ITエンジニア採用市場のリアル。採用担当者なら絶対に押さえるべき情報
# エンジニア # 採用
当記事では、ITエンジニアを採用するうえで理解しておきたい、ITエンジニア採用の市場感を紹介・解説します。
貴社の採用活動をより良いものにするためにも、当記事を参考にしてみてください。
- ITエンジニアは需要と供給のバランスが極めて悪い職種である
- 採用できない根本的な要因は、企業のITエンジニアに対する理解不足である
- ITエンジニアを理解するポイントは「やりがい」「自己成長性」「給与の納得感」
この記事のまとめ
ITエンジニア採用市場の全体感
まずは、ITエンジニアの採用市場の全体感について見ていきます。
経済産業省の「IT人材需給に関する調査(概要)」によると、2030年には最大約79万人のITエンジニア不足が生じると試算されています。
引用:「IT人材需給に関する調査(概要)」ー経済産業省
現在、AIやIoT技術などの先端技術の急速な発達や、デジタルトランスフォーメーション(DX)に投資する企業の増加、2021年9月のデジタル庁設立など、日本全体でICT投資が活発になっており、今後もITエンジニアの需要は伸びていくことが予想できます。
少子高齢化の影響で日本の生産年齢人口が減少しているため、限られたITエンジニアを複数の企業が取り合う構図は今後も継続すると考えられます。
実際に、ウォンテッドリー株式会社が行った「デジタル人材に関する調査」によると、69%の企業がデジタル人材が不足していると回答しています。
この調査における「デジタル人材」とはエンジニア、デザイナー、WEBディレクター・プロデューサー、データサイエンティスト、プロダクトマネージャーなど、デジタル領域の業務を行う人材を指しています。
また、デジタル人材の不足人数としては、1~5 名という回答が62%で最多、職種別ではエンジニアが67%で最多という結果が得られています。
以上から、多くの企業がITエンジニア人材の不足を感じており、この傾向は今後ますます深刻になることが推測できます。
ITエンジニアの有効求人倍率
東京ハローワークの「職種別有効求人・求職状況」によると、ITエンジニアを含むIT技術関連職の有効求人倍率は2.72~3.26倍(令和4年度の推移)です。全体平均が1.18~1.55倍であることから、IT技術関連職の有効求人倍率は高いといえます。
引用:「職種別有効求人・求職状況」ー東京ハローワーク
また、国内最大級のITエンジニアの求人媒体である「type」の調査では、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年12月と比較して、2023年6月のITエンジニア求人数は1.2倍になっていると報告されています。
また、応募数も2019年12月と比較して2023年6月は全体が1.5倍と、新型コロナ感染症拡大前を上回る数値を記録していることがわかります。
特にITエンジニア求人へ応募したITエンジニア経験者の内、20~30代の応募は1.9倍に増加しており、若手~中堅層が活発に動いている状況です。
以上を踏まえると、ITエンジニアは転職活動に対して意欲的になっており、それを受け止める求人も増加傾向にあることが伺えます。
ITエンジニア採用を困難にする市場課題
ITエンジニアが活発に転職活動をしているにも関わらず、様々なメディアや企業から「ITエンジニア採用は難しい」という声が上がっています。ここではITエンジニア採用が難しいと言われる理由を紹介します。
- 1. ITエンジニアの絶対数が少ない
- 2. ITエンジニアの採用競争が激化している
- 3. ITエンジニアの働き方が多様化している
- 4. ITエンジニアが採用市場に現れにくい
- 5. ITエンジニアが求める条件と企業が提示できる条件が合わない
理由①ITエンジニアの絶対数が少ない
1つ目の理由は、ITエンジニアの絶対数が少ないことです。生産年齢人口の減少に伴い、「求人を出しても応募が集まらない」といった母集団形成に苦戦する企業が増えています。
先に記載した通り、2030年には最大約79万人のITエンジニア不足が生じると試算されているほど、日本のITエンジニア不足は深刻な社会問題といえます。
もちろん、わずかではありますが年々ITエンジニアの人口は増加しています。しかしながら、それ以上にITエンジニア求人の件数が増加しており、ITエンジニア不足に歯止めがかからない状態といえます。
理由②ITエンジニアの採用競争が激化している
2つ目の理由は、ITエンジニアの採用競争が激化していることです。ITエンジニアの絶対数が少ない一方で、企業の採用ニーズは非常に高い状況にあります。
この背景には、AIやIoT技術などの先端技術の急速な発達や、デジタルトランスフォーメーション(DX)への積極投資などがあります。
ここでいうDXは、自動車業界のCASE(ケース)や、FinTech(フィンテック)、HealthTech(ヘルステック)といった、ある分野に最新のIT技術を導入することを意味する「X-Tech(クロステック)」も含まれます。
様々な業界でIT技術の導入が進んでいるため、ITエンジニアを求める企業の絶対数が増えていることも、ITエンジニアの採用競争の激化の要因といえます。
特に、汎用性の高いプログラミング言語であるJavaや、AI開発で活用される頻度が高いPython、IoT技術の発展に伴って注目が集まるC言語などは、求人倍率が高騰しています。
レバテック株式会社の「ITエンジニア・クリエイター正社員転職・フリーランス市場動向 2022年7月」によると、Java(BtoB)は21.8倍、Pythonは16.6倍、C言語は13.2倍と極めて高い求人倍率となっています。
理由③ITエンジニアの働き方が多様化している
3つ目の理由は、ITエンジニアの働き方が多様化していることです。2017年に閣議決定された働き方改革によって副業が推進された結果、副業をはじめる人が増えました。
近年では、ITエンジニアが個人で案件を獲得できるプラットフォームが増えているため、フリーランスに転向する人材や副業(複業)する人材がより一層増えています。
ランサーズ株式会社が実施した「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」によれば、フリーランス人口は1,577万人、経済規模は23.8兆円であると報告されています。
この数値を 2015 年と比較すると、人口は68.3%(640万人)、経済規模は62.7%(9.2兆円)増加という結果であり、フリーランス市場は大きく拡大していると言えます。
コロナ禍の影響を強く受けているとはいえ、「得意分野を活かせる」「興味のある分野に挑戦できる」「企業に属すよりも高い報酬を得られる可能性がある」など、ビジネスパーソンが特定の企業に所属する必要性が薄れつつあることを示唆していると考えられます。
フリーランスで働くという選択肢が、ITエンジニア採用の難易度を上げている要因のひとつといえます。
理由④ITエンジニアが採用市場に現れにくい
4つ目の理由は、ITエンジニアが採用市場に現れにくいことです。
友人や知人、過去の同僚やITエンジニアのコミュニティなど様々な経路で仕事が紹介される機会が増えています。結果として転職サイトや転職エージェントに登録せず転職活動が完結してしまうケースも増えている状況です。
また、ITエンジニアの市場価値やITエンジニア採用の難しさを理解している企業は、待遇を見直してエンジニアの離職を防ぐ取り組みを行っています。
給与や就労環境の改善、IT子会社の設立など、ITエンジニアにとって魅力的な企業を作るために投資を行っています。
以上から、そもそもITエンジニアが採用市場に現れないという状況が生まれています。
理由⑤ITエンジニアが求める条件と企業が提示できる条件が合わない
5つ目の理由は、企業が提示できる条件とITエンジニアが求める条件が合わないことです。
これまで紹介した通り、ITエンジニアの市場価値は高く、ITエンジニアが求める給与や待遇条件も高くなっています。スキルが高いITエンジニアが求める給与・待遇などを用意できない場合、ITエンジニアの転職先の候補に上がることは困難です。
また、競合他社と条件面で負けてしまうケースや、経営層の理解不足で雇用条件の改善が進まないといったケースもあり、現在の採用市場に適合できない企業は圧倒的に不利な状況に追い込まれてしまうといえます。
ITエンジニアと企業の間に生まれるミスマッチについては、以下のコラムで詳しく解説しております。参考にしてみてください。
合わせて読みたい:ITエンジニア採用でミスマッチが起きる理由とその解消方法を解説
ITエンジニア人材の転職事情
これまでにお伝えした通り、ITエンジニアの採用は様々な企業にとって重要な課題であり、困難を極める問題でもあります。だからこそ、ITエンジニア人材をより深く知り、適切な戦略や戦術を取る必要があります。
ここではITエンジニア人材の転職事情を紹介します。ITエンジニア人材が転職をどう捉えているのかを理解する参考にしてみてください。
ITエンジニア人材が求めるキャリア
ウォンテッドリー株式会社が行った調査によると、ITエンジニア人材が転職時にもっとも重視するのは「仕事内容のやりがい」と「自己成長性」であると報告されています。
引用:「コロナ禍の転職と副業に関する調査結果」ーウォンテッドリー株式会社
ITエンジニアは他の職種で重視されるような「福利厚生」や「社風」よりも、「ミッション」「プロジェクト内容」「成長環境」に興味を持つ傾向があるといえ、採用現場においてもこのような内容をアピールした方が効果的といえます。
また、ITエンジニアが上記の観点で転職先を選ぶ背景には、自分の技術やスキルが陳腐化することに対する恐怖心があると考えられます。
株式会社パーソル総合研究所が行った「ITエンジニアの人的資源管理に関する定量調査」によれば、ITエンジニアが自身のキャリアに対して不安に思う観点として、「自分の技術やスキルがいつまで通用するか」が全体の46.5%で最多、「いつまで新しい技術やスキルを習得できるか」が43.6%で第3位となったと報告されています。
これら2つの観点は、非ITエンジニアの不安要素との乖離が大きく、ITエンジニアにおいて特長的な観点であることが伺えます。
このことから、企業はITエンジニアが技術やスキルを研鑽する機会を積極的に提供しなければ、ITエンジニアの転職先として魅力的に感じてもらえない可能性があることが示唆されます。
ITエンジニア人材の年収と転職意向
ITエンジニア人材の年収と転職意向の関係性をみると、ITエンジニアは年収が高いほど定着しやすい傾向にあります。
株式会社パーソル総合研究所が行った「ITエンジニアの人的資源管理に関する定量調査」によれば、ITエンジニア人材の年収と転職意向率は高い相関関係があると報告されています。
また、希望年収と現年収のギャップの大きさは、ITエンジニアでは転職意向を上げ、それ以外の職種では管理職意向を下げることも報告されています。
ITエンジニア採用の競争激化により、各企業が魅力的な待遇でITエンジニアを募集しています。
また、ITエンジニア人材は日本企業の旺盛なITエンジニア需要を理解している可能性が高いです。
そのため、現職の年収と自身の希望年収に乖離があると、より自身の希望年収に近い仕事を求めて転職しようと考える傾向があると考えられます。
ITエンジニア人材が入社を決めるポイント
株式会社パーソル総合研究所が行った「ITエンジニアの人的資源管理に関する定量調査」によれば、ITエンジニアの入社理由ランキング1位は「安定して働ける環境」で 53.8%です。
一方で、2位は「成長できる環境」で40.4%、3位は「技術を伸ばせる環境」で38.3%となっており、ITエンジニアの成長志向が強い傾向が伺えます。
ITエンジニア人材を採用するポイント
ここまでに紹介したとおり、ITエンジニア人材は高い成長意欲をもち、給与に対してシビアな感覚を持っています。非ITエンジニアを採用する際の考え方をそのまま流用しても、ITエンジニアの採用成功には繋がりにくいと言えます。
ITエンジニア人材を採用するポイントとして、以下6点が挙げられます。
- ・社内のITエンジニアと協力する
- ・ITエンジニアの志向を知る
- ・ペルソナを明確にする
- ・条件を緩和する
- ・スキルを見抜く面接を行う
- ・情報の発信手段を増やす
採用競合に先んじて優秀なITエンジニア人材を獲得するためには、小手先のテクニックだけではなく、給与、待遇、労働環境、情報発信などを総合的に見直す必要があります。
採用における「ペルソナ」を明確にすることで、ITエンジニアに対して募集要項で何を書くべきなのか、面接で何を伝えるべきなのかなど、採用活動の具体的なプランが立てやすくなり、採用効率の向上やミスマッチの減少にも繋がります。
採用ペルソナの作り方に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
合わせて読みたい:採用ペルソナの作り方を徹底解説!求める人物像を獲得する有効な手法とは?
また、採用担当と社内のITエンジニア双方が協力して採用活動をすることで、評価ポイントがズレるなどの問題を回避できます。
6つのポイント具体的な内容や採用活動の進め方は、以下の記事でより詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
合わせて読みたい:【採用担当者必見】ITエンジニア採用ノウハウ。採用のポイントを徹底解説
まとめ:ITエンジニアをお探しの担当者へ
本コラムでは、ITエンジニア採用の市場を様々な観点で解説しました。採用競合に先んじて優秀なITエンジニアを獲得するためには、適切な戦略や戦術が必要です。当記事を参考に、貴社独自の採用戦略を検討してみてください。
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