象的になりがちなスタートアップ企業の魅力を具体的な価値やメリットに結びつける武器になり得ます。ストックオプションを活用することで、待遇面の課題を解消することができる可能性があります。

    柔軟なオファーを検討する

    求職者に合った条件を模索し、すぐに意思決定できるのはスタートアップ企業の強みのひとつです。

    求職者にとって、スタートアップ企業への転職は心理的なハードルが高くなりがちです。少しでも求職者の不安を緩和するために副業や業務委託、社会人インターンなどの打診も視野に入れることも有効な手段です。

    互いのマッチングを確認したほうが双方にとってメリットがあると丁寧に説明すれば、断られるリスクも少なく、将来的に入社してもらえる可能性も広がります。

    また、求職者に即決を強いる必要もありません。例えば、内定の返答期限を1年間に伸ばし、「この期間であればいつでもあなたを受け入れます」のような方法も取ることができます。

    固定観念に縛られることなく、求職者に合わせて最適なオファーを検討することが、内定辞退を最小限に抑えるポイントと言えます。

    まとめ:スタートアップで採用にお悩みの担当者へ

    スタートアップ企業において、そこで働く人の影響は非常に大きなものです。スタートアップ企業では、社員ひとりあたりに求めるものが多くなるため、採用の得手不得手は企業の成長を左右するといっても過言ではありません。

    当記事では、スタートアップ企業の採用の課題や成功に必要なポイントを紹介してきました。

    全社を巻き込めるか、情報を発信できるか、柔軟な対応ができるかなど、様々なポイントがありますが、本当に重要なのは「スタートアップだからこそ使える武器は何か」を考えることではないでしょうか。

    現状の課題を革新的な方法で解決に導くため、柔軟な発想と素早い意思決定を行うことがスタートアップの強さです。

    採用についても、既存のやり方にとらわれず、自社ならではの革新的なアイデアを試すことで、新たな活路が見出せる可能性があります。本記事を参考に、自社独自の採用活動を考えてみてください。

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    また、「名物社員紹介」や「社長の意外な一面」など、テキストだと分かりにくい社員の人柄やカルチャーを紹介できるため、求職者の深い企業理解をサポートすることが可能です。

    スタートアップ企業の採用は、かけられる費用の観点から、運用コストの低いSNSなどを活用して情報発信することがあります。動画は画像やテキストに比べて情報量が多いため、効率的な情報発信手段といえます。

    自社の魅力を効果的に発信する手段として、ぜひmoovyの動画サービスの活用をご検討ください。

    この記事を書いた人
    志村 匠斗

    東北大学大学院薬学研究科修了。新卒で株式会社キャリアデザインセンターに入社。大手企業から町工場まで100社以上の採用支援を行う。また300人以上の転職希望者へ面接対策を支援し、多くの転職成功者を輩出。その後SaaS系スタートアップ企業に転職し、新規事業企画とマーケティングに携わる。現在は地域企業の支援をするため、株式会社グローカルへジョイン。

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    会社名 株式会社moovy
    代表 三嶋 弘哉
    設立 2020年4月13日
    住所 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目18−3 プレミア道玄坂ビル8階
    電話 050-3701-3401
    メールアドレス moovy_support@moovy.co.jp
    URL https://company.moovy.jp/
    事業内容
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