タレントプールとは?タレントプールの作り方と活用のポイントを解説!
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タレントプールとは、人材や才能を意味する 「タレント( Talent )」と、蓄えを意味する「プール( Pool )」を組み合わせた言葉です。
人材獲得競争が激しくなる中、タレントプールを新たな採用手段として検討している企業が増えています。
当記事では、タレントプールを作成するときに押さえるべきポイントや、活用のコツを紹介しています。
貴社の採用活動をより良いものにするためにも、当記事を参考にしてみてください。
- タレントプールは今後も高騰が見込まれる採用コストを削減する手段の1つ
- 企業側だけでなく求職者側にとってもメリットがある
- 管理する基準を決めて定期的な情報発信を行うべし
この記事のまとめ
タレントプールとは
タレントプールとは、人材や才能を意味する 「タレント( Talent )」と、蓄えを意味する「プール( Pool )」を組み合わせた言葉です。
短期的あるいは中長期的に自社の採用候補となる人材の情報を蓄えるデータベースを意味します。
タレントプールという考え方は、アメリカの大手コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査報告書『 The War for Talent (ウォー・フォー・タレント )』で提唱されています。
この調査報告書には、 1997 年から 2000 年にかけて主にアメリカで実施した人材の獲得・育成に関する調査結果がまとめられています。
20 年以上前の報告ながら、「やがて人材獲得や人材育成を企業が争って行う時代がやって来る」ことや、「リーダー候補といった優れた人材の獲得や育成が、企業のこれからの成長の鍵になる」ことなど、まさに現在私たちが直面している問題を予見した内容が記載されています。
タレントプールが注目される理由
提唱から 20 年以上経ったタレントプールが現在注目されている理由はなんとなく想像が付くかもしれません。
改めてその理由を深掘りしてみます。
生産年齢人口の減少
理由の 1 つは、生産年齢人口の減少です。
内閣府の調査によると、日本の生産年齢人口( 15 ~ 64 歳)は 1995 年をピークに減少していることがわかっています。
また、2030 年には 6,875 万人( 2021 年比 7.7% 減)、2050 年には 5,275 万人( 2021 年比 29.2% 減)に減少すると見込まれています。
そのため、人手不足は一層深刻な問題となり、企業の採用活動はますます激化することは間違いありません。
人材獲得競争を有利に進めるための新たな手段としてタレントプールは注目を集めています。
専門家人材の不足
技術革新、 DX 推進や企業のグローバル化などにより、企業はこれまで対象にしていなかった専門性を持った人材を求めるようになりました。
特に、 AI 、 IoT 、ロボティクスなどの先端技術のスペシャリストは、業界を問わず様々な企業で求められています。
日本でも転職が当たり前になりつつあるため、自社の優秀な人材がヘッドハンティングされてしまうと、企業は大きな損失を被ります。
そのため、優秀な人材を早期に確保し決して逃さない、という熾烈な獲得競争が繰り広げられています。
タレントプールの構築は、活躍の見込みのある人材を早期に見極め、囲い込むための手段として活用されています。
タレントプール活用のメリット
ここでは、タレントプールを活用するメリットを、企業側と求職者側の 2 つの側面から解説します。
企業側のメリット
専門性の高い人材や、将来性のある人材を蓄えたタレントプールを構築しておけば、急に人手が必要になっても、アプローチ先に迷うことはありません。
採用が必要になるたびに、求人広告や人材紹介会社に声をかけて人選を進めるよりも、工数や費用を大幅に押さえることができます。
現職にやりがいを感じている優秀な人材に対して、転職を視野に入れていない段階からアプローチができるため、採用競合に気づかれることなく採用へ繋げられます。
採用までの時間はかかりますが、企業側と求職者側が相互に理解を深めることができるため、入社後のミスマッチも少なくなります。
入社後のミスマッチを防ぐ方法として、他にも「RJP」という考え方も有効です。
以下の記事で詳しく解説していますので、気になる方はご覧ください。
合わせて読みたい:採用理論「RJP」とは何か?詳しく解説!採用ミスマッチ削減に有効
また同様に、入社後のミスマッチを防ぐために採用動画を活用するのもおすすめです。
採用動画では、会社や社員のリアルな雰囲気を伝えることができるため、求職者からの理解も深まります。
求職者側のメリット
タレントプールは、面接のときにはじめて社員と顔を合わせる従来の転職活動とは異なります。
企業と継続的にコミュニケーションをとり、相互に理解を深めた上で、選考に進むことができるのが特長です。
求職者は自身の活躍のフィールドや将来のキャリアについて時間をかけて検討することができ、企業について深く理解することもできます。
求職者にとって入社後のミスマッチが発生しづらい転職手法と言えます。
現時点では現職に対してやりがいを感じていても、異動や事業の方針転換によって環境が変わってしまうことがあります。
自社以外の企業と継続的にコミュニケーションを取っていれば、不測の事態があったときの選択肢を増やすことができます。
専門性の高い仕事をしているのであれば、引き抜きやヘッドハンティングを受けることもあるため、現職よりも良い条件で仕事ができる環境を手に入れることも可能です。
タレントプールの作り方
では、優秀な人材のデータベースを作るにはどのようにすれば良いのでしょうか。
ここからは、タレントプールを作る際の方法やポイントについて紹介します。
プールする基準を決める
タレントプールを作るにあたってまずやるべきことは、どんな人材をプールするかという基準を決めることです。
ただ人材を集め、プールを大きくすればいいというわけではなく、一定の基準を設けて、その基準に合うかどうかでスクリーニングすることをお勧めします。
特に、これからタレントプールを作っていくのであれば、工数をかけずに運用できるかどうかも考慮しましょう。
例えば、選考の過程で接点を持った人材であれば、書類選考や面接などのスクリーニングを経た人材であり、採用活動にいくつか工程を追加するだけでタレントプールを作ることができます。
他にも以下のような人材をタレントプールの対象者にすることで、効率よくデータベースを構築することができます。
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【タレントプール対象者の例】
- ・企業で運営している SNS をフォローしている方
- ・自社で開催したセミナーやイベントに参加した方
- ・過去書類選考を通過した求職者
- ・過去 1 次( 2 次)面接を通過した求職者
- ・過去内定を辞退した求職者
- ・退職した社員
また、エンジニア採用における、採用基準の作り方は以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
合わせて読みたい:エンジニア採用基準の作り方|元ベンチャー企業の人事が徹底解説
管理する項目を決める
プールする基準を決めたら、自社のタレントプールで管理すべき項目を考えましょう。
タレントプールは個人情報のデータベースです。
データベースである以上、管理すべき項目があり、状況に合わせてデータを抽出・分析できることが望ましいです。
やみくもに情報を入れ込んでしまうと、使おうとしたときにデータを個別に拾っていかなければならなくなるため、活用できずに放置してしまうリスクがあります。
プールする人材の情報は、氏名や年齢だけではなく、職種や仕事内容、人物の評価や転職意欲など様々であり、タレントプールをどのように活用したいかによって変わります。
しかし、将来的な採用を考えたタレントプールであるならば、人材が持つスキルや当時の評価などで検索がかけられる状態が望ましいと考えられます。
参考情報として管理項目の一例を以下に記載します。
貴社が想定している活用方法を踏まえて検討してください。
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【タレントプールの管理項目】
- ・基本情報:
氏名、年齢、性別、電話番号、メールアドレス、住所、 SNS アカウント など - ・仕事に関する情報:
現在の勤務先、過去の勤務先、経験職種、役職 など - ・人物に関する情報:
接点を持った日、接点を持った経路、採用選考結果、採用選考の評価点や懸念点、転職意欲 など
人材をデータベース化する
管理する項目が決まったら、いよいよデータベースにしていきます。
Excel やスプレッドシートであれば無料でデータベース化できます。
しかし、チーム内で運用のルールをしっかり決めなければ、データベースをきれいに保つことができなくなるので注意が必要です。
また、現在では様々な企業からタレントプール機能を持ったサービスが展開されています。
以下にタレントプールの活用に役立つツールを記載します。
タレントプール活用のポイント
作ったばかりのタレントプールは、ただの人材データベースに過ぎません。
タレントプールが真の効果を発揮するためには、継続的な運用が必要です。
ここからは、タレントプール活用のポイントを紹介します。
人材に定期的な情報発信をする
タレントプールの人材は、すぐに転職を考えている方から当面転職を考えていない方まで様々な属性があります。
まずは企業を知ってもらうことを目標に、メールやSNSなどを活用して情報を発信しながら、定期的に人材と接点を持ちましょう。
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【タレントプールに向けた情報発信の例】
- ・会社のニュースやトピックスを伝えるSNS投稿
- ・会社で活躍されている方のインタビュー記事
- ・業界のノウハウを伝えるコラム
- ・業界のトレンドや専門性の高い内容を取り上げたオンラインセミナー
- ・スキルアップにつながるオンラインイベントやワークショップ
- ・社員とのミートアップを兼ねたオフィスツアー
適切なタイミングでスカウトする
タレントプールの最大の目的は採用に結びつけることです。
人材が必要になったタイミングで素早く採用活動に移行することが、タレントプールの理想的な活用方法です。
しかし、スカウトといっても唐突に採用情報を送りつけてはいけません。
「最近はお変わりありませんか」「次回開催するイベントに参加しませんか」など、間接的なアプローチを心がけましょう。
反応が得られたら、イベント後に個別に声をかける、カジュアル面談を提案するなど、徐々に選考に移行していきます。
タレントプールの導入事例
ここでは、実際にタレントプールを導入している企業の事例を紹介します。
デル(Dell Inc.)
アメリカのコンピュータテクノロジー企業「デル」は採用サイトに、上記のようなタレントプールの登録ページを設けています。
登録者は Facebook メッセンジャーでデルの採用担当者とつながることができます。
SNS で定期的に連絡できるだけでなく、候補者の友人とつながることもできるため、タレントプールを効率的に広げていける仕組みを作っています。
シェル(Shell plc.)
イギリスの多国籍エネルギー企業『シェル』も採用サイトに、上記のようなタレントプールの登録ページを設けています。
登録者は定期的にキャリアイベントの案内を受け取れるほか、タレントプール登録時に入力した専門分野に関連したニュースやイベントの案内を受け取ることができるため、業界に携わる人材の情報収集手段として活用してもらうことを意図した設計になっています。
まとめ
当記事では、タレントプールが注目されている理由をはじめ、その作り方や活用のポイントを紹介しました。
タレントプールは、生産年齢人口が減少する中、採用競合より先に専門家人材を囲い込む手段として注目を集めています。
タレントプールを構築し、適切に運用することができれば、採用コストの削減や面接プロセスの効率化が図れるため、採用担当者の強力な武器になりえます。
当記事で紹介した内容を参考に、効果的なタレントプールを作ってみてください。
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- この記事を書いた人
東北大学大学院薬学研究科修了。新卒で株式会社キャリアデザインセンターに入社。大手企業から町工場まで100社以上の採用支援を行う。また300人以上の転職希望者へ面接対策を支援し、多くの転職成功者を輩出。その後SaaS系スタートアップ企業に転職し、新規事業企画とマーケティングに携わる。現在は地域企業の支援をするため、株式会社グローカルへジョイン。
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会社名 | 株式会社moovy |
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代表 | 三嶋 弘哉 |
設立 | 2020年4月13日 |
住所 | 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目18−3 プレミア道玄坂ビル8階 |
メールアドレス | moovy_support@moovy.co.jp |
URL | https://company.moovy.jp/ |
事業内容 |
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