ダイレクトリクルーティングとは?その手法と成功のポイントを徹底解説!
# 採用
ダイレクトリクルーティングとは、企業側が求める人材を採用するために、企業が自ら適切な採用手段を考えて実行する、企業主体の採用活動を指します。
人材獲得競争が激しくなる中、ダイレクトリクルーティングを新たな採用手法として取り入れている企業が増えています。
当記事では、ダイレクトリクルーティングのやり方や、成果を出すために押さえるべきポイントを紹介しています。
貴社の採用活動をより良いものにするためにも、当記事を参考にしてみてください。
- ダイレクトリクルーティングは企業が自ら人材にアプローチをかける採用活動全般を指す
- 工数がかかる分、将来的に自社の採用力の向上と採用コストの削減を目指せる
- 必要な投資を行い、専任組織や専任者を定めて戦略的に取り組むべし
この記事のまとめ
ダイレクトリクルーティングとは
日本でも取り入れる企業が増えてきているダイレクトリクルーティング。
ひとことでダイレクトリクルーティングといっても、実は様々な方法があります。
まずはダイレクトリクルーティングとは何かについて、解説していきます。
ダイレクトリクルーティングの概要
ダイレクトリクルーティングとは、企業側が求める人材を採用するために、企業が自ら適切な採用手段を考えて実行する、企業主体の採用活動を指します。
「採用活動は企業主体で行う活動なのではないか」と疑問に思われるかもしれません。
より実情に合わせた表現をすると、求人広告や人材紹介などの「求職者からの応募を待つ(従来型の)採用活動」ではなく、「企業が自ら人材にアプローチをかける採用活動」ということです。
従来型の採用活動の場合、転職を検討している転職顕在層にしかアプローチできず、現在の日本の人材市場は激しい獲得競争で戦っていくことは困難です。
内閣府の調査によると、日本の生産年齢人口( 15 ~ 64 歳)は 1995 年をピークに減少していることがわかっています。
また、2030 年には 6,875 万人( 2021 年比 7.7% 減)、2050 年には 5,275 万人( 2021 年比 29.2% 減)に減少すると見込まれています。
出典:生産年齢人口とは 経済・社会保障支える - 日本経済新聞
企業が自らアプローチするダイレクトリクルーティングは、アプローチした人材が転職を検討しているかどうかは関係ありません。
ダイレクトリクルーティングは、採用の母集団を増やし、採用競合に打ち勝つための手段として注目を集めているといえます。
これは中途採用だけでなく新卒採用についても同様です。
近年では新卒採用にダイレクトリクルーティングを取り入れている企業も出てきています。
なお、海外では「ダイレクトソーシング」とも呼ばれますが、日本ではダイレクトリクルーティングという呼び方が主流となっています。
ダイレクトリクルーティングと従来の採用のやり方の違い
ダイレクトリクルーティングをはじめ、近年では様々な採用手法が生まれています。
それぞれの手法とその特長をまとめてみましょう。
従来の採用方法は、人材会社の協力を仰ぐやり方が多いです。
企業は人材会社に情報を提供し、宣伝や人選を依頼をすることで、求める人材の応募が来るのを待ちます。
これに対しダイレクトリクルーティングは、メールやSNSなど、私たちが普段から活用しているツールを使ったやり方が多いです。
近年話題のリファーラル採用もダイレクトリクルーティングの手法のひとつです。
ダイレクトリクルーティングのメリット
ここからは、ダイレクトリクルーティングのメリットを紹介します。
採用活動を効率化できる
求める人材へピンポイントにアプローチできるため、従来型の採用手法よりも効率的に採用活動を進められます。
人材会社は様々な企業の求人情報を扱っています。
また、営利企業のため、より利益が得られる企業に対してリソースを割きます。
企業から見れば、いたずらに採用競合を増やすだけで採用につながらない可能性もあります。
また、自社からアプローチするため、求職者に認知されやすいことも効率化の向上につながります。
知名度が低い企業であっても、直接アプローチを受けた求職者はその企業のことを認知するため、印象に残すことができます。
自社の魅力を伝えやすい
社員の理解度やコミュニケーション能力にもよりますが、自社の社員が求職者へ直接アプローチするため、最新情報を含めた業務内容や事業戦略をわかりやすく伝えることができます。
魅力的な情報を伝えることができれば、求職者の興味や関心を惹き、効率的に入社を促せます。
また、SNS などを活用し、より広い対象に向けて自社の魅力を発信すれば、自社に興味を持った母集団を形成することができ、今後の採用活動を有利に進めることもできます。
採用ノウハウを蓄積できる
従来型の採用活動では、人材獲得に関わる指標がブラックボックスになっているだけでなく、自社を担当する人材会社の社員のスキルやノウハウによって成果が異なることがあります。
ダイレクトリクルーティングは、企業が採用活動のプロセスの全てを担うため、活動ごとの費用対効果を明確にすることができます。
また、仮に結果が出なかったとしても課題分析がしやすく、採用活動の PDCA サイクルを回すことができます。
これらは、企業や採用担当者にとって重要な情報資産になります。
長期的にみれば企業の採用力は向上していき、より効率良く採用活動を進めることができるようになります。
ダイレクトリクルーティングのデメリット
続いて、ダイレクトリクルーティングのデメリットを紹介します。
先に紹介したメリットの内容を踏まえ、自社がダイレクトリクルーティングに取り組むべきかの判断材料にしてみてください。
人事や採用担当者の負担が増える
ダイレクトリクルーティングは、社内のリソースだけで採用活動に取り組む手法です。
当然ではありますが、人事、特に採用担当者の負担は増えます。
ダイレクトリクルーティングにカテゴライズされる採用手法のほとんどは、メールや SNS などの文章作成が求められます。
場合によっては、求職者のデータベースをゼロから作る必要があります。
従来の採用手法と比べて数倍の作業工数がかかるのは間違いありません。
短期的な採用や大量採用には不向き
残念ながらダイレクトリクルーティングを開始してすぐに人材を獲得できる可能性は低いです。
自社の魅力や採用力に依存した採用手法のため、長期間結果が出ないことを覚悟しなければなりません。
また、SNS さらに、採用担当者が自ら求職者と向き合い、時間をかけて口説いていくため、大量採用には向いていません。
仮に大量採用をダイレクトリクルーティングで実現するためには、それ相応の人数の求職者に対して個別にアプローチが必要になります。
専任の組織に多数の社員を配置させるなど、人的な投資が必要になることを覚悟してください。
リクルーターの育成が難しい
ダイレクトリクルーティングの成功のカギを握るのは情報発信です。
しかし、どれだけ魅力的な情報を持っていても、求職者に刺さる表現で情報を伝えなければ成果に繋がりません。
企業と求職者の間に立って適切な情報提供ができる社員、いわゆる「リクルーター」の存在が不可欠です。
このリクルーターの育成は難しく、時間がかかります。
企業によっては、人材会社の担当営業をリクルーターとして迎え入れ、採用業務を任せることがありますが、このような直接的な投資をせずにダイレクトリクルーティングを進めようとすると、費用と時間がかかるのは避けられません。
ダイレクトリクルーティングのやり方
ここからは、ダイレクトリクルーティングの一般的なやり方を紹介します。
「ダイレクトリクルーティングに挑戦してみたいが、何から手を付けたらいいか分からない」という採用担当者の方は参考にしてみてください。
ペルソナ設計
ダイレクトリクルーティングは、企業が自ら求める人材にアプローチをする必要があります。
求める人材とはどのような人材かを定義するために、具体的な人物像(ペルソナ)を言語化することからはじめます。
ペルソナの作り方は様々な企業で詳細に紹介されていますが、ここでは STP 分析のフレームワークを応用したペルソナの作り方を紹介します。
STP 分析とは、Segmentation(市場細分化)、Targeting(狙う市場の決定)、Positioning(自社の立ち位置の明確化)の 3 つの英単語の頭文字をとって名付けられた分析法です。
まずセグメンテーションとして、採用のポイントになりそうな要素を洗い出します。
普段書類選考や面接で重視しているポイントを書き出し、それぞれが一般的にどういう要素の評価軸なのかを考えます。
例えば、書類選考のとき、以下のような評価をしているとします。
「年齢は 27 歳か。社会人経験は 5 年を超えているから、若手としてではなく経験者として能力があるかを見てみよう。」
「どうやら過去に同業界の企業に勤務していたようだ。業界知識を持っているなら即戦力として活躍してくれる可能性が高そうだな。」
「職務経歴書上は営業としてキャリアを積んでいるが、本人は売れる仕組みを作ったことが成功要因と考えているようだ。販促やマーケティングの仕事に興味を持っているのだろう。」
この場合、書類選考では「年齢」「経験業界」「仕事の志向」という要素を重点的に確認していると言えます。
要素をできるだけ過不足のない程度に細分化してまとめると、図のようになります。
これらのかけ合わせを評価することで、評価が高い(=採用すべき)ターゲットをあぶりだしていきます。
例えば、新たに WEB 事業をはじめるために、外部から優秀なコア人材を採用しようと考えているのであれば、以下のようにまとめられます。
評価が高いターゲットを絞り込めたら、より具体的な人物像(ペルソナ)を作成します。
ペルソナは、経験やスキルの言語化だけでなく、ターゲットの趣味趣向や将来のビジョンを含めた具体的な人物像です。
採用イメージを明確にするためにも、図のようにできる限り詳細に作成します。
より詳しいペルソナの作り方はこちらの記事で解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
合わせて読みたい:採用ペルソナの作り方を徹底解説!求める人物像を獲得する有効な手法とは?
採用手法を検討する
様々なダイレクトリクルーティングの手法の中から優先的に取り組むべき手法を考えます。
先ほど作成したペルソナをもとに、「このペルソナにはどこで出会えるのか」「このペルソナが興味を持つ情報は何か」を考えることが重要です。
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【採用手法の例】
- ・スカウトメール
- ・ソーシャルリクルーティング
- ・リファーラル
- ・ミートアップ
例えば、先ほどの「採用 聖子」さんは、アクセサリー作りが趣味のようです。
SNS 、特に Instagram や Twitter などでジュエリーやアクセサリーの情報を見ている可能性が高いと考えられます。
SNS に情報を露出する手法は有効かもしれません。
スカウトメールの作り方については以下の記事で詳しく解説しています。
気になる方はご覧ください。
合わせて読みたい:【例文あり】採用担当者なら押さえたいスカウトメールの書き方
ターゲットにアプローチする
採用手法が決まったら、いよいよターゲットにアプローチしてみましょう。
このときも、ペルソナが興味を持つような情報は何かを考えてアプローチ内容を考えることが重要です。
ペルソナによっては、直接面談を呼びかけするよりも、事業紹介のイベントにお招きしたほうが効果があることも考えられます。
例えば、先ほどの「採用 聖子」さんは、趣味の情報を集めるときに利用している SNS からアプローチしようとしています。
いきなり仕事の話題を振られると警戒されるかもしれません。
まずは SNS 広告を利用して、「自社で活躍する女性社員のインタビュー記事」や「女性限定のミートアップイベントの参加呼びかけ」などを宣伝します。
反応が得られたら DM で個別にフォローをする、のような間接的なやり方を取った方が、心理的な負担を下げられるかもしれません。
ダイレクトリクルーティングを成功させるポイント
ここでは、これからダイレクトリクルーティングをはじめようとしている方はもちろん、既に取り組まれている方を含めて、ダイレクトリクルーティングを成功させるポイントを紹介します。
専任者を置く
ダイレクトリクルーティングは、様々な作業が必要です。
細かな調整も多く、ノウハウを構築するまである程度の時間がかかります。
その他の業務を兼務している方がダイレクトリクルーティングにも取り組もうとすると、業務量が爆発的に増え、十分な成果が得られない可能性があります。
体制を整え、PDCA を素早く回すためにも、専任者を決めるなど、人的リソースを確保することをおすすめします。
人材を惹きつける魅力づくり
ダイレクトリクルーティングの最終目標は「採用の成功」です。
どのようなアプローチであれ、最終的に「この会社で働きたい」と思ってもらう必要があるため、魅力づくりやアピールポイントの精査は必ず取り組まなければなりません。
給与待遇、職場環境、勤務時間、福利厚生などターゲットペルソナによって魅力に感じるポイントは様々ですが、計画的に社内の制度を見直すことも視野に入れる必要があります。
社員にとって魅力的な企業になれれば、リファーラル採用もしやすくなるため、長期的な採用効率の向上も狙えます。
また、せっかくの魅力もターゲットに伝わらなければ意味がありません。
以下のコラムも参考にしながら、情報の伝え方にも気を配りましょう。
自社の魅力を伝えるには、テキストよりも動画を活用することも有効な手法の一つです。
以下のような採用動画をSNSや自社採用ホームページなどで発信することで、自社の魅力を伝えることができます。
ダイレクトリクルーティングがエンジニア採用に有効な理由
ダイレクトリクルーティングは、エンジニア採用に非常に有効なアプローチです。
なぜならエンジニア採用の課題として、ミスマッチが発生しやすいという現状があるからです。
ダイレクトリクルーティングでは、プロフィールやデータベースを活用し、ターゲットとなるエンジニアに直接アプローチすることができます。
これにより、採用活動におけるミスマッチやポジションの不一致を最小限に抑えることができます。
スカウトサービスを利用することで、優秀なエンジニアを探し出し、直接スカウトすることが可能です。
また、そのユーザーがどのような成果を上げてきたのかをデータとして把握できるため、求めるスキルや経験に合致しているかを事前に確認できます。
ダイレクトリクルーティングのメリットは多岐にわたります。
- 1.業務内容やキャリアの魅力を直接アピールすることができる
- 2.成果報酬を提案するなど、求職者にとって魅力的な可能性を示すことができる
- 3.応募者が既にエンジニアとしてのスキルや経験を持っているため、採用後の教育や育成コストを削減できる
- 4.企業側も、WebやSNSを活用することで多くの人材にリーチできるため、幅広い候補者から選ぶことができます。
このようにダイレクトリクルーティングは、エンジニア採用を成功させる1つの方法です。
自社のビジネスに適した人材を探し出し、面接や対応においても効果的な事業展開が可能です。登録者や応募者のデータを活用し、効率的なプランを策定しましょう。
こちらも合わせてチェック!エンジニア採用について徹底的に解説しています。
合わせて読みたい:【採用担当者必見】ITエンジニア採用ノウハウ。採用のポイントを徹底解説
まとめ:ダイレクトリクルーティングにお悩みの担当者へ
当記事では、ダイレクトリクルーティングが注目されている理由をはじめ、その作り方や活用のポイントを紹介しました。
ダイレクトリクルーティングは、生産年齢人口が減少する中、採用競合より先に優秀な人材を獲得する手段として注目を集めています。
ダイレクトリクルーティングを実施できる体制を構築し、適切に運用することができれば、採用コストの削減や自社の採用力の向上が図れます。
当記事で紹介した内容を参考に、効果的なダイレクトリクルーティングの実現に取り組んでみてください。
特にダイレクトリクルーティングと採用動画は相性が良く、効率的に会社の特徴や雰囲気を伝えることが可能です。
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ダイレクトリクルーティングでは、様々な手段で人材にアプローチすることが求められます。
SNS などを活用して情報発信する場合、採用動画は人材を惹きつける武器になります。
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- この記事を書いた人
東北大学大学院薬学研究科修了。新卒で株式会社キャリアデザインセンターに入社。大手企業から町工場まで100社以上の採用支援を行う。また300人以上の転職希望者へ面接対策を支援し、多くの転職成功者を輩出。その後SaaS系スタートアップ企業に転職し、新規事業企画とマーケティングに携わる。現在は地域企業の支援をするため、株式会社グローカルへジョイン。
採用動画の制作・掲載ならmoovyへ
会社名 | 株式会社moovy |
---|---|
代表 | 三嶋 弘哉 |
設立 | 2020年4月13日 |
住所 | 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目18−3 プレミア道玄坂ビル8階 |
メールアドレス | moovy_support@moovy.co.jp |
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