ITエンジニア採用でミスマッチが起きる理由とその解消方法を解説
# エンジニア # 採用
だからこそ、高い費用を投じて採用したITエンジニアの早期退職は、企業にとっては大きな損失であり、できる限り避けたい問題です。
当記事では、ITエンジニア採用でミスマッチが起きる理由と、ミスマッチを防ぐポイントを紹介します。貴社の採用活動をより良いものにするためにも、当記事を参考にしてみてください。
- ITエンジニア採用のミスマッチの根本原因は「丸投げ体制」
- 「情報不足」「理解不足」「フォロー不足」の解消がミスマッチを防ぐ
- これら全てを解消する手段として「採用動画」がおすすめ
この記事のまとめ
ITエンジニア採用におけるミスマッチの現状
人材採用において企業と求職者のニーズにギャップがある状態のことを「ミスマッチ」といいます。
双方がギャップを認識して、改善に向けて取り組まないと、ギャップが顕在化したり、さらに大きくなる可能性があります。最悪の場合、早期離職を招くこともあります。
厚生労働省の調査によると、就職後3年以内の離職率は新規高卒就職者で36.9%、新規大卒就職者で31.2%と報告されています。
また、就職後1年以内の離職率は新規高卒就職者で15.0%、新規大卒就職者で10.6%と報告されています。
必ずしもミスマッチだけが原因ではありませんが、新卒就職者の3割が3年以内に離職する現状を踏まえると、ミスマッチを防ぐことは、企業が取り組むべき課題のひとつと言えます。
引用:新規学卒就職者の離職状況ー厚生労働省
また、ITエンジニアに向けたコーディング試験サービスを提供する株式会社ハイヤールーのアンケート調査によれば、エンジニア採用で「ミスマッチ」を経験した採用担当は全体の84%にのぼると報告されてます。
ミスマッチの理由としては「パフォーマンスが期待より低い」が66%と最も高く、多くの採用担当者が、選考時点で候補者のスキルを見極めきれず、入社後に期待値との差を感じていることがわかります。
ITエンジニア採用でミスマッチが起きる理由
採用のミスマッチは、企業と求職者双方にとって避けたいことです。ここでは、ITエンジニアの採用においてミスマッチが発生する理由について解説します。
- 1. 管理部門や採用担当に丸投げしている
- 2. 企業や業務に関する情報開示が不十分である
- 3. 自社の求める人材像が不明確である
- 4. 入社後のフォローが不足している
1.管理部門や採用担当に丸投げしている
1つ目の理由は、ITエンジニアの採用を管理部門や採用担当に丸投げしていることです。
ITエンジニアは専門性が高い仕事です。管理部門や採用担当がITエンジニアの採用に関する知識が不足していたり、必要なスキルを把握できていなければ、採用活動は上手く進みません。
採用した人材が現場で必要な人材と大きくずれてしまい、結果的に人材の早期退職に繋がるリスクが生じます。
社内の優秀なITエンジニアを採用に招き、採用要件や選考プロセスを見直すことで、ミスマッチが起こる可能性を少しでも減らす努力が求められます。
2.企業や業務に関する情報開示が不十分である
2つ目の理由は、企業や業務に関する情報開示が不十分であることです。
インターネットやスマートフォンの普及により、ITエンジニアに限らず求職者全体の情報収集手段は各段に増加しています。
10年前は、求人媒体や人材エージェントからの紹介が主な情報収集手段でした。
しかし現在では、口コミサイトやSNSなどで企業の評判を調べ、採用ホームページで社員インタビューを見て応募を決めるといったことが当たり前になっています。SNSで実名を公開して情報発信をする採用担当者も少なくありません。
企業の魅力的な情報はもちろん、求職者があらかじめ知っておくべきネガティブな情報を発信しなければ、ITエンジニアは誤った認識のまま入社してしまう可能性があります。
結果的に、企業とITエンジニア双方が「こんなはずではなかった」とミスマッチを感じるリスクがあります。
3.自社の求める人材像が不明確である
3つ目の理由は、自社の求める人材像が不明確であることです。ITエンジニアに限らず、自社の求める人材像が不明確なまま採用活動を進めると、ミスマッチが起こりやすくなります。
例えば、求める人材像を明確にしないまま、やみくもに応募を集めようとすると、「自社に合わない求職者」からも応募が集まり、選考を通過してしまうことがあります。
当然、自社に合わない人材は、早期退職するリスクがあります。そして早期退職が発生すると、これまで選考にかけたコストや時間が無駄になるばかりか、人員補充のために再び採用活動を行わなければならなくなります。
ITエンジニアに求めるスキルはもちろん、チームにおける仕事の仕方や進め方、自社のポジショニングや事業戦略、成長目標などを踏まえて求める人材像を明確にする必要があります。
4.入社後のフォローが不足している
4つ目の理由は、 入社後のフォローが不足していることです。
実際のところ、ミスマッチが起きたとしても即退職を決める人材は少数です。ミスマッチの状態が続き、改善が見込めないことが分かると、人材は不安やストレスに耐え兼ねて退職する傾向にあります。
エン・ジャパン株式会社が行ったユーザーアンケートによれば、「人間関係」「評価制度」「給与」「社風」などを退職理由として挙げる人が多くいると報告されています
いかに入社前に社風や文化と適性が合うと判断できていたとしても、労働環境に慣れるまでは不安を感じる人が多いことも示唆されます。
ミスマッチを感じるか否かに関わらず、入社した人材のフォローを行わなければ退職のリスクが付きまとうことを覚えておく必要があります。
入社後はもちろんですが、早期退職を防ぐには入社前の内定者に対してもフォローを行う必要があります。社員や内定者同士で交流する場を作るなどのフォローを行うことで、内定者の入社に際する不安の解消に繋がります。
内定者フォローの詳しい方法については以下の記事でご覧になれます。
合わせて読みたい:内定者フォローのやり方を事例を交えて解説!手段とポイントとは?
ITエンジニア採用のミスマッチ防止に必要なこと
それでは、ITエンジニア採用のミスマッチを防ぐには、どのようなことに取り組めばいいのでしょうか。ここでは、ITエンジニア採用のミスマッチを防ぐポイントを紹介します。
- 1. 求める人材像を明確にする
- 2. スキルと報酬のバランスを見直す
- 3. 開発現場が主体的に参加する
- 4. 自社の情報を積極的に発信する
- 5. 採用手法を見直す
- 6. 適性検査を実施する
- 7. 入社後フォローを行う
1.求める人材像を明確にする
自社がどのような人材を求めているかを明確にする必要があります。20代の実務経験者といった解像度では、採用チーム内でも認識のズレが生じます。
ITエンジニアが自ら採用現場に立つのであればまだしも、ITエンジニア経験を持たない採用担当者だけで採用活動を進める場合、的外れな採用になることは避けられません。
求める人物像を明確にし、採用チーム内の共通認識にするには、「採用ペルソナ」の考え方が役立ちます。
採用における「ペルソナ」は氏名・年齢・性別・居住地・家族構成などの基本的な項目から、職業・役職・年収などの就労環境、趣味・価値観・生活様式などのプライベートな部分まで詳細に設定したユーザー像を意味します。
ペルソナが明確になれば、ITエンジニアに対して募集要項で何を書くべきなのか、面接で何を伝えるべきなのかなど、採用活動の具体的なプランが立てやすくなります。
また、社内の共通認識にもなるため、採用に携わるメンバー間の認識のズレが最小限になります。採用効率の向上やミスマッチの減少にも繋がることも、ペルソナを明確にするメリットです。
ITエンジニアの志向を理解することで、ペルソナの解像度が高まり、より価値のあるペルソナを設計することが可能になります。
また、ITエンジニア採用の場合、「ITエンジニアが企業に何を求めているか」など、ITエンジニアの志向を正しく理解しなければ的外れな採用ペルソナになってしまいます。
ウォンテッドリー株式会社の「コロナ禍における転職と副業に関する調査」によれば、エンジニアが転職時に最も重視するのは「仕事内容のやりがい(50%)」「自己成長性(50%)」と報告されています。
引用:「コロナ禍における転職と副業に関する調査」ーウォンテッドリー株式会社
ITエンジニアが一緒に働きたい人やチーム、自分の腕を振るえる機会を探しているケースが多いのは、このような志向性によるものといえます。
また、株式会社リブセンスの「ITエンジニアの働き方に関する調査」によれば、72.3%のITエンジニアが、リモートワークが重要だと回答しています。
特に、フルリモート(原則在宅勤務)を希望しているITエンジニアは「出社するメリットが感じられないから(59.5%)」、「オフィスへの移動時間の負担を減らしたいから(58.2%)」と回答していることも注目に値します。
引用:「ITエンジニアの働き方に関する調査」ー株式会社リブセンス
採用活動全般に言えることですが、採用したい方の特長や価値観を踏まえた志向性を理解することで、採用活動の成功確率を高めることができます。これらの情報を踏まえて、採用活動で使えるペルソナを設定することをおすすめします。
採用ペルソナは、採用目的を明確化し採用すべき人物像の条件を洗い出すなど、6つのステップで作ることが可能です。詳しい採用ペルソナの作り方やメリットについては以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
合わせて読みたい:採用ペルソナの作り方を徹底解説!求める人物像を獲得する有効な手法とは?
2.スキルと報酬のバランスを見直す
人材市場の景況感を踏まえてスキルと報酬のバランスを見直し、採用力を維持することも重要です。
経済産業省の「IT人材需給に関する調査(概要)」によると、2030年には最大約79万人のITエンジニア不足が生じると試算されています。
引用:「IT人材需給に関する調査(概要)」ー経済産業省
また、AIやIoT技術などの先端技術の急速な発達や、デジタルトランスフォーメーション(DX)への積極投資など、ITエンジニアの獲得競争はますます激化していくことが予想されます。
さらに、ITエンジニアが個人で案件を獲得できるプラットフォームが増加した影響で、フリーランスに転向する人材や副業(複業)する人材も増えています。
これらのことから、ITエンジニアは需要と供給のバランスが極めて悪い職種と言えます。
優秀なITエンジニアは、高い水準の報酬や労働環境を求めるため、優秀なITエンジニアを採用するためには、社内の制度や環境を見直し、改善を図っていく必要があります。
とはいえ、スキルの高いITエンジニアから応募があった際に、他社に奪われないよう、やみくもに高い報酬や待遇を提示すると、社内から不満が出るリスクがあります。現職の社員とのバランスを意識することも忘れてはいけません。
例えば、指定の技術系国家資格を取得することで資格手当を支給するなど、客観的な判断基準を設けることで公平性が保たれます。
3.開発現場が主体的に参加する
専門性が必要なITエンジニア採用において、自社のITエンジニアの協力は必須です。
ITエンジニアの経験がない社員だけで採用を進めれば、ITエンジニアからの応募が集まらない、評価ポイントがズレるなどの問題が生じます。
また、ITエンジニア経験者だけで採用を進めれば、採用市場の動向に合わせられず、必要以上に高いスキルを求めてしまうことで採用活動が終わらないといった問題が生じます。
面接での正確なスキルチェックや現場社員との面談、求人票の内容確認など、自社ITエンジニアを巻き込み、採用活動を前進させましょう。
4.自社の情報を積極的に発信する
多様な情報収集手段があるなかで、ITエンジニアは自分の関心領域のWeb記事やSNSのつながりなどによって情報収集をしている方が増えています。
転職を検討している人は、こうして興味のある企業を見つけてから企業のホームページや求人広告を検索するケースがほとんどです。
そのため仕事内容や条件だけでなく、ビジョン、カルチャー、価値観が伝わるような情報を発信して、ITエンジニアとの接点を増やすことが効果的です。
採用ブランディングや採用マーケティング、採用広報の視点でできる限り多くの情報をITエンジニアに届けられるよう体制を作ることをおすすめします。
それぞれ採用への取り組み方が異なりますが、違いをまとめると以下のようになります。
- ・採用ブランディング
自社のブランドイメージを構築し、優秀な人材を確保しうる状態を創る方法 - ・採用マーケテイング
採用プロセスをマーケティングの手法を用いて求職者目線で考えていく方法 - ・採用広報
企業の採用活動を広くアピールする方法
それぞれ詳しい方法は以下の記事でそれぞれ解説しています。
合わせて読みたい:採用ブランディングとは?採用動画を活用したブランディングの優位性を紹介
合わせて読みたい:採用マーケティングとは?フレームワークを使って採用活動を最適化する理由
合わせて読みたい:スタートアップ企業が取り組むべき採用広報とは?定義と4つの手法を解説
5.採用手法を見直す
ITエンジニアの採用を支援する様々なサービスが存在しています。採用が難しい ITエンジニアの採用を成功させるためには、ITエンジニアが採用しやすい手法を選び、活用することが近道といえます。
以下の記事では、実際にITエンジニアの採用で活用されている手法と、それぞれのメリット、デメリットを紹介しています。自社の採用ニーズや採用予算に合った採用手法を選ぶ際の参考にしてみてください。
合わせて読みたい:ITエンジニアの採用手法とは?最適な採用手法を選ぶポイントを解説
6.適性検査を実施する
面接で見極めることが困難なスキルや仕事の進め方を計測する方法として、適性検査の導入も効果的です。
求職者のコミュニケーション能力や考え方、ストレス耐性などの客観的な結果と、面接でのコミュニケーションや印象を複合的に評価することで、採用の精度が高まります。
適性検査にはいくつかの種類があります。それぞれの適性検査で測定できる項目を調べたうえで、自社に適切な適正検査を選びましょう。
- 【適性検査例】
- SPI、クレペリン検査、Cubic、CAB・GAB、eF-1G、TAL、玉手箱 など
7.入社後フォローを行う
前述の通り、入社後のギャップはミスマッチの大小に関わらずほとんどの人材が感じるものです。
ギャップを少しでも減らすために、内定後や入社後に人材をフォローする体制を整備することも重要です。
たとえば、「中途社員向け研修の実施」「相談窓口や目安箱の設置」「産業医の導入」などが挙げられます。
内定者や社員のフォロー制度は離職率の低下だけでなく、企業全体の労働環境の改善にもつながるため、長期的に見ても良い施策になりやすいと言えます。
まとめ:ITエンジニアの採用でお困りの担当者へ
ITエンジニアの採用は年々難しくなっています。苦労して採用したITエンジニアが、ミスマッチによって早期退職してしまっては、企業として大きな損失になります。
優秀なITエンジニアを獲得し、長期に渡ってパフォーマンスを発揮していただくためにも、当記事を参考にしていただけると幸いです。
採用のミスマッチを防ぐためには、求職者が選考を受ける企業をどこまで理解しているかが重要になります。ミスマッチを防ぐ手段として注目されているのが、「採用動画」です。
求人動画プラットフォームのmoovyは、動画形式で創業ストーリーや経営理念、社員のインタビューなどを掲載できる採用動画メディアです。
動画は1本あたり30秒。要点を絞った情報発信になるため、視聴に対する求職者の心理的ハードルを下げることができます。
また、「名物社員紹介」や「社長の意外な一面」など、 テキストだと分かりにくい社員の人柄やカルチャーを紹介できるため、求職者の深い企業理解をサポートすることが可能です。
動画は画像やテキストに比べて情報量が多いため、企業の定性的な情報を効率的に発信する手段といえます。ITエンジニア採用でミスマッチを防ぐためにも、ぜひmoovyの動画サービスの活用をご検討ください。
- この記事を書いた人
東北大学大学院薬学研究科修了。新卒で株式会社キャリアデザインセンターに入社。大手企業から町工場まで100社以上の採用支援を行う。また300人以上の転職希望者へ面接対策を支援し、多くの転職成功者を輩出。その後SaaS系スタートアップ企業に転職し、新規事業企画とマーケティングに携わる。現在は地域企業の支援をするため、株式会社グローカルへジョイン。
採用動画の制作・掲載ならmoovyへ
会社名 | 株式会社moovy |
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代表 | 三嶋 弘哉 |
設立 | 2020年4月13日 |
住所 | 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目18−3 プレミア道玄坂ビル8階 |
メールアドレス | moovy_support@moovy.co.jp |
URL | https://company.moovy.jp/ |
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